カリフラワーと豚肉の炒め物
拙作をお読みいただき、ブックマーク、評価、感想、誤字脱字報告ありがとうございます。清水カルマの「禁じられた遊び」を鈴木光司が推薦していたので読んでました。リングのイメージが強すぎてホラー作家っぽく見られてるけど、鈴木光司のファンタジーも面白かったから、清水カルマにもファンタジーーも書いて欲しいなと思いました。積読がちっとも減りません。
悠ちゃんとお財布をプレゼントし合うのが今までの習慣だったのに、今年は旦那さんとプレゼントし合うからごめんねと謝られた。新婚さんだもんね。いろいろ記念の品とか増やしたいよね。ラブラブで羨ましいぞ。
そんな訳で、今年の春財布は大介君とプレゼントし合うことになった。
「のりちゃん、何で財布を大介なんかにプレゼントしてもらうの?ボクがいくらでも買ってあげるよ。」
わらしさまお金持ちだもんね。
「う~ん。まぁイチオウ夫婦だからかな?」
「のり子さんどうしてそこ疑問形なんですか?」
「夫婦よりもボクとのりちゃんの絆の方がぜぇ~ったい強いよ!」
「わらしさまとお財布を百貨店で選ぶと、恐ろしい金額になりそうで怖いし。2万円くらいの予算で考えてるし。」
「僕もそれくらいの予算で見繕って欲しいです。」
「じゃぁボクが大介の分も買うから、のりちゃんはボクにお財布プレゼントしてよ。」
さも名案を思い付いたかのようにドヤ顔でおねだりするわらしさま。私が買うって言っても大介君のお金なんだけどね。
そんな経緯で3人でお財布売り場をゾロゾロとウロウロしております。赤い財布が何故かたくさん並んでいるけれど、赤字になるからダメとか気にしないお客さんが多いのかな?店員さん曰く綺麗な赤が発色出来たから赤もお手に取られる方がいらっしゃるんですよだって。我が家にはわらしさまが住んでいるからゲン担ぎする必要ないだろうけど、そこは八百万の神様の国の人間としては縁起のいい事は何でも取り入れておきたいわけでして。うん。いくら綺麗な赤でも赤い財布は私的にはナシだな。小さいバックを持ち歩く女性が増えたから折財布も人気ですよと言われたけど、長財布で選びたい。
「のりちゃんどれでも好きなの選んでいいよ。」
「ありがとうね。デザインと使い勝手が良い物と思うと悩んじゃうんだよね。もうちょっっと待っててね。」
「いくらでも待つよ。大介は自分が欲しい財布見つかったら電話してこい。ボクとのりちゃん二人で仲良く選んでいるから早くメンズ売り場へ行けよ。」
相変わらずの塩対応。大介君は背中に哀愁を漂わせてトボトボメンズ売り場へ向かって行った。
なんだかんだと悩んだけど、長財布で小銭入れはがま口になっているお財布に決めた。
店員さんにプレゼント用にラッピングしてくださいっとお願いしているわらしさま。絵的に子供にたかっているダメな大人の様でとてもいたたまれない時間を過ごしました。
ラッピングして支払いが終わった紙袋を満面の笑顔で渡された時には遠い目になってしまった。
「わらしさまは、どんなお財布がいいの?」
「ボクはねぇ。これが欲しいんだ。」
スマホの画面を操作して見せてくれた写真は。緑色の折財布に金槌を振り回して雷を呼ぶ男の弟がかぶっていた兜のモチーフがバックルになっていた。
「これは、ここには売ってないよ。アメリカンなヒーローのグッズ専門店だね。それに1万円もしないって事は本革じゃないけどいいの?」
「うん。これがカッコイイ。さっさと大介の財布買って移動しよっ。」
相変わらず大介君の扱いがザツイ。もたもたするなとか、さっさとしろとか大介君の膝裏にけりを入れながらせっついていた。
グッズ専門店でお目当ての財布は品切れていなかったから一安心。
家に帰る車中で一粒万倍日を調べていたら、明日が今年で一番運気の良い日らしい。
「ああああ~。」
「どうしたの?」
「どうしました?」
「明日が一番運気の良い日だから、明日お財布おろしたいのに、山田天満宮で銭洗いしてないっっ。」
「そんなのは、いなりに頼んで夜持って来てもらえばいいよ。」
そんなにホイホイ神様の使いをパシらせて良いんだろうか?
「じゃぁ、わらしさまが収穫してきたカリフラワーを夕飯に食べに来てもらおうか?」
「のりちゃんナイス!」
あくまでも夕飯を食べに来るのがメインで銭洗いした五円玉はあくまでもついでという事で宜しくお願いします。
帰宅してキッチンで夕飯の準備を始めたら、わらしさまがエプロンにサングラスと言う出で立ちお手伝いに来た。
「のりちゃん、本当にドス買っちゃダメ?」
「わらしさまにはドスは大きすぎるよ。」
「ちぇっ。」
いくら口をとがらせてもダメなものはダメです。こんなに元極道さんが主夫してる漫画に嵌ると思わなかったんだけど、わらしさまド嵌りしているんだよね。早く違う漫画を布教しなければ。
豚肉に酒、醤油、片栗粉で下味を付けている間に人参、ピーマン、カリフラワーを切る。フライパンにみじん切りしたニンニクで香りづけしたら、豚肉を炒め、火が通ったら人参、ピーマン、カリフラワーを一緒に炒めて酒、醤油、オイスターソース、塩少々で味を調えたら完成。
稲荷様は、3人分の5円玉を銭洗いして夕飯を食べに来てくれましたとさ。




