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34.プランナートラップ、トリプペポン

日刊ランキング24位になってました!


過去最高にテンションが上がってます!


ブックマークや評価をしてくれた人、本当にありがとうございます!

俺とパインは街のはずれにある反政府軍のアジトの近くに来ていた。


反政府軍のリーダーに会って革命を起こしてもらうのだ。


アジトと思われる建物は頑丈そうな鉄の扉が、扉の前には屈強な男が二人立っている。


俺はそのうちの一人に話しかける。


「すいません、こちらって反政府軍のアジトですか?」


「プランナートラップ、トリプペポン」


あれ?


なんかものすっごいデジャヴなんだが。


もう一人の方にも同じ質問をする。


「すいません、こちらって反政府軍のアジトなんですか?」


「プランナートラップ、トリプペポン」


結果は変わらない。


「日本語で話せぇぇぇぇえ! 知ってんだからな俺、どうせ日本語ちゃんと喋れるんだろ⁈」


「落ち着くのじゃ、山崎。みだりに騒いではみっともないぞ? ここは儂に任せよ。」


パインが前に出る。


「お主達、質問に答えよ。ここは反政府軍のアジトなのか? 」


「オマエ、ムネ、チッチャイナ」

「オマエ、ムネ、チッチャイナ」


「貴様ら! 末代まで○○○が○○○○になる呪いかけてやる!!」



お前のほうがみだりに、てゆうか淫らに騒いでんじゃん。



これ初めて異世界に行った時と全く同じだ。


どうせ、本当は日本語喋れますってオチなんだろ?



そう思っていたのだが……


「 失礼ですがどちら様でしょうか。そこ、私の家なんですけど。」


背後から話しかけるものがいた。


見た目の若い、長髪の男。


「あっ、申し遅れたな。拙者は反政府軍のリーダーをしている。オダ・レオンだ。」



結果オーライ? 取り敢えず目的の人物に会えた。


それにしても、メチャクチャ革命起こしてそうな名前だな。


俺は名乗る。


「初めてまして、俺は山崎だ。こっちはパイン。今日は反政府軍リーダーのあなたに話があって来た。」


「話? よくわからんが中でお聞きしましょう。ブラン、ギャラ、門を開けてくれ。」


レオンが命令すると門番は鉄の扉を開ける。


やっぱり日本語通じたんじゃな……


「うちの門番はボリビアン人だから言葉通じないんだよ。あなた達も話が通じなくてさぞかし大変だったでしょう。」



まさかのボリビアン人かい。言葉通じないんかい。


てかボリビアン人って何?


そもそもーーーー


「なんで言葉の通じない奴を門番なんかにしたんだ? おかげでこっちは大変だったんだぞ!」


普通、取り次ぎとかできる奴が門番すべきだろ!


オダ・レオンは説明する。


「いやね? やっぱり今ってグローバルな視点で物事をみるべきじゃん? みたいな理由で多数決でボリビアン人を雇うことになった。」


なんだそれ、絶対悪断だろ。


こいつらが政権取ったら衆愚政治とかしそうだな。



そんなこと考えてるうちに一つの部屋に案内される。


「好きに掛けてくれ。コーヒーは飲むか?」


オダ・レオンは部屋の奥のソファに座る。


俺たちも勧められるまま、手前のソファに座る。



「では、本題に入ってもらおうか。拙者に話とはなんだ?」



「簡単に言うと反政府軍に革命を起こして欲しい。」



「革命? 急な事を言うな、山崎殿。できるならとっくにやっている。」


オダ・レオンは今の現政府軍と反政府軍の勢力を説明する。


現政府軍の勢力は最新の武器を持った兵が100万はいる。対して、反政府軍は旧式の武器で、しかも戦力と言えるのは5000人ほどだそうだ。


正面から挑んでも勝ち目はない。だから現政府軍の施設の爆破などでテロのようなことしかできないのだと。


「しかし、なぜ急にそのような事を? 革命など大それた事を言い出すなどなにか事情でもあるのか?」


オダ・レオンは俺たちが話を持ちかけた理由を尋ねる。


たしかに普通、気になるか。


俺はすべての事情を包み隠さずに伝える。


「……そういうわけで、《堕ちた神》が下っ端を使って感情をエネルギーに変換してなにか企んでいるんだ。」


「なるほどな。感情をエネルギーに……、それに異世界か。にわかには信じらぬ話だが……、信じよう。」



突拍子もない話だってのにすんなり信じてくれた。


「よくこんな話信じてくれたな。ありがとう、オダ・レオンさん。」


「礼を言われるまでもない。リーダーとは人を信じるものだ、そうすることで初めて仲間からの信頼も得られる。そうして組織をまとめ上げてきたのが拙者だ。しかし……」


ここで一旦言葉を詰まらせる。


「革命となると、やはりまだ無理だろう。戦力差は絶望的だ。」


やっぱりそこか。


いくら高い志があろうと、現実としてそびえ立つ問題は無くならない。


100万対5000どう考えても勝ち目はない。


でも、それは正面からぶつかった時の話だ。




革命は戦争ではない。


力なき民衆が、武器とも呼べないような武器を手に取り、力の限り叫び、国を統治する権利を取り戻す。


あくまで現政府軍のトップだけを捕まえ、政権を民衆に譲渡させる。


これが革命の勝利条件だ。


「しかし、そのトップを捕まえるのが至難の技と言っているのだ! 」


オダ・レオンは反論する。


でも、冷静に考えて欲しい。


現政府軍のトップはこの世界の首都に集中している。


しかし、軍は違う。各地を統治するために100万の兵も各地に散らばっている。


この首都には10万も兵はいないはずだ。


せいぜい1〜2万ってところだろう。


それならばチャンスはある。


反政府軍が火種となり、民衆も巻き込んだクーデターを起こせば、局地的な戦力差は逆転する。


「これならやれると思はないか?」


俺は勝算を話す。


「ふーむ、たしかに可能性はあるかもしれないな。少し、考える時間をくれ。」


オダ・レオンはそう言った。


革命を起こすなんて大きな決断、その場でできる者でもないだろう。俺たちは明日も来ると伝え反政府軍のアジトを去った。



「そういえば鏡や松田はどうなったかのう。」


アジトを出て街に着いた頃、思い出したようにパインが呟いた。


「連絡してみるか。」


そう言って俺は松田に電話をかける。



え? 異世界じゃ繋がるわけないだろって?


ところがどっこい、パインに異世界でも通話出来るように魔法をかけてもらったのだ。


お前それチートじゃん。ってつっこみはNGで。


とにかく電話をかけてみる。



プルルルル


《ガチャ! もしもし、先輩ですか?》


「ああ、俺だ。松田今どこにいる?」


《えーと、今僕と鏡君は現政府軍の偉い人の……えーと》


鏡君、名前なんだっけ? そんな声が電話の向こうから聞こえてきた。そしてーーーー




《ヒット・ラーンプって人の家にいます。晩御飯食べさせて貰ってるんですよ。》



松田は敵の親玉に「突撃!隣の晩御飯」していた。



なにがあった⁈









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