揚げないカボチャコロッケ 『チームわらし』with大介の暗躍(後編)
拙作をお読みいただき、ブックマーク、評価ありがとうございます。
はい。お約束の更新お休みします詐欺です。まさかね、まだランクインしてるとは思ってなかったとですよ。良かった。後編だから飯テロメニュー考える時間が要らなくてストーリーだけで助かりました。次回は梅干しのおにぎりです。残念ながら明日はパソコンを持ち歩けないので本当に更新お休みです。よろしくお願いいたします。
時間には随分余裕を持ってライブハウスに着いたはずなのに、重たいドアを開けると、ピアノの音色が響いてきた。
Kちゃんの音だ!!ボクらはKちゃんに向かって走った。
「「「Kちゃ~ん」」」
「あ、初めましてKちゃんです。今日は宜しくお願いします。」
ぺこりと頭を下げるKちゃんに動画に出てくる子供たちの様に撫でてもらおうとウリウリとにじり寄りながら、
「わらしです。」
「かはくです。」
「チコです。」
「稲荷だ。」
いつの間にかいなりも来ていた。それぞれKちゃんにそれぞれ頭を撫でてもらう横でいなりがこそっと
「のり子の家の周りの結界はいつもの10倍にしておいたし、のり子には今日は大介もわらしも留守だから家から出るなよと、くぎを刺してきた。」
時間差攻撃のアリバイ作り凄すぎる。カボチャコロッケはちゃんといなりにも分けてやろう。
打ち合わせが済んでリハの前にお昼ご飯にする事なった。腹が減っては戦はできないもんね。
「「「Kちゃ~ん。カボチャコロッケつくってきたよ~」」」
目を真ん丸にして驚くKちゃん。
「ありがとうございます。カボチャコロッケ大好きです。火傷しなったですか?」
「「「大丈夫だよ~」」」
いなりが、『あざとい』と非難の目をくれているが、ガン無視した。
「こっちのサンドウィッチはのりちゃんが作ってくれたんだよ。モチロン、ボクらもお手伝いしたよ。」
「のりちゃんさんはお料理が上手なんですね。」
「のり子さんは、ぼ、僕の自慢の妻ですっっ。」
前のめりにのりちゃんが既婚者である事をアピールする大介にボクらは笑った。
「こんなに美味しい物が毎日食べれるなんて大介さんは幸せ者ですね。」
Kちゃん、ボクらは大介よりも長い間のりちゃんに幸せにして貰っているんだよと、心の中でだけ自慢しておいた。
「大介、夜までにこのお土産リストのスイーツ買ってこい。遅くなるならボクらは先に帰るから急いで行って来いよ。」
あちこちに飛び回ったように見せる為大介にお土産リストを持たせた。
お腹も満たされたボクらは、憧れのKちゃんとアクロバティックな演奏を繰り広げた。
はぁ~。Kちゃんの生演奏、想像以上にカッコイイ。家のスピーカーも買い替えよう。モニターも今より大きいのに買い替えよう。本当だったらここでのりちゃんに聴かせてあげたかったけど、今回のミッションはおばぁちゃんを安心させる事だからね。
のりちゃんが赤ちゃんを産んだお披露目パーティーのゲストにKちゃんを呼んでのりちゃんをびっくりさせよう。
Kちゃんは途中ミスっても嫌な顔もせず、何度もリテイクに付き合ってくれた。
陽がとっぷり暮れた頃、大介が戻ってきた。よしよしこれだけばらばらの県のお土産ならのりちゃんはただの運転練習だと思ってくれるぞ。
データをKちゃんにも渡して8月14日以降ならアップロードしてもいいと伝えた。(子供とのコラボをアップするかはわからないけど)
皆でKちゃんにお礼を言って解散することになった。
おばぁちゃんこれを見て安心してくれるといいなぁ。
いなり達はそのまま鳥居を使って帰って行ったが、ボクは大介が運転するヘリコプターに乗り込んで二人で我が家へ向かって夜の街を上空から堪能した。
「のりちゃんただいま~。」
「お帰りなさい。意外と遅かったね。」
「うん。あちこちでのりちゃんにお土産を買いながら練習してきたからね。赤ちゃんが生まれたらのりちゃんも一緒に空の散歩しようね。」
「それは楽しみだね。」
「長時間の運転で大介疲れてると思うけど、お土産の説明は大介に聞いてね。ボクみんなと今から狩りに行ってくるから。」
これで空から見た景色の説明は大介に任せれたぞ。
ボクは大介の部屋の襖を勢いよく開けて入るとぴしゃりと閉めた。
編集作業はのりちゃんが寝静まってからしよう。大介の机の上には1つのUSBが置いてあった。あ、チコちゃんの弟妹に頼んでたやつだ。編集作業は大介も寝てからにしよう。
そしてボクは狩りへ出かけた。




