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座敷童が小豆ご飯に飽きたと言っています。  作者: ヴぃc
第2章 仕事も私生活も楽しむゾ
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バーニャカウダ

毎度拙作をお読みいただきありがとうございます。感想ページからゲットした本棚にうひょぅ~いれぐいだぜっっと、活字の海に潜り込んでいましたら、なぜかランキング入りしておりましてビビりまくっております。

 帰宅ったら、稲荷様が遊びに来ていた。


「のり子オレもピザ食べたい。」


 お帰りなさいの前に、食べ物を要求されるとは、わらしさま相当自慢したな。


「稲荷様いらっしゃい。ピザ生地が無いからなんちゃってピザでもいい?」

「許す。」

「のりちゃん、僕バジルちぎってくる!!。」

「オレも手伝ってやる。」

「それじゃぁ2枚ずつ摘んできてくれるかな?」


 野菜室と冷蔵庫の在庫をチェックする。ゲッ思ってたよりもそんなににたくさん餃子の皮が残って無かった。これだけじゃ、フードファイトするであろう2人の腹は満たされない。


 お鍋で牛乳を沸かして、ニンニクの皮を剥く。この薄皮が綺麗に剥けた日は気分がいい。剥いたニンニクを丸ごとお鍋にドボンすると、残りをスライスする。

 フライパンにオリーブオイル、スライスしたニンニク、鷹の爪、サクラエビ、しめじ、玉ねぎを入れて煮る。

 お鍋のニンニクが柔らかくなる前に、他の野菜も切っていく。


「のりちゃんバジル取ってきたよ。」

「のり子オレのバジルの方が絶対うまいぞ。」

「2人ともありがとうね。テーブルのホットプレート温めてきてくれる?」


 僕がやる。オレがやると押しあいへしあいテーブルに向かう二人。あれ?わらしさま身長が稲荷様より高くなってる。妖怪って成長するんだったっけ?


 ニンニクが柔らかくなったらつぶして、アンチョビペーストとオリーブオイルを加えて今日の晩ご飯完成。


 ホットプレートの上には餃子の皮にあれもこれもトッピングしようとする2人。そんなに乗せたらこぼれるだけなんだけどな。


「これだけ餃子の皮があるから1枚ずつ違う具を乗せたらいいと思うよ。」

「のり子いい考えだな。」

「この間みたいに陣地争いしないでね。」

「「は~い。」」

「焼けるまでの間にこのドロッとしたソースを野菜につけたり、こっちのオイルと具をバゲットに乗っけたりして食べて待っててね。」


 よし、これで焼けるまでの間が持つだろう。この分だとチーズフォンデュパーティーも近日開催しなくちゃいけないかな?そろそろホットプレート片付けようと思ってたのに。念願のピザをホクホクしながら食べてた稲荷様が、顔をしかめて


「昨日の晩、のり子んちの方角から物凄い妖気が発生してたから、心配して見に来たのに、わらしがピザの自慢ばっかりするから、ピザが食べたくなった。」


 ……わらしさまそんなに自慢したんだ。


「そんなおどろおどろしい物が漂ってたの?わらしさま何かあったっけ?」

「昨日、のりちゃんちに勝手に上がってきた男の人がいたからぶわってやって追い出したよ。」


 そう言いながら両手を下から上にぶわっとあげる動作をした。


「あ~あれかぁ。」

「わらしそんなに妖気出せるようになったのか?なんだか背も伸びてるし。」

「やっぱり私の思い違いじゃなくてわらしさまの身長高くなってるよね?」

「くそ。オレよりちびだったくせに生意気な。」


 焼きあがったなんちゃってピザが口いっぱいでもごもごしているわらしさま。喉詰まらせないようにね。


「僕、毎日小豆ご飯しか食べれなかった頃はやる気も出なかったけど、のりちゃんの美味しいご飯毎日食べてたら、すっごくすご~~~~くやる気が出たんだ。お手伝いもいっぱいしてるし、ね、のりちゃん。」

「のり子のご飯で背が伸びて妖力も上がったのか。」


 ご飯食べたら身長が伸びるのはわからんでもないけど、妖力ってもっと違うもので上がるんじゃないだろうか。

 セロリにバーニャカウダーをすくってポリポリする。


「稲荷様、ご飯で妖力上がるの?」

「そんな話聞いたことがないけど、実際わらしの妖力は上がってる。」

「僕いっぱいいっぱいご飯食べて大きくなってのりちゃんの事守るんだっっ。」


 小さなナイトはスティックキュウリをぶんぶんと振り回しながら決意表明した。


「わらしさまありがとうね。」


 現代日本はそんなに物騒じゃないと思うよ。


 わらしだけじゃ力が及ばないといけないからと小さな鳥居を建てた後、稲荷様は帰って行った。いわゆる空間を繋いだんだろう。

 緊急時って、ゲームのイベントとか、美味しいもの食べ損ねない為とかって意味だったけ?

 何はともあれ、わらしさまが家で一人ぼっちよりは、気軽に遊びにきてくれて賑やかな方がいいよね。

 我が家の賑やか度が加速したようです。




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