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座敷童が小豆ご飯に飽きたと言っています。  作者: ヴぃc
第1章 アラサー無職彼氏ナシから頑張るゾ
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納豆と鯖缶の巾着前編

 ピンポンーン。ピンポーン。ピポンピンポンピンポン。ただ今AM7:00でございます。誰だよ休日の早朝にピンポン連打する奴は。額に青筋寄りつつも、モニターを覗くと、キツネのお面。


「わらしさまのお友達が来たみたいだよ。」

「今手が離せないからのりちゃん出て~。」


 わらしさまは友人よりもゲームの方が大切らしい。応答ボタンを押して


「今あけます。」


 稲荷様に返事をして玄関へ向かった。

 ドアを開けるとずいっと手渡されたスーパーの袋には、ごっそり油揚げが入っていた。


「あらあら、こんなにたくさんありがとう。」

「今日は泊まるから。」

「ゆっくりしていってね。どうぞ入って」


 リビングに稲荷様をつれていった。稲荷様は、熱心にミッションを遂行しているわらしさまの隣にちょこんと座って、


「今日10時からイベント。そんなに使い込んだらダメ。」

「そうなの?いなり僕にエナジー送ってよ。」

「もう送った。」


 なるほどゲームのイベントを一緒にプレイしたいからこんなに早く来たんだ。私の中の妖怪のイメージが「ゲーマー」に固定されたよ。


「稲荷様は、本当に油揚げしか食べないの?」

「他のものも食べれないことはない。」


 言質が取れたので遠慮なく朝食はゆるぎないフルグラにさせてもらった。稲荷様は、器用にお面の中に牛乳でふやけたフルグラを運んでいた。あ、お面とらないスタンスなんですね。

 イベント開始までエナジーを温存する作戦の二人の為に、空を走る猫のバスを再生してあげた。洗濯機のスイッチを押した後私もついつい見入ってしまった。作中に出てくる家がリアルに再現されてるモリコロパークに一度行ってみたいと思いながらも1人では行く気になれず未だ行けずじまいだ。

 噂では予約しなくても当日少し待てば入れるらしいから今がチャンスなんだろうけどボッチ参戦は腰が引ける。わらしさまが外に出れたらいいのに。この究極の引きこもりめっ。

 時計を見ると、まだ10時前。休日なのにスタートが早かったからまだ余裕な時間。っと言っても無職なんだから毎日サンデーだがな。洗濯物ちゃっちゃと干して買い出しに行こう。今日はちょっと足を延ばしてマックスバリューまで遠征してみよう。


 腕がもげるかと思った。ついつい近所のスーパーには無い豊富な品ぞろえを前に、あれもこれもと買い過ぎてしまった。大手車メーカーのおひざ元県民のくせに、私は車の免許を持っていない。両親が交通事故で亡くなった事も少し関係あるけど、実際には高校卒業するまでに自動車学校に行きそびれてそのままなし崩しに運転免許を取りそびれてしまったのだ。

 今さら若い子に交じって学校通いなんてこっぱずかしいし、100%登校拒否になる自信がある。だから私の就活の基準は、公共交通機関で通える会社なんだよね。木曜日に履歴書提出した会社からの通知はいつくるのかなぁ。


 ひじきと切り干し大根をお水に戻しながら納豆と鯖缶を混ぜる。ついでに冷凍庫に入れてある刻み葱も投入。万能ねぎとパセリは冷凍しておくとささっと使えて便利だよね。油揚げの端を切って袋状にしたら、鯖納豆を入れて爪楊枝でふたをする。いつもはトースターで焼くんだけど今日は数が多いからフライパンで一気に焼いちゃう。後は1人1個ずつの目玉焼きと昨日の残りのお味噌汁に油揚げを刻んで入れれば完成。

 

 イベントは終わったんだろうか?


「そろそろお昼ごはんにするよ~。」


 丸まった二つの背中に声をかけた。





油揚げを半分に切って鯖納豆を入れた後マヨ&一味や、チーズをのせるのもアリだと思ってます。

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