#17 もしかして……心霊写真?
この学校は元々は農業科や商業科などが併設された実業高校だったため、自然がたくさんある。
生徒達が個人写真を撮ってもらっている間に大木から黒い帽子を被った人物がひょっこりと顔を出した。
そのような服装の人物は他にいないため、おそらく不審人物だろう。
「今日は外で写真撮影か……」
彼は双眼鏡を取り出し、様子を伺っている。
しかし、3年5組の生徒達と春原や秋山は個人写真の撮影を終え、自由に友人同士で写真を撮ってもらっていた。
例えば、数人の生徒がジャンプをしていたり、楽しそうに会話をしていたり、ある曲の一部を踊っていたりしているものなどといった個性的な写真がたくさん撮られていた。
「夏川ー。友達とたくさん写真を撮ってもらうのはいいけど、一回も私や秋山先生と撮っていないよ? 秋山先生からも何か言ってくださいよー」
「ほ、他の生徒はみんな撮り終わっているんだぞ? あ、あとは夏川だけだからな?」
紫苑は友人と撮った写真は多いが、まだ春原や秋山と撮ったものがないことを二人に気がつかれてしまい、指摘を受ける。
しかし、彼女は彼の口調が少し変だと気がつく。
「秋山先生?」
「ん? どうした?」
「春原先生に振り回されていますか?」
「ああ、少しだけ……」
「夏川と秋山先生。何か言いました?」
「「いえ、なんでも……」」
「じゃあ、三人で撮りますか! カメラマンさん、次はここでお願いします!」
「はーい! 今、行きます!」
少し拗ねている春原と振り回されている秋山から逃げ出したいと思っている紫苑。
最終的には彼女は強制的に三人で撮ることに決まっており、カメラマンが彼女らのところに駆けつけてきた。
「三人で撮りますか?」
「「はい!」」
「じゃあ、撮りますね!」
カメラマンがシャッターを押したが、少し苦い表情を浮かべながら「ん?」と言いながら目を擦っている。
その時、紫苑はなぜ彼は目を擦っているのだろうかと疑問を持ち、「どうしました?」と訊いてみた。
「なんか黒い帽子を被った人物が写り込んでいるのです……」
「「黒い帽子を被った人物?」」
彼女らは一斉に同じことを口にし、その写真を見てみる。
「「…………こ、これは怪盗ベルモンド!」」
三人は揃いに揃って同じ答えを口にしていた。
「えっ、何々?」
「先生と紫苑、どうしたの?」
「ねえ、心霊写真?」
「う、嘘でしょう!?」
「怖いからやめてよ!」
「ち、違うんじゃないの?」
動揺している彼女らに気がついた生徒達がわらわらと一ヶ所に集まりだしていた。
2018/12/17 本投稿




