#16 写真撮影、スタート!
一限目から四限目までは普通に授業が行われた。
その日の時間割は一限目は世界史、二限目は英語、三限目は数学、四限目は生物。
授業内容はほとんど中間テストの返却と答え合わせのみだった。
そして、昼休みを挟み、五限目を迎える――。
ついに紫苑達のクラスである3年5組の卒業アルバムの写真撮影が始まろうとしていた。
「みんな、揃ったかな?」
「春原先生。四限目はこのクラスだったのに、出欠を取らなかったのですか!?」
「一応は取ったよ?」
「ならば、しっかり把握してください!」
「「あははは……!」」
「先生達、面白い!」
「ちょっと、くだらなすぎ……!」
担任の春原と副担任の秋山は二人で漫才を繰り広げられており、生徒達からは大爆笑が起きている。
「ほら、生徒が笑っているじゃないですか!?」
「まあまあ、少しは緊張が解れていいんじゃない?」
「確かにそうですが……」
彼は呆れながら彼女に指摘するが、彼女らは自分達の教え子の表情を見た。
生徒達は二人を見て緊張を解していたのかもしれないと秋山は察していたやさき、「いやー……賑やかですね!」とカメラを持っている男性が話しかけてくる。
「あっ、すみません。うちの担任がこんな調子で……」
「気にしないでください。元気なのはいいことですからねー。これからの流れを説明しますので、みなさんはこちらに集まってください!」
「「はーい!」」
彼はその男性に申し訳なさそうに謝った。
男性は写真撮影の説明をするため、生徒達を彼らの前に集合させる。
「3年5組のみなさん、こんにちは!」
「「こんにちは!」」
「早速ですが、今日の写真撮影の流れを説明しますね。まずは全員で集合写真を数パターン撮らせていただきます。次に個人写真、友人同士で撮っていく流れで行っていきますね」
「「分かりました!」」
「集合写真を撮りますので、出席番号順になってください! じゃあ、先生二人は真ん中に座ってもらって、その隣に学級委員の人に入ってもらおうかな……それ以外は僕から見て左から出席番号の最初から座っていってくださいね!」
「夏川は私か秋山先生の隣だね」
「はい。でも、なんか強制的じゃないですか?」
紫苑以外のクラスメイトは男性カメラマンの指示に従い、出席番号順に立っていたり、座っていたりしていた。
彼女は二、三分くらい悩み、秋山の隣に座る。
「春原先生。早速、ポーズを取ってもいいですか?」
「えー……一枚目は普通に撮って。あとはポーズを取るなりしてもいいからさ」
「わーい!」
「やったぁ!」
「じゃあ、撮りますよー!」
カメラマンが少し離れたところからカメラをしっかり構え、叫んでいた。
そのフラッシュランプがつき、カシャッとシャッター音が鳴る。
一枚目の集合写真が撮り終え、二枚目は先ほどと同じ位置でポーズを取ったもの、三枚目は出席番号順を崩してポーズを取ったものだ。
「みなさん、ありがとうございます! 次に個人写真を撮っていきますので、今度は出席番号の一番最後の人から順番に並んでくださいね。その間にお友達とどのように撮るか考えておいてくださいねー!」
「それと一つ条件があるから聞いて! 友達同士の写真を撮る時に必ず一回は私や秋山先生と一緒に撮ってね!」
「「分かりました!」」
「「はーい!」」
生徒達はカメラマンと春原の話を聞き、納得したかのように返事をする。
彼女は楽しそうに撮影をしている彼女らを見て自分の番がくるまで待っていた。
2018/12/16 本投稿




