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天使の服
『大掃除』
「かつて天使と悪魔の争いがあった」
「ふむ」
「絶縁テープをめぐって」
「ほえ?」
「一体、絶縁するのか、くっつけるのか」
「ハハハ、で、どうなったの?」
「くっつけたり、離れさせたりを繰り返して、結局、ベタベタになった」
「はいはい、掃除しようね」
−第百七話−
ドラゴン。
その息吹は、生きとし生けるものを滅ぼすという。
赤い竜は火を。
青い竜は雷を。
黒い竜は強酸を。
そして、緑の竜は・・・
「みてみて、私のデザインした"天使の服"だよ」
「どのあたりが天使なの?」
「背中が大胆に開いてるでしょ」
「ああ、なるほどね」
「どうかな?」
「君が着るための服には、おしりにも穴をあけないとね」
「いや、誰が悪魔か」
「ふむ、なかなか尻尾を出さないね」
息をするように毒を吐く。




