ツナとインゲンのサンドウィッチ
ご無沙汰しています。少しでも退屈しのぎになってくだっさったら嬉しいです。
「あああああ~。のりちゃん。もう品切れてるよぉ。」
「だからぁ、もう海洋堂オンラインショップで注文した方が早いって。」
「のり子さん、何言ってるんですか、そんな金に糸目をつけずに必ず当たりが確実に手に入るような買い方したらお布施になりません。」
「そうだよ。のりちゃん。おみくじ的要素がハラハラドキドキするから楽しいんだよ。ダブったのをSNSで交換してもらうのも更に楽しいんだからねっっ。」
ほっぺたを膨らまし、唇を尖らせたわらしさまと、眼鏡をクイってしながら力説する大介君2人と私の温度差はかなり開き気味。
「でもさぁ、実際問題店頭にないならお布施もおみくじも出来ないじゃん。せめて店員さんに次の入荷日を聞いてきたら?」
「わかった~。」
トテテ~とレジに向かったわらしさまが、身振り手振りで店員さんに力説していたが、肩を落としてしょんぼりトボトボ戻ってきた。なんだか嫌~な予感がしてきた。こんな事なら、2019年から2020年を舞台に繰り広げられた最強の超能力者(軍事兵器)と健康優良不良少年の漫画を押し入れから引っ張り出してきて読ませなければよかった。ついつい懐かしくなっちゃったんだよねぇ。
「のりちゃん。ボクこの本屋買うっっ。」
ハイ。久しぶりに出ました~。わらしさまめ。なんだかんだとお金で解決しようとしているではないか。
「どうしてそんな結論に達したの?」
「店舗によって振り分けられるから、入荷日も入荷個数も不明なんだって。」
「確かに、ラノベやコミックも売り上げ部数に応じてしか新刊分配されないですからねぇ。予約してても発売日から20日も遅れたりザラだからついつい通販で予約しちゃいますもんね。」
本屋さんもしのぎを削り合っているんだねぇ。大変だ。ここは大人として責任を取りましょうとも。
「わらしさま。私が、海洋堂に注文するからそれをシャッフルした中から選んで私から買えばおみくじ要素もお布施要素もちゃんとあるでしょ?」
「えっ!?のりちゃんいいの?」
「こういう記念物はプライスレスだもんね。」
ぱぁぁぁ。と眉間のしわが消えて期待のこもった熱いまなざしを浮かべる二人。
「帰ったら注文しておくから、お昼ご飯先に作ろう。」
「ボクお手伝いするから、のりちゃん早く注文してね。」
「はいは~い。」
「大介早く帰るぞっっ。」
慌てて車に乗り込み我が家へ帰る3人であった。
手を洗ってお昼ご飯の用意をしようとしたら、ソワソワしだしたわらしさまが、
「ねぇねぇ。のりちゃん。午前中に注文したら明日には届くんじゃないの?」
「ん~どうかなぁ。」
食材を冷蔵庫から出してる私にまとわりつくわらしさまが、
「のりちゃん、ボクが先に出来るところまでやっておくからフィギュア注文してよ。」
「大介君に注文してもらう?」
「ダメだよ。大介だってのりちゃんからフィギュア買いたいはずだもん。な、大介!」
「モチロンそうしてもらえると僕も嬉しいです。」
しょうがないからpart1からpart4までを2ロットずつ注文した。
沸騰したお鍋に塩を一掴み入れインゲンをさっと湯がく。レタスは洗ってちぎりキッチンペーパーで水気を切る。トマトはスライスしておく。インゲンはどれくらいに切るの~?とキッチンからわらしさまが聞いてきたので5ミリくらいで斜めに刻んでもらった。わらしさまがツナとコーン、刻んだインゲンをマヨネーズで和えて黒コショウで味を調えた頃、私もキッチンへ到着。
「注文したよ~。いつ届くかは返信待ちね。」
「のりちゃんありがとう。ねっ、ねっ後は挟むだけ?」
「そうそう挟んで少しねかせたら半分に切って出来上がりだよ。お手伝いありがとうね。」
「今度はボク一人で完成させるからのりちゃん見ててね。」
「楽しみにしてるね。」
8枚スライスの耳付き食パンに和えたツナを載せ、トマト、レタスお好みでバターとからしを塗ったパンで挟んでラップでぐるりと包んでパンと具がなじむのを待つ。
具と馴染んだサンドウィッチと紅茶で今日の簡単ランチ。ん~。コーンとインゲンのシャキシャキした食感が最高。
翌日届いたフィギュアの箱を真剣に吟味した二人は、
「何でミヤコ様が3ダブなんだ~~~。」
と転げまわるわらしさまを尻目に大介君がフルコンプした自分のフィギュアをそっと自分の部屋に隠していた。まだまだ海洋堂さんに注文しないといけないみたい。




