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45.再会

俺と松田、それにシュランは色欲の渦巻く世界に来てきた。


おそらく戦前の日本くらいの文明なのか、ラジオのようなものはあるがテレビは無い。

銃のようなものを持った警官がパトロールをしているのでおそらく魔法はないだろう。


「先輩……。これすごいですね。」


「ああ、流石にドン引きだな。」


少し人通りのある場所に出るとあちらこちらでナンパや客引きがな見られる。心なしか人々の服装も露出が多く感じる。


「まぁ、道端で行為に及んでないぶんマシかもな。」


「羞恥心はふつうにあるっぽいですね。」


俺たちはこの世界に来るときに、ジーさんからある程度の説明を受けた。


この世界は《堕ちた神》によって媚薬や惚れ薬が大量に売られており、そのせいで今俺たちが見たように乱れた惨状になっているのだ。


おれたちはあこの世界からそう言ったものを取り除き過剰に高まっている色欲を抑えなければならない。



「先輩どうします?これって僕たちの世界から煙草とかお酒をなくすくらい難しくないですか?」


「まあな、根本から正そうと思ったら大変だろうな。だからシンプルに行く。」


「シンプル?」


「ああ、《堕ちた神》だけを狙い撃つ。」


こちらには最強の冒険者シュランがいるのだ。シュランに《堕ちた神》を倒して貰えばいくら色欲が高まっていてもその感情を回収できる奴はいなくなる。


「でも……。シュランさん酔いつぶれてますよ?」


そういえばそうだった。


「まあ、まだどこが媚薬とかを売ってるかも調べてないしな。今日はシュランが回復するまで情報でも集めよう。」


「それがいいですね。」


俺と松田はシュランをその辺の公園のベンチに放置して敵の拠点である媚薬の販売元を調べる。


が……。


「これは……、思ったよりもやっかいかもしれないな。」


「はい、全然敵の拠点が絞れません。」


俺たちは調べまわった後シュランを放置していた場所に戻ってきた。


小一時間街行く人に話を聞いたのだ媚薬はどうやら公には売られていないようなのだ。


まるで俺たちの世界の麻薬のように媚薬の売人はたくさんいる。そしてそれは何人もの人間を仲介して一般の人にまで出回っている。どこで買えるか、誰が売ってるかは掴めてもその大元が誰かまでは掴めないのだ。


どうしたものか、と悩んでいるとーーーー。


「ううん? ここはどこだ?」


やっとシュランがお目覚めだ。


俺達はここが異世界で、レオンの野望を阻止するために動いていることを伝える。


シュランは初めは戸惑っていたようだが、なんとか現状を把握したようだ。


俺たちはどこが媚薬販売の大元かもわかっていない。そう伝えるとシュランは……。


「ほう、なかなかおもしれえじゃねえか。俺に任せろ。こういうのは得意だ。」


自信満々で情報を集めるというので任せてみる。


とりあえずシュランに言われた通りに俺が調べたときにわかった媚薬の売人、まぁ、末端だろうが、の元に案内する。


「おい、お前、媚薬の売人か?」


「そうだよ? 兄さんも買うかい? 一袋で50700だ。」


「いや、買わない。今日はお前がどこからそれを仕入れているか聞きたくてな。お前は誰からそれを仕入れた?」


「なんだよ、客じゃないなら帰ってくれ。それはいえないんだよ。」


やはり、売人は俺達をあしらう。俺も一度別の売人に同じことを聞いたのだが同じ反応だった。


ダメか? そう思っているとーーーー!


ドン!


「もう一度聞くぞ、誰から仕入れた?」


シュランが売人に壁ドンをした。


手が後ろの壁にめり込んでる。


売人はびびったようであっさり誰から仕入れたかを吐いた。


てか、誰でもビビるわ、あんなことされたら。


「さて、じゃあ次に行こう。」


今聞き出した情報を頼りに次の売人の元に行く。


そして、同じ手法でその上、また、その上の売人を特定し、とうとうその大元を突き止めた。


俺達は一つの工場の前に来ていた。


どうやらここが媚薬を製造しているところらしい。


「さて、ここが敵の拠点だ。乗り込むぞ。」


やばいなシュラン。 やはりソロ最強の冒険者は伊達ではない。あっさりと敵の拠点を特定してしまった。


お酒には弱いがとても頼りになる。


俺達はその工場に乗り込む。



するとーーーー!



「あれ? 誰もいませんね。」


「ああ、もしかして嘘の情報をつかまされたのか?」


そこには人っ子ひとりいなかった。



俺達は慎重に奥に進んで行く。


すると……奥から物音が。



「やあ、山崎くんに松田くん。久しぶりだね。」



そこにはレオンがいた。





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