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一歩の重さ  作者: burazu
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目撃者小夜

 ある日の夕方頃、小夜は友人で同じ女流棋士である与田美咲と街中を歩いている。その道中で美咲がなにか話しているようだ。


「ああ、今日の研究会さんざんだったよ、小夜ちゃんには2勝8敗で、鎌田さんと村田君にいたっては10敗だもん」

「私だって、美咲ちゃんには勝てても、鎌田さんと村田君には全敗よ」

「大体、女流棋士の私達がプロ棋士候補の奨励会員と研究会ってさすがにレベル差ありすぎじゃない」

「鎌田さんにお願いされたからね、一輝君は明日大阪で対局だし、真壁先生はプライベートで用事があったからね」


 小夜はそう言うが、どうも美咲は納得できず愚痴をこぼす。


「対局の長谷君はともかく、真壁先生の研究会より大事な用事って何よ?」

「さあ、ん?あれは……」


 小夜が目にした先には研究会を欠席していたはずの真壁天馬がいて、更に見知らぬ女性も一緒だ?


「真壁先生?それにあの女の人は?」

「そうか、研究会を私達に押し付けて自分はデートとか、良いご身分ね」

「待って、代役を頼んだのはあくまで鎌田さんだし、真壁先生は関係ないわ」

「同じ事だよ、真壁先生がデートしたせいで私こんなにへこんでいるんだよ」


 もはや美咲の逆恨みともいえる発言に小夜は少々呆れているが、天馬が自分達に視線をやりそうになるのに気付いて隠れる。


「ん?」

「どうしたの天馬?」

「いや、どこかで聞いたような声がした気がしたけど、気のせいか」

「それじゃあ行こうか」


 天馬と女性がその場を離れていくのを確認すると再び美咲が声を出す。


「聞いた、小夜ちゃん、今あの女の人()()って呼んでたよ、真壁先生の事、鎌田さんも知ってたら教えてくれたらいいのに」

「私なら人のプライバシーを他人に話す人とは研究会したくないな、それにもしかしたら鎌田さん達も詳しい事情までは知らなかったかもしれないわ」

「それじゃあ、長谷君に聞いてみようよ、今ならもうホテルに着いた頃だろうし」

「ダメよ!一輝君、明日対局なんだからそんな事に時間を取らしちゃあ」


 一輝の対局前日に余計な事をさせたくないと小夜は美咲を制止し、それに対し美咲は返答をする。


「それもそうね、じゃあさ明後日学校終わったら一緒に聞いてみよう」

「ええ、対局の翌日なんて疲れているしそれも止めましょう」

「じゃあ水曜日ならいい?」

「……そんなに気になるんだ。でも一輝君も知らなかったり、教えてくれなかったら、もうこの件は忘れましょう」


 美咲の好奇心の暴走を何とか小夜は止める事に成功するが天馬と小夜達の見知らぬ女性の関係とは?

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