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座敷童が小豆ご飯に飽きたと言っています。  作者: ヴぃc
第1章 アラサー無職彼氏ナシから頑張るゾ
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焼きもろこし

 ベランダで洗濯物を干していると、昨晩見たよりも、もっと悲惨な状態の庭を一望できた。バラの花も枯れる前に剪定してないから汚い感じだし、雑草もにょきにょき生えてる。暑くなってきたし、ちまちま涼しい時間帯にお手入れをしてやらないといけないな。


「あ~めんどくさいなぁ。」

「のりちゃん何がめんどくさいの?」


 洗濯物を手渡しながらわらしさまが怪訝そうな顔をする。


「生け垣や庭が荒れてきたからお手入れしなくちゃいけないけど、暑いしめんどくさいなって思ったの。」

「僕が、かはくちゃんに頼んであげるっっ。」

「カハクちゃん?」

花魄(かはく)ちゃんは、植物のお世話をするのが趣味なんだ。僕早速LINEしてくる。」


 とてて~と走り去っていくわらしさまの背中を見ながら、いなりさま以外にも友達がいたことに驚いた。だってわらしさまって究極の引きこもりだよ?いつ友達作ってるんだろ?不思議。


「かはくちゃん来てくれるって~。のりちゃんは、はろーわーく行っておいでよ。」


 階段の下から甲高い声が響いた。

 まだ見ぬカハクちゃんに庭を託してハローワークへいざ出撃。

  お礼は何がいいかと思ってたら、わらしさまから野菜料理をリクエストされた。タイムラインにあがってくるわらしさまの飯テロが、カハクちゃんも気になっていたそうな。

野菜料理ってざっくりなくくりだけど、ベジタリアン系かな?求人のモニターを見ながら献立を考えてみたけど、思い浮かばないからスーパーで野菜とご対面してから考えることにした。

 それよりも目下の課題はHITする求人募集。モニターに映し出される求人募集を一心不乱に見つめた。該当する会社を見つけてカウンターに持っていく。


「すいません、この会社に応募したいんですけど。」


 職員さんにプリントアウトした求人票と持参した履歴書を渡す。職員さんは、必要事項をキーボードで入力しながら手続きをしてくれた。


「こちらで申請しておきますので、試験の日程は会社から郵送されます。」

「よろしくお願いします。」


 スマホを見ると、色白の小さな女の子が庭にいる写真が送られてきていた。吹き出しには「僕もかはくちゃんのお手伝いしてるよ。」と書いてある。カハクちゃんは水が無いと干からびちゃうそうなので「コマメに水分補給するんだよ」と返信した。

 時刻は13:30。おやつの時間までには間に合いそうだなと計算しながらスーパーへ向かった。


 本日の野菜コーナーは、皮つきとうもろこしが山積みになっていた。うんおやつは焼きもろこしだな。備え付けのビニール袋に入れて他を物色する。ナスとレタスが特価だ。それじゃぁ後は、豆腐、セロリ、フォーを買ったら今日のお買い物は完璧。


「ただいま~。ちゃんと水分補給してる?」


 庭から聞こえる甲高い笑い声を聞きながら、二人に声をかけた。


「のりちゃんお帰り。この子がかはくちゃんだよ。」


 カハクちゃんは無言でぺこりと頭を下げた。人見知りなのかもしれない。


「カハクちゃん初めまして。渡辺 のり子です。今日はお庭のお手入れありがとう。本当に助かったわ。」


 茹でだこのように真っ赤になって首を横にぶんぶんふるカハクちゃん。どうやら恥ずかしがり屋のようです。


「焼きもろこしできたら呼ぶからね。」


 そのままキッチンへレッツゴー。

 手を洗って、トウモロコシを皮ごと電子レンジにかける。蒸しあがったらぺろりと皮をむいて醤油を塗ってグリルに突っ込む。そのままの甘いのもおいしいけど、お醤油が焦げる香ばしい香りがたまらないよね。


「できたよ~。手を洗って休憩しましょう。」

「は~い。」


 

筆者はハローワークで就活をしたことがないのでゆるっとふわっと風味でお願いします。

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