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Dead Planet  作者: 尸音
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6-6

そうして。








数日後、3人は別の星に到着。



3人の子供が血まみれ傷だらけで、珪都と優香に至ってはうっかり軍の装備のまま来てしまったため、3人は一時警察に保護された。





マスコミはこぞって3人のことを連日報道。3人はちょっとした有名人となる。






その3人は、まずシャワーを浴びさせてもらい、傷の手当てを受けた。




食欲はなかなか戻らなかった上、寝るたびにあの夢を見る。



人混みに出くわすたびにゾンビの群れがフラッシュバックする。




普通の生活ができるまでに数年がかかった。



ちなみにその数年間と言うのは、別の星で宇宙船を盗んだことがバレたせいで刑務所内で過ごすものとなった。





もっとも、3人にとってしてみればそれでも十分すぎるほど幸せな日々だった。



トラウマを克服するまでの間、3人は牢屋の中ででも支え合って、笑い合って生きた。



















―――――――



















「おーい、優香ー! そろそろ行くぞ!」



珪都がすっかり大人びた声で呼ぶ。



優香は慌てた様子で走ってくる。




3人は出所した後、必死で職を探し、夢中で働いた。


既にメディアによって怪しい人物として国中に知れ渡っていた3人はなかなか仕事を見つけることができなかった。


手当たり次第に探し回り、ようやく雇ってもらえた店の安い給料にかじりついて生き延びた。



家は3人で、狭く、年季の入って設備も悪い、家賃の安さだけが取り柄のボロアパートを借りた。




押し合いへし合い、時には料金滞納で電気を止められ、それでも3人は笑って生きた。




リディとエラミルの死は、珪都、芳樹、優香の今を創り出し、それを享受していることを忘れる瞬間は無かった。







そして今、3人は5年ほどかけてようやく買った宇宙船で、この星を発つ。




必要最低限の荷物だけを持って、3人は船に乗り込むところだった。





今度はちゃんと行き先も決めた。




アロンゴ星。自然に富んだのんびりとした星らしい。





「やっとこの星ともお別れだな。」


芳樹が満足げに言った。右手の傷は、痕こそ残ったものの、さすがに完治している。




「何だか寂しくなっちゃうね。」


優香が名残惜しそうに微笑みながら言う。




「次の星でも、俺たちはいつも一緒だ。」


珪都が言い、2人は頷いた。





船はゆっくりと浮上し、やがて飛び立った。








ハタから見れば確かにどん底のような貧乏生活をしている。



だが、どんなどん底でも、最上級の絶望を知っている3人には幸せそのものだった。



それどころか、どん底をどん底として苦しみ、それでも3人で力を合わせて頑張っていけることが幸せだった。











         3人は生きていられることが、本当の奇跡だと知っている。











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