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一歩の重さ  作者: burazu
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無冠の強者

 以前の日曜日に天馬と歩いていた女性は天馬の彼女、木本葵と一輝から知らされた小夜は美咲との会話の途中で天馬が棋将戦に勝ち残っている事を思い出し、次の対局相手をスマートフォンで調べ、驚きを隠せないでいた。


「真壁先生、次は倉橋先生と対局なんだ」

「倉橋先生って倉橋正一八段の事よね」

「ええ、27歳で現在A級に在籍はしていて高勝率を誇っているんだけど、未だ無冠で無冠の帝王と揶揄されているわね」

「でもすごく強くて各棋戦では本戦に常にいるのよね」


 美咲の話を聞いて小夜は天馬の勝つ難しさを話す。


「真壁先生にとっては初の本戦入りだけど、倉橋先生は序・中・終。全ての盤に隙が無いと言われているから真壁先生でも簡単には勝てないわ」


 小夜達が倉橋八段について話している頃、その日別の棋戦で倉橋八段は関西将棋会館で対局をしており、終局を迎えようとしていた。


「負けました」


 勝ったのは倉橋八段で、対局相手と感想戦をしているが、対局相手の声は多く室内に響いているが倉橋の声はほとんど聞かれない。


 対局相手が特にもう話す事がない事を確認すると倉橋が駒を駒袋に入れて、駒箱に閉まって互いに礼をしてその対局は幕を閉じる。


 倉橋が将棋会館をあとにした後、記者達が倉橋について話をしていた。


「倉橋八段、強くて良い棋譜も作るんだが……」

「感想戦でもう少し読み筋とか話してくれないかなと思うな、これじゃあ記事が書きにくい」

「手の内を晒したくないってやつなのかね?」

「さあね、だがあれは大物になる器じゃないな」


 倉橋正一八段は高校生の頃にプロデビューを果たしており、デビューしてから毎年高勝率を誇っており、タイトルは時間の問題と思われたが、何度か挑戦するものの獲得に失敗という事を繰り返していた。


 その為、一部関係者からは無冠の帝王などと揶揄されていたのだ。


 そんな倉橋も今の天馬にとってはとても大きな壁であることに変わりはない。


 そんな時、天馬はあるマンションを訪れており、訪問先の部屋の前に到着するなり、インターホンを押す。


 インターホンを押すと部屋の中から中年らしき男性が出てきて天馬が挨拶をする。


「お邪魔します、そしてお久しぶりです、()()

「お前が俺を尋ねてくるなんて、どういう風の吹き回しだ?天馬」


 天馬が師匠と呼ぶ謎の男性、しかも久しぶりに顔を合わせる師弟関係?彼らの間に一体何が?

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