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座敷童が小豆ご飯に飽きたと言っています。  作者: ヴぃc
大介のプロポーズ大作戦
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『チームわらし』の暗躍後編

これにてアニバーサリーのお礼投稿は終了です。

 最近眠りが浅いのか身体が怠い。怠いところに母さんが太った俺に痩せろ痩せろと口うるさく言ってきて、クタクタになって帰ってきた俺用の夕飯が精進料理じゃね!?と言いたくなる様な質素な物しか出てこない。肉でも食べなきゃ力も出ないと文句を言えば、肉が食べたければ痩せろとまた口を酸っぱくして言い募る。

 大阪にいる頃は母さんの料理が恋しくて母さんに会いたくてしょうがなかったのに、あちらで羽を伸ばし過ぎたのか最近母さんのやる事なす事鬱陶しく感じる。

 そんな小さな鬱憤が蓄積した結果、注意力散漫になっているのか財布を落とした。ケツポケットに入れてたはずなのに気が付いたら無くなっていた。財布は落とすは上司に叱られるは地元に戻ってきてから散々だ。真剣にお祓いにでも行こうかと考えている。

 ある日映画のペアチケットが送られてきた。何かに応募した覚えはないけどこの映画は、職場で狙っている中山さんが見たいって言ってたやつだ。運が向いてきたかもしれない。俺はいそいそと映画へ誘いに中山さんのデスクへ向かった。

 中山さんにドタキャンされた。チケットを無駄にするのももったいないので独りで映画を見た。独りで外食する気にもなれず寄り道もせずまっすぐ家に帰る事にした俺は、偶然のり子と出会った。中山さんにドタキャンされてムシャクシャしていた俺はのり子に八つ当たりする様に嫌味を言ってその場を去った。


 チコちゃんから勝の暴言を聞いたボクは、はらわたが煮えくり返って今すぐ勝にサイバーテロでも仕掛けてやろうとPCに向かうとかはくちゃんがうすら寒い笑みを浮かべてボクを止めた。


「のり子ちゃんをdisった分だけ勝はみじめになるんだからもう少し放っておきなさいよ。それよりもいなりは『玉ねぎおばさんの部屋』オファー取れたの?」

「バッチリだ。」

「かはくちゃん、なんで『玉ねぎおばさんの部屋』に大介を出させたいの?」

「それはね、勝の母親が『玉ねぎおばさんの部屋』が大好きでリアルタイムで見てるのに録画までして見返しているからだよ。」


 チコちゃんが僕の質問に答えてくれた。芸能界って業界はゲン担ぎが好きらしく、しょっちゅういなりの元へお参りに来るからちょっと夢枕に立てばお告げとばかりに思うように動いてくれるらしい。


「出版記念パーティーのインタビューも夜のニュースで流すようにしてあるぞ。」


 オレって出来る男だぜとでも思っているのか、いなりが得意気に言った。

『玉ねぎおばさんの部屋』放映当日、チコちゃんは勝の家に潜入して一部始終を撮影してきてくれた。本当はリアルタイムで見たかったけど、のりちゃんに見られたら叱られるからのりちゃんが寝るのを今か今かとソワソワしながら待った。

 玉ねぎおばさんが本当に良い仕事をしてくれたと思う。大介が引きこもりだった事、女性実業家のりちゃんに助けられてのりちゃんの会社で働くようになった事、出版パーティーでのプロポーズ等、いかにのりちゃんが料理が上手で、朗らかで優しくてしっかりした素敵な女性かという事を顔を真っ赤にしながら惚気まくるように玉ねぎおばさんは的確な質問をしてくれた。

 よっぽど大介の結婚のエピソードが気に入ったらしい母親は、勝が帰って来てからもそれを再生して親子で夕飯を食べながら見ていた。勝は、最初は興味なかったようだったが、駅で愛しの女性に暴言を吐かれた件に差し掛かると食い入るように画面を見て段々と顔色が悪くなっていった。勝の様子にも気づかず、母親は爆弾を投下した。


「あなたも、こういう素敵な女性を見つけて早く結婚しなさいよ。」

「母さん!京極院の結婚相手は俺が大阪に異動する時に結婚したいからって連れて来たのり子だよ!」


 叫ぶ勝と呆けた母親の顔が傑作だった。


「逃がした魚は大きかったってねっ。」


 そう言ってフフフンと笑うかはくちゃんはかっこよかった。『チームわらし』の参謀としてかはくちゃんにはこれからも活躍してもらうぞ。

 のりちゃんに家族をプレゼントする作戦は、ボクが想像していたよりもみんなのお陰で壮大なスケールで大成功をおさめられた。


「明日はのりちゃんに、BBQパーティーして貰おうね。いなり寿司もたくさん作ってもらおうね。」

「「「賛成。」」」


 ざまぁも見れてすっきりしたボク達はスマホを取り出すと溜まりに溜まったクローバーをサクサク消費してすみっこに生息する生き物をステージごとの条件で消しまくった。



ここで一旦完結とさせていただきます。何かの機会でまたスピンオフとかエピソードを書いてみたいと思ってます。

おつきあいいただきありがとうございました。

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