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座敷童が小豆ご飯に飽きたと言っています。  作者: ヴぃc
大介のプロポーズ大作戦
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トマト風味のシーフードパスタ前編

飯テロ入れたら大介のエピソード最後まで入りませんでした。

 僕が下宿しているのり子さんの家には座敷童の『わらしさま』が住んでいる。

 わらしさまは、かなりのヲタクで一緒に自宅警備員をしていても退屈することが無く毎日が楽しい。たまに昼間のり子さんが仕事に行っている間にわらしさまの友達の稲荷様、カハクチャン、チコちゃんが遊びに来る事がある。そうい時は何故か「レベル上げをしておけ」とヘッドフォンを渡されて1人でレベリングさせられる。人間に聞かれたらいけない人外の集いかなんかなのかもしれない。祟られたら困ると思った僕は、わらしさまの言いつけを守ってひたすらレベリングに明け暮れた。

 急にヘッドホンが外されて、画面に集中していた僕は、ファンタジーな冒険の世界から現代日本に戻ってきた。


「大介、今すぐ食べられるもの何か作れ。」


 わらしさまは、のり子さんがいると僕を台所に入れたがらないのに、たまにこういう横暴な事を言う。


「ちょっと待っててくださいね。」


 台所のストックヤードを漁るとシーフードヌードルが3個あった。フードファイターな人外4人には雀の涙な量だけど時間稼ぎにはなるだろう。ミルクパンでトマトジュースを沸かした。

 沸騰したトマトジュースをシーフードヌードルに注ぎ蓋をする。その間にレタスを洗って水切りをした。3分経ったのを確認してカップの中のシーフードヌードルをよく混ぜて大皿に3個まとめて盛り、粉チーズを振ってダイニングテーブルに持って行った。


「チャーハン作るんで先にこれ食べて待っててください。」

「こんな短時間でパスタが作れるの?」


 あまりしゃべらないカハクちゃんが驚いて僕に聞いてきた。


「いえこれ、シーフードヌードルに沸騰させたトマトジュースを入れただけのなんちゃってシーフードパスタです。」

「「「「……」」」」


 まずいんじゃないかと、食べるのを躊躇している人外4人に


「僕も最初このアレンジがネットで流行った時に半信半疑だったんですがトマトソースのパスタ皆さん好きだったから全然いけると思います。」

「わらし食べてみろ。」


 稲荷様が毒見をわらしさまに強要した。


「いなりのいくじなしめ。美味しかったらいなりの分少な目にしてやるからなっっ。」


 小皿にシーフードヌードルをよそったわらしさまが鼻をつまんでフォークに絡めた麺を口に入れた。

 眼をカッと見開けて口をモグモグさせて両手をプルプル震わせたわらしさまがごくんと飲み込んだとたんに


「まじうめぇ。」


 その言葉を聞いた3人は我先にと争うように大皿に盛ったトマト味のシーフードヌードルを自分のお皿によそった。

 その様子を見届けて僕はレタスチャーハンを作る為に台所へ戻った。

 レタスチャーハンをモリモリ食べた後、人外の集いは速やかに解散された。

 ある日ロードバイクで競争しようと言うわらしさまと一緒にペダルをこいでて僕はふと思った。



「わらしさま、このロードバイクも渡辺家の所有物ですよね?」

「そうだぞ。」

「という事はこれに乗っていたらわらしさま敷地外にも出れるんじゃないですか?」

「よし。実験するぞ。大介ついてこい。」


 実験の結果、ロードバイクに乗ってわらしさまは敷地外から帰宅することができた。


「大介、それで車校に通って車の免許を取ってこい。」


 と言ってポケットから1枚のカードを出してわらしさまが命令してきた。


「……僕登校拒否になるかもしれませんよ?」

「どれだけ時間かかってもいいから、リハビリだと思って通え。」


 受け取ったカードはクレジットカードで、僕の名前が記入されていた。無収入の僕は審査が通らないはずなのにと訝しんでいたら、ビジネスカードだった。わらしさまはユーチューバー以外にもいろいろ手を広げて活躍しているらしい。座敷童なのに現代に順応しすぎなんじゃないだろうか。

 このクレカは僕のお給料代わりだそうで、


「いいか。のりちゃんを養うのはボクなんだからな。そのクレカは好きに使っていいけど、のりちゃんがいる時は絶対にのりちゃんにお金を出させるなよ。そのカードで支払え。のりちゃんは、遠慮するからすかさずわらしさまに貰ったカードだから大丈夫って必ず(・・)言うんだぞ。」


 ……そこまでして僕をヒモにしておきたいんだ。

 こうして僕は、わらしさまに貰ったクレジットカードを握り締めて恐る恐る自動車学校の入校手続きをしに行くことになった。


前回のクレジットカードの件で現金で支払えばいいんじゃない?とかPayやICカードなんかもどうですか?とかDMにアドバイスを下さる読者様がいらっしゃってありがとうございます。

そうですよね私も好きな作品を読んでて三点リーダーが「…」だったり「・・・」だったりするとすご~く気になって作品を読むのに集中できないのとおなじですよね。諸事情ありまして現金、Pay、ICカードは使えないので何かないかなと会社経営をしている友人に相談したところ、法人カードにすればいいんじゃない?と教えてもらい調べてみたら大介でも作れることが判明したのでちょろっと補足してみました。


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