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座敷童が小豆ご飯に飽きたと言っています。  作者: ヴぃc
番外編その1
66/93

ひじきと豆のサラダ

拙作をお読みいただき、ブックマーク、評価、感想ありがとうございます。これにて1周年祭りは終了です。誤字脱字報告もありがとうございました。ワンクリックで直せるステキな機能でした。

 あれから味を占めたわらしさまは、足しげく映画館通いをしている。

 今日はお昼ご飯食べたらアメリカンコミックのヒーローたちが勢ぞろいして戦う例のアレを見に行く予定。


「前回の指パッチンで人口が半分になって、ヒーローたちも壊滅状態で1年も待たされたのに、今回はネタバレ箝口令が敷かれているからどれだけネットでレビュー探しても出てこないんですよ。因みに、指パッチンで消えたのは、冬の戦士、黒い豹、小枝、魔女、ハヤブサ、触覚女、入れ墨男、ダンスバトル野郎、ドクター、蜘蛛男、盾組織の長官と右腕です。まぁさくっと宇宙から宇宙女が地球に来るのと、虫男が出てくるのは予告でわかってるんですけどね。」


 唾を飛ばす勢いで早口でまくし立てる大介君は、自宅警備員だっただけに自分の趣味は深く深く掘り下げて情報収集に余念がなかったようだ。


「これでシリーズ最後と謳っているからには、その壊滅的な状態からどう話を持って行くんだろうねぇ?わらしさま、水で戻したひじきをぎゅっと絞って水切りしてくれる?」

「イエッサー。」


 このシリーズについて腰を据えて大介君の話を聞きだすと、何日もマシンガントークされてしまうだろうからお昼ご飯を作る片手間に話半分で聞き流している。

 小さな手でわらしさまがぎゅっとひじきを握って水切りしてはせっせとボールに入れていく。私はその隣でベーグルを上下に切ってレタス、キュウリ、クリームチーズ、生ハムを挟んでベーグルサンドを量産している。


「のりちゃん、ひじきしぼれたよ~。」

「それじゃぁミックスビーンズを入れて青じそドレッシングで和えてくれる?」

「アイアイサー。」


 ててて~と走って冷蔵庫の脇ポケットから青じそドレッシングを取りだして、ミックスビーンズが置いてある棚には手が届かなかったらしく一瞬大人サイズに変身してミックスビーンズの袋を掴んでまた子供サイズにシュルシュルっと小さくなっていた。

 以前は高い位置に置いてあるものは椅子に登って取っていたのに、わらしさまも大きくなったもんだ。もちろん普段は狭苦しいから子供サイズをキープして貰っているけどね。だって大人サイズのわらしさまが花の顔でのりちゃ~んて抱き着いてくるなんて鼻血出過ぎて出血多量で死んでしまう。所詮イケメンなんて観賞用で十分だ。大人のイケメンとは節度ある距離を保ちたいもんね。その点子供サイズのわらしさまなら抱っこし放題、頭撫で放題。誤解のないようにあえて言わせてもらうけど決して私はショタコンではない。重要な事なのでもう一回言っておく。決して私はショタコンではない。

 まだまだ映画の話をアツク語り足りない大介君に、


「大介君、どうせなら映画見てからの感想会にしようよ。もう向こうで座ってて。」


 すごすごと彼は台所を後にした。

 わらしさまは台所はボクの縄張りだから。と大介君をさんざん威嚇し続けた為、今では手持ち無沙汰でも台所でのお手伝いは一切しない。わらしさまはひじきと豆のサラダを涼しげなガラスの器に綺麗に盛り付けてテーブルに運んだ。


「のりちゃん。ベーグルサンドも持ってくね。後はお手伝い無い?」

「ありがとね。ピーチティーが水出しで作ってあるからコップに注いでくれる。」

「は~い。」


 急に暑くなってきたから冷たいもののオンパレードになってしまったが許してもらおう。食後のデザートに1個ずつマンゴスチンを添えた。最近のマイブームなのだ。プルンとした食感に甘酸っぱさが絶妙でついつい食べ過ぎてしまうから1日に1個だけと己に制限をかけておる。


「さぁ召し上がれ。」

「「いただきます。」」


 青じそドレッシングって好き嫌いが大きく分かれると思うけど、さっぱりしていて初夏にはもってこいだと思う。


「わらしさまの作ったひじきと豆のサラダ美味しい。」

「ほんと?のりちゃんお代りしてもいいからね。」


 そんなに食べられませんがな。わらしさまのキラキラしい瞳の輝きの為にも1口2口はお代りせねばなるまい。


「大介もボクが作ったサラダお代りしていいからな。その代わりのりちゃんが作ったベーグルサンドはボクが2つ余分に食べるんだからな。」

「はい。わかりました。」


 もはや下僕と言うより舎弟だな。

 マンゴスチンも食べ終わりお腹が落ち着いてきたので、映画館へ向けて出発。

 3時間もある作品だからちょっとお手洗いが心配になる。頑張れ私。そうだポップコーン今日は塩だけにしておけば塩分が水分を吸収してくれるはずだ。などとしょうもない作戦をたてている横でわらしさまは安定のペアセットでジュースもコーラとジンジャエールをセレクトしていた。

 エンドロールが終わって灯がつくと、


「のりちゃん、もう1回見よっ。」

「この作品はあと2回は見ないと納得できません!!」


 えっ?そりゃぁ私も1回じゃぁ物足りないと感じたけど今からまた3時間見るの?男子2人は珍しく結束が固かった。



またいつか番外編もしくはスピンオフが書けたら掲載したいと思います。お付き合いいただきありがとうございました。

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