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座敷童が小豆ご飯に飽きたと言っています。  作者: ヴぃc
第2章 仕事も私生活も楽しむゾ
25/93

マルゲリータ

拙作を読んでくださった方、ブックマークしてくださった方、評価してくださった方ありがとうございます。

なんと、私の作品の下にも「この小説をブックマークしている人はこんな小説も読んでいます!」が表示されていました。読者の方がブックマークしていた作品と同じ作品を私がブックマークしているのを見つけては喜び、読んでない作品は即ブックマークして積読にしました。早速読ませてもらいます。2018 6/24 18:19

 一方的な勝の態度に腹を立て電話に出たことを後悔した。今後一切連絡してこないでと通話を切った。あんまりにも腹立たしかったのでハーゲンダッツのバニラで作った即席アフォガードを衝動食いした。熱いと冷たいが、合体してると目を白黒させながら食べたわらしさまも喜んでいたし、皮下脂肪の肥やしとなった事を後悔はしていない。


「今度はポテトサラダが肉巻きになっているんだね。ポテトサラダは、マヨネーズ味と思っていたから新鮮だ。」

「このポテサラ、友人宅で出たんですけど私もマヨネーズ以外のポテサラに感動して、レシピを教えてもらってからはピクルスも自作するようになったんです。社長のミニハンバーグもしょうがが効いてて食欲が進みますね。」

「ピクルスも渡辺さんが漬けたの?」

「意外と簡単だし、野菜室の大掃除になっていいですよ。」


 お料理男子にグレードアップした社長と恒例のお弁当のおかずを交換した感想会。温和な社長と話しているとガールズトークしているような錯覚に陥る。


「おつかれさまっす。」


 林さんが打ち合わせから帰ってきた。


「林さんお帰りなさい。」

「林君お疲れ様。」

「2人ともまた飯テロですね。うまそう。俺も料理が上手な彼女欲しいっす。」

「彼女さんにお料理教室すすめたらいいじゃないですか。」

「しばらく結婚する気がないってハッキリ言ったら即別れを切り出されたよ。」

「はやっ。」

「林君も料理嵌ると思うんだけどなぁ。結婚かぁ。僕も両親がうるさくて困っているよ。渡辺さんも結婚願望あるの?」

「結婚の挨拶に行ったら、相手のご両親に反対されて破談になったばかりで、しばらくはそういう事は考えられませんね。」

「悪いこと聞いちゃったね。」

「渡辺さんならすぐ他の胃袋捕まえられるよ。」


 わらしさまという胃袋をとっくに捕まえているから淋しくないけどな。


 ◆◇◆


「わらしさまただいま~。」

「のりちゃんお帰り。バジルたくさん採れたよ。」

「暑かったでしょう?ありがとうね。」

「のりちゃん。今日は僕の摘んだバジルでご飯作ってくれるんだよね。」

「ここはマルゲリータ一択でしょう。」

「わ~い。わ~い。」


 手抜きと言われてもしょうがないけど、ピザ生地は出来合いの物を使わせてもらう。


「わらしさまオーブン余熱してね。」

「イエッサー。」


 トマトピューレを塗ったピザ生地にチーズとたっぷりのバジル。フレッシュバジルのいい香りが台所に立ち込めている。


「のりちゃん僕ピザいくらでも食べられそう。」

「焼きあがったら、次はツナやコーンのピザにする?」

「お好み焼きみたいにいろんなトッピングできるんだね。」

「そうだよ。わらしさまは何のっけたい?」

「ん~とん~と。ハム?」

「お、流石肉食男子。ハムよりカリカリになったベーコンはいかが?」

「のりちゃん天才。カリカリベーコンにコーンがいい!!。」

「なんだかんだ言って俺の夕飯用意してくれてるんじゃん。」

「え?」


 いつの間に上がり込んだのか、ネクタイを緩めながら食卓に座ろうとする勝がいた。


「なんであんたがいるの?」

「昨日晩飯一緒に食おうって言ったじゃん。」


 いつの間に合い鍵を作ったのかキーケースには我が家の鍵が。


「私は断ったよね。鍵を返して。」

「そんなにすねなくてもいいだろう?」

「すねてない。」

「こんなに張り切って夕飯準備してくれてるのに照れなくっていいから。」

「これはあんたの夕飯じゃないよ。出て行って。」

「そうだよ。このピザは僕とのりちゃんの晩ごはんだっっ。」

「誰のガキ預かってるんだ?」


 勝がこんなに人の話を聞かない奴だとは思ってなかったが、先ほどまでのわらしさまとの穏やかな空気を汚された気がして脳みそが沸騰する。人間あまりに怒りが深いと言葉も出て来なくなるみたい。


「あなたと私は他人なの。不法侵入で警察呼んでもいいのよ。出て行って。」

「そんなに怒るなよ。俺腹減ってるし晩飯ご馳走してよ。」

「お前なんてのりちゃんのご飯食べる資格ないっっ。出ていけ~~。」


 何が起こったのかわからないけど、一陣の突風が吹いたと思ったら視界から勝が消えた。


「のりちゃんは僕が守るんだっっ。」


 鼻息荒く仁王立ちするわらしさま。

 小さな私のナイトはとっても心強い。


「守ってくれてありがとうね。冷めないうちにピザ食べよう。」

「僕の摘んだバジル。」

「そうだよ。わらしさまが今日摘んでくれたバジルたっぷりのマルゲリータ召し上がれ。」


 2人は何事もなかったかのように熱々のピザにかぶりつきましたとさ。




座敷童にこのような能力はありません。相変わらずのゆるっとふわっと設定でお送りしております。

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