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座敷童が小豆ご飯に飽きたと言っています。  作者: ヴぃc
番外編その2
79/93

なんちゃってカルボナーラ

拙作をお読みいただき、ブックマーク、評価ありがとうございます。

12国記シリーズが発売される前に1話くらいあげておきたいなぁと思っていたのですが、ずいぶん時間が空いてしまいました。カハクちゃんのハンドメイドの方なんて6月で更新止まっていますがすいません。

宿題が終わった気分で清々しく「白銀の墟 玄の月」の発売を正座待機します。

「大介~カルボナーラ作ってくれぇ。」


 わらしさまの無茶振りが今日も健在だ。のり子さんは親友の『悠さん』の結婚式が近づいてきたので、カハクちゃんと洋服を買いに行ってしまい、留守番組の僕とわらしさまは、モンスターを狩るのに必死だ。携帯ゲーム機でプレイしていた事もあったが、公式サイトの予告動画の映像の美しさに前のめりになったわらしさまが、リビングにもう一台テレビを設置した。

 ソファーに並んで座ってプレイするのが最近の僕とわらしさまの定番。僕の本業はわらしさまの遊び相手だから執筆活動は二の次さ。コントローラーをローテーブルに置いて立ち上がると僕は黙ってキッチンへ向かった。

 わらしさまは、のり子さんがいる時は絶対に僕をキッチンに入れないくせに、のり子さんが居ない時料理を作れとせがんでくる。

 大きな鍋に湯を沸かしている間に冷蔵庫をチェックすると、生クリームが無い。まぁ何となくカルボナーラっぽかったら許されるだろう。

 玉ねぎとベーコンを刻んでフライパンで炒める。玉ねぎが透き通ってきたらコンソメと牛乳を入れる。火が通ったら少し小麦粉を振ってとろみをつける。僕だけで食べるなら小麦粉は入れないけど、わらしさまが食べるから一応小麦粉もだまが無くなるまでしっかり混ぜた。黒コショウを振りかけたら茹で上がったパスタをフライパンに加えてソースを絡める。

 一旦火を止めて湯のみに卵を割り入れフォークで黄身を1回刺して表面にうっすらと水をかけて電子レンジで30秒温める。その間にお皿にソースを絡めたパスタをよそう。

 なるべく中央がへこむように盛り付けるのが僕のこだわり。ピーピーピーっと電子レンジのお知らせ音が鳴った。パルメザンチーズをたっぷり振りかけた後に湯のみに出来上がった温泉卵をトッピングしたらなんちゃってカルボナーラの完成。

 リビングからは、ヒートアップしたわらしさまの叫び声が響いてくる。稲荷様かチコちゃんが参戦してきたんだろう。


「後ろに回り込め!!!あーーーもう一回。」


 スマホの通話をスピーカーにしたままコントローラーを操作しているわらしさまの背中に、


「わらしさま。カルボナーラ出来たけどこっちで食べます?ダイニングで食べます?」

「もうちょっとで倒せるから倒したらダイニングで食べる。」


 画面にくぎ付けのままでわらしさまは返事をした。僕はカルボナーラをよそったお皿をダイニングテーブルに運ぶと、自分の席に着席して大画面に映された迫力のあるモンスターが大剣を振り回す大男と、銃弾を撃ち込むガンナーによってじりじりと弱らされていくのを頬杖をついて眺めていた。


「よしっ。捕獲完了!」


 甲高い声で喜びの雄たけびを上げたわらしさまは、さっさとコントローラーをローテーブルに置いて


「昼ごはん食べてくるから落ちるわ。」


 とスマホに言い捨てるとダイニングの自分の席についた。


「いただきます。」


 手を合わせて食事の挨拶をするとフォークにぐるぐるスパゲティーを巻き付けて頬張るわらしさまは


「狩りの後のご飯は格別だなぁ。」


 なんて味に対しての感想とは違う感想を言っている。生クリームが切れていた事は黙っておこう。ものすごいスピードでカルボナーラをすするわらしさまに、


「お代わりまだフライパンにありますからね。」

「温玉もある?」

「30秒待ってくれればすぐ作れますよ。」

「じゃぁ温玉3個!!」


 もうそれカルボナーラじゃなくて卵ぶっかけパスタな気がする。と心の中でつぶやきそっと冷蔵庫に卵を取りに行った。

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