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座敷童が小豆ご飯に飽きたと言っています。  作者: ヴぃc
第2章 仕事も私生活も楽しむゾ
21/93

お好み焼き

「オレ餅。」

「私はチーズ。」

「僕はコーン。」


 久しぶりにホットプレートを出したからには、使い倒さねばならぬと、お昼ご飯をお好み焼きにしたらご覧の通りの騒ぎになりました。



「1種類だけじゃなくていいんだよ。ウィンナーもちくわもあるよ。」


 トッピングが1種類じゃないと分かった3人は、キャベツ、小麦粉、卵、出汁、豚肉、イカ、タコを混ぜたタネの入ったお椀に、あれもこれもとトッピングを入れてスプーンで混ぜている。


「よーく混ざったらホットプレートにまぁるくなるようにのせてね。」

「わらし、オレの陣地に入ってくるなよ。」

「ここ僕の場所だよ。」


 わらしさまと稲荷様がホットプレートの陣地争いをしているのも耳に入らないのか、カハクちゃんは真剣にこんもりとした丸になるようお好み焼きのタネをホットプレートにのせていた。

 焼けるのを今か今かと6つの瞳がお好み焼きにくぎ付けになっている。


「焼けるまで時間がかかるから、この塩キャベツ食べて待ってて。」


 ビニール袋にキャベツと塩昆布入れてもみもみした即席の塩キャベツを冷蔵庫から出して小皿によそう。塩昆布は魔法の調味料だぜ。きゅうりでも枝豆でもこいつともみもみしておくと、箸が止まらなくなる。

 御多分に漏れず3人も最初は、なんだキャベツかって目で見てたくせに、箸が止まらなくなってる。


「のりちゃん。きゃべつおかわりっ。」

「オレも。」

「私も。」

「お好み焼き食べる分の胃袋は残しておくんだよ。」

「「「もちろん」」」


 片面が焼きあがったのでふたをする。この裏返した後をフライ返しでギューギューさせない為の目くらまし要員が塩キャベツだった。私の作戦勝ちだ。だてに長いこと生きていない。

 いや、妖怪の方が長生きか。見た目がおこちゃまな3人を見てるとつい自分が最年長に思えるが、実は最年少なのが私だろう。


 ホットプレートのふたを開けると、湯気が立ち込める。Myフライ返しで各自お皿に取ると思い思いにソースをかけていく。お好み焼きソース、マヨネーズ、ケチャップ、からし。私と毎日食事を共にしているわらしさまは着々とマヨラーに育っているので、お好み焼きソースの上にマヨネーズをかけていた。稲荷様はソースだけ。からし、ケチャップ、マヨネーズを混ぜ混ぜしている私をじっとみているカハクちゃん。


「味見にどうぞ。」


 一切れ切ってカハクちゃんのお皿にのせてあげる。


「のりちゃん僕も味見。」


 わらしさまのお皿に一切れのせてあげてたら、ずいっとお皿が差し出されてる。……稲荷様も気になったのか。


 我が家でお好み焼きというとこのマヨネーズとケチャップが定番だったので、気にしてなかったけど、そんなに珍しいのかな?オーロラソースって結構なんにでも合うと思うけどな。

 あ、お口に合ったみたいでカハクちゃんもケチャップマヨネーズにしてる。わらしさま、ソースとマヨの上にケチャップは流石にくどいと思うぞ。

 2枚目は全部を混ぜていっぺんにどんと焼く。わらしさまと稲荷様のあの勢いだと焼きあがる前に食べ終わっていそう。


 片面焼きあがった大きなお好み焼きをフライ返しで4等分に切ってから1枚ずつひっくり返す。赤味噌県の人だからコテ検定の級を取得してない。よって大きなままお好み焼きをひっくり返してクラッシュさせてしまうような危険は冒さないのだ。ふたをしたらもうちょっとお待ちあれ。

 

 フハハハハハお好み焼きにケチャップマヨネーズの布教してしまった。

 2枚目は見事に全員ケチャップマヨネーズでした。実は焼きそばにも少しケチャップ入れる派だ。


 iPadに入っている遠近感を錯覚させた美しい景色を操作してゴールへ向かうゲームを3人頭を突き合わせてプレイしてる。最新版まで購入済みだから気が済むまで冒険してくれたまへ。3人寄れば文殊の知恵なのか、発想が柔軟なのかおやつの時間にはコンプリートしていた。

 今は、リクエストされたなんちゃってパフェを3人で盛り付けている。カハクちゃんがビジュアルに拘るのがよくわかる美しい盛り付けだった。


 夕飯は食べずに日暮れには2人とも帰っていった。この2日間で随分キャベツを消費できた。数の力恐るべし。賑やかな休日はこうして幕を閉じた。また明日からお仕事頑張るゾ。




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