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座敷童が小豆ご飯に飽きたと言っています。  作者: ヴぃc
第1章 アラサー無職彼氏ナシから頑張るゾ
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小アジの南蛮漬け後編

 玉ねぎ、人参、みょうがをスライスして塩を振って放置している間に漬けダレを作成。砂糖、酢、しょうゆ、鷹の爪を混ぜ合わせたら、野菜を絞って水気を切って投入。お次は大量の小アジを無心で下処理していく。生臭くてめんどくさいこの処理は、出来上がりを思い浮かべれば我慢できるのだ。

 下処理した小アジの半分を小麦粉と片栗粉が入ったビニール袋に突っ込んで振る。残りの半分は、ビニール袋にカレー粉を追加して振る。揚げるのは最後にして先に味噌汁とサラダを作ろう(別名冷蔵庫空っぽ大作戦)。

 味噌汁に入れる具材の自分ランキング1位が玉ねぎ。赤味噌圏の人だけどうちはあわせ味噌なのだ。玉ねぎが柔らかくなる間に、レタス、キュウリ、トマトにコーンをのっける。お味噌を溶いたら。小アジをガンガン揚げていくよっ。まずは小麦粉と片栗粉だけの方を揚げては漬けダレに放り込んで行く。じゅわっと広がる酢の香りに口の中によだれが湧いてくる。でもね、これは明日の晩ご飯。今日のメインディッシュはこちら。カレー粉追加した方。小アジのから揚げ(カレー味)。これに冷蔵庫で冷やしてあったなすの揚げびたしを添えて今日のおうちご飯完成。


「わらしさまできたよ~。テーブルにはこんでね。」

「アイアイサー。」


 ……わらしさまどんどん毒されてる気がしてきた。いつものごとくわらしさまが夕飯を撮影していたらiPadの着信音が鳴った。


「のりちゃん。いなりが明日泊まりに来たいって言ってるけどいい?」


 今朝のリアクションから想像ついてたけど、稲荷様行動が早いな。


「いいよ。でも明日の夕飯は小アジの南蛮漬けだから、油揚げ買ってこないと無いなぁ。」

「あ、それはいなりが持ってくるって。」


 稲荷様は強がりじゃなくて本当に油揚げ好きだったんだ。油揚げで作る献立を考えておかなくちゃいけないね。

 わらしさまはカレー味が気に入ったらしく小アジばかり食べている。子供ってカレー好きだよね。1人じゃ食べきれないからしばらくカレーも作ってなかったけど、今ならわらしさまが居るからカレーを作っても1週間カレー生活するような悲惨な状態にならずに済む。

 誰かが美味しいと食べてくれるだけで、作りたい料理があれこれ浮かんできて、お料理するのが楽しくなる。

 お皿を洗った後は、まったりしようと思っていたけれど、明日の分の仕事を片付けることにした。稲荷様が来るなら午前中のうちに空っぽになった冷蔵庫の中身を補給しなくちゃ。またまたボーキサイトが無くなった。とぼやくわらしさまの為に、今度はどろぼうさんにハートを盗まれたお姫様のDVDを再生する事にした。画像は古くても色あせないクオリティ。老体に鞭打つわけじゃないけどこの監督には長生きしてもっともっと作品を作ってほしい。

 何度も同じ作業をするからずいぶん処理スピードが上がった気がするなと、自己満足しながら出来上がった原稿をアップロードする間に凝り固まった肩を腕まわししてほぐしていると、悠ちゃんから日曜日の10時に事務所へ来てほしいとLINEが来た。

 どうかイケメン眼鏡がいませんようにと願いながら了承の返事を打った。


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