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手土産
『お土産』
「ありがとう、お前のおかげだ」
「いきなり、なに?」
「ずっと電車が立ち往生してただろ?」
「あー、大変だったね」
「お前へのお土産があって、ほんと助かった」
「お前なあ、何がありがとうだ、人を喰った奴だ」
「まあ、美味しかった、とだけ言っておこう」
−第百二十話−
ドラゴン。
その息吹は、生きとし生けるものを滅ぼすという。
赤い竜は火を。
青い竜は雷を。
黒い竜は強酸を。
そして、緑の竜は・・・
「また、つまらないものを切ってしまった」
「それ、私の手土産の羊羹だよ!」
息をするように毒を吐く。
−第百二十一話−
ドラゴン。
その息吹は、生きとし生けるものを滅ぼすという。
赤い竜は火を。
青い竜は雷を。
黒い竜は強酸を。
そして、緑の竜は・・・
「最近はほんと、あっついね、って、あれ、私の分のアイスは?」
「ん?、あっ、ついね」
息をするように毒を吐く。




