ケバブアゲイン
ここ最近料理をしていないのでメニュー使い回しで申し訳ないです。
7SEEDSの布教活動を友人親子にしたところ3人とも推しが一致して盛り上がっていました。今日からはその友人に布教活動された陰の実力者になりたくて!を読みます。
カハクちゃんとケバブを食べた話を帰ってきたわらしさまと大介君にしたら、わらしさまがケバブを食べたことが無いから食べたいと駄々をこね始めた。
「う~ん。あそこは道が狭いし駐車場も無いからなぁ。テイクアウトしてこようか?」
「やだやだ。ボクも串にささったお肉がぐるぐる回るところが見たいっっ。」
ヤバイこのパターンはまた土地買い占めちゃう系じゃない?何か良い案が無いか考えるのよのり子!!あなたやればできる子のはず!!己を、脳内会議がせわしなく繰り広げてる中、のんびりした大介君の一言。
「車にキックボード積んで行けばいいんじゃないですか?」
「大介ナイスアイデア。」
確かに自転車に乗ったままではケバブ屋に入れないけど、キックボードなら折りたたんでしまえば店内に持ち込めるかぁ。
「でもキックボード持ったままじゃぁ食べにくくない?」
「のり子さん、わらしさまのキックボードはストラップが付いてるんで、そのストラップとベルトをカラビナで固定してやればOKですよ。」
そんな裏技いつの間に発見していたのか。発見していたなら今までむやみやたらに買い占めてきた土地は一体何だったのだろうか?私は遠い目になってしまった。っていうかそれがOKならわらしさまにリード付けておけばいいんじゃないの?
そんなすったもんだがあり週末に現地集合する事に決まった。わらしさまは、常々のりちゃん働かなくていいんだよ。ボクが養ってあげるよ。と言ってくれているけど、悠ちゃんに紹介してもらった事務所を無責任に辞めるわけにはいかない。
もう暫くは私も社会人していたいしね。一日中家に居たらそれこそゲームやアニメの有難味が薄れそうだもんね。
つらつら考え事をしている後ろでわらしさまと大介君は、世界的に有名なロックバンドの結成からボーカルが亡くなるまでを映画化したロングラン映画のサウンドトラックを大音量で再生してエアギター対決をしていた。一時期カラオケに嵌っていた『チームわらし』が無駄に豪華なスピーカーを取り寄せていたから重低音が腰に来るぜ。汗をかくほどノリノリでエアギター対決は白熱している。
ムカつくほどお気楽な2人だ。コンニャロ。心の中で少し悪態をついたらモヤっとさんは退散してくれた。ストレスは貯め込んじゃダメダメネ。
ケバブ屋に行く当日のお昼に19時頃には現地集合できるよとLINEを入れておいた。街中はビルが多くてGPSがずれる事もあるので現地集合で大丈夫だったかな?と今頃気が付いたけど余裕でケバブ屋の店内で2人は待っていた。
物珍し気にキョロキョロ店内を見まわすわらしさまかわええ。
「おまたせ~。」
「のりちゃんっっ。お肉デカイね。」
「のり子さんお仕事疲れ様でした。」
「それじゃぁオーダーしようか。」
ヨイショっと座る。こういう掛け声が出るようになってくると自分も若くなくなったなぁとチラリと思う。
「ケバブのバターライスをスープ付きで。3つ。」
「ソースは?辛い?辛くない?」
「「「辛い!!!」」」
「スープは?」
「「「豆!!!」」」
昨日店主に聞かれたらこう言うようにちゃんと教えてあげたもんね。
コロンとしたスープボールを乗せたお皿にはくし切りのレモン。最初はレモンを絞らずスープをすすって途中からレモンを絞るのが私は好き。ケバブが来る前にこのスープが美味しいからと飲み過ぎるとスープだけでお腹がふくれてしまうから、ケバブの分の胃袋スペースを確保しておかなければならない。
縦に刺さった肉の塊がぐるぐると回り電気ストーブみたいに赤々としてる面で焦げ目をつけていると、店主が細長い二股のフォークの様な物と細長い包丁をシャキンシャキンとすり合わせ始めたらもうすぐできる合図。
肉の塊の表面を削ぎ切っていく手さばきは見てて楽しいよね。
バターライスの上に削ぎ切られたお肉がふんだんに乗せられており、付け合わせの千切りレタス、トマト、オニオンスライスにまでオレンジ色のソースがジグザグにかけられている。端には赤いソースがちょこんと添えてあった。
眼の色を変えて喜んで食べるわらしさまはお替りって言うかもしれないなぁ。
5人前も食べている間わらしさまが、テイクアウトしていくお客さんを見て
「のりちゃん、ボクもケバブ屋さんやりたいっっ。」
「デリカーくらいにした方がいいんじゃないかな。」
それを聞いた大介君がささっと画像検索をして画面をわらし様に見せる。
「こういう移動販売用のケバブ屋ですよ。」
こうして無駄な土地が増える事を阻止したはずが、デリカーが納車されることになった。
『チームわらし』はこのデリカーをいたく気に入り庭先でケバブ屋さんごっこを楽しんでいた。




