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14.大人の階段は先輩に教えてもらう事でエレベーターにもなる

「一回戦の勝者、シュランーーー!」


「ウォォァォァォォォァォォォァォォォァォォォァォォォァォォォァォォォァォォォァォォォァォォォァォォォァォ!」


貴賓席で見ていた俺と松田も大興奮だった。すぐに解説も流れる。



「いやー、とても白熱したいい試合でしたね! しかし思ったよりもシュラン選手のワンサイドゲームに見えたのですが、どう思われますか? ザンザレスさん。」


「たしかにそう見えますが実はシュラン選手はかなり細かい計算のもとの勝利だと思われます。」


「というと?」


「はい、まず最初から剣を使わなかった点ですね。ナオト選手の能力を考えると一撃でも攻撃が当たったしまいますと後々かなり不利になります。そこで切る、でなく殴りとばすことによって連撃を塞ぎ、ナオト選手の肉を切らせて骨を断つ、と言った戦術も封じたのでしょう。」


「なるほど! ではナオト選手の能力の弱点、目を潰されたら瞬間移動が出来ない点についてはどう思われますか?」


「あの弱点は本来なら大した問題では無いんですよ。基本的に魔法があれば暗闇や霧の中でも目は機能しますし目を潰されてもパーティメンバーの援護で一瞬でも敵の攻撃を防げは超速再生により目は復活しますからね。むしろたった数回のやり取りで僅かな弱点に気づき瞬間移動したタイミングで的確に目を攻撃できたシュラン選手を称賛すべきです。」


「我々の知らないところで色々考えているのですね。ザンザレスさん、ありがとうございました。会場の皆さんももう一度二人に大きな拍手を!」


パチパチパチパチパチパチパチパチパチ


「シュランカッコいいーーー!」

「勇者もよく頑張った!」

「面白かったぞー!」


観客はかなり楽しんでいるようだ。

しかし思ったよりもしっかりした解説だな。


試合は進む。


「おっと、もう次の準備が整ったようです。どんどん参りましょう、二回戦、赤コーナー謎の美少女、こん大祭最年少、パインーーー! 青コーナー、前世はサラリーマン、空想実現化能力をもつ勇者アラタ・ヤマダーーー!」


舞台に二人が出てきた。

パインは普段の姿からは想像出来ないほど集中している。


「では試合開始ーーー!」


先程とは一転二人とも動かない。まずは様子見か? と思ったが違うようだ。パインの頭上に巨大な岩が現れる。

アラタは想像するだけで攻撃が可能なため動く必要がないのだ。


ズガァァァァ!


岩が落ちてくる。しかしパインは前に出て回避、アラタとの距離を詰める。


「無駄ですよ。」


即座にパインの四方に鉄の壁が出来る。

そして再びパインの頭上に岩が。絶対絶命か? と思ったがーーー


「ブレイクスペル!」


パインは岩に向け魔法を放ち粉々にする。さらに、


「メルトスペル」


別の魔法で鉄の壁を溶かす。


「今度は儂の番じゃ、くらえチャームスペル!」


パインは反撃に出る。チャームスペルとは相手が自分のことしか考えられないようにする魔法だ。想像力を力にする相手にとってはこれ以上ない魔法。

しかしこの魔法は一切の物理攻撃力を持たない。ティッシュですら貫通出来ない。不意打ちらともかく正面から打ってもアラタの出した壁により簡単に防がれてしまう。


「厄介な魔法を持っているのですね。でもくると分かっていれば防げる。貴方は私の敵ではありません。」


「そういう主も攻撃は岩を落とすだけじゃないか。それじゃ儂には一生当たらんぞ。」


「なら岩以外で攻撃すればいい話では?」


そういうと今度は地面にから無数の針がパイン目掛け伸びてくる。パインはとっさに避けるが避けた先には落とし穴が、


「その穴の中には毒ガスが充満してます。私の勝ちです。」


「まだじゃ、フライスペル!」


パインは飛ぼうとする。がーー


「させません!ちゃんと落ちてもらいます!」


アラタは重力を操作し穴の上だけを重くする。パインは穴に落ちてしまった。


「さて、中のガスは致死性ではありませんが最低でも昏睡状態には陥ります。これで私の勝ちですね。」


アラタは勝ちを確信するがーーー


「チャームスペル!」


いつのまにかアラタの背後にいたパインが不意打ち。チャームスペルはアラタにヒット……とはいかずギリギリで避けられてしまう。


「今のは危なかったですよ! しかしどうやって今の攻撃を掻い潜ったのですか?」


「敵に言うわけでないじゃろう。しかし今のを避けるとはな。お主思ったよりはやるな。少し惚れたぞ!」


「惚れっ、い、いや何を言ってるんですか、それこそ敵に言う言葉ではありませんよ⁈」


あれ? アラタ少し照れてない?まぁパインはまだお子様で胸もないが見た目は超絶美少女だしな、照れるのも無理もないか。


アラタは仕切り直す。今度はパインの横に長い壁を作り大量の水で一気に流そうとする。


「くっ、スティックスペル! 」


パインは地面に体を固定して水流に耐える。水が引く頃にはパインはびしょ濡れになっていた。


「お主、儂をびしょ濡れにしてどうしたいんじゃ、この変態め!」


「なっ、違います! そんなつもりは……。」


「いじめたいなら言ってくれれば……、アラタなら儂も満更ではないと言うのに。」


「くっ、私は惑わされませんよ! 貴方は敵なんです!」


パインの周りに炎が出現し、パインじりじりと迫る。


「今度こそこれでおしまいです!」


「アラタ、分かってる。服を乾かしてくれているのじゃろ?やはりお主は優しいのう。」


「へ?」


勘違いするパインに驚き炎は消える。


「アラタよ。やはり儂、儂お主のことが……」


パインはアラタの元へかけて行きアラタの胸に飛び込む。


「パイン……」


アラタもパインを抱きしめようとした、そのときーーー


「やはりお主、生理的に無理じゃ。ブレイクスペル!」


岩をも砕いた魔法を受けてアラタは吹っ飛ぶ。


「こんな簡単に落ちるような軽い男に惚れるものか!ヘドが出る。」


アラタは今の一撃で気絶しているので勝者はパインだ。


いやしかしこんな感じでいいのか?


解説が始まる。


「先程とは一転、別の意味でドキドキする試合でしたね、ザンザレスさん。」


「そうですね、チャームスペルが当たらないと判断し、即座に自分の魅力で相手を落とそうと言う発想には私も驚きました。あの美貌と強さの中に秘めた愛おしさのギャップ、この二つの合わせ技は見事でした。」


「しかし、なぜパイン選手はアラタ選手の毒ガス落とし穴から逃れられたのでしょうか。しっかりと落ちたように見えましたが。」


「あれは、おそらくフライスペルの特性活かした罠ですね。」


「特性?」


「はい、フライスペルとは空を飛ぶのとは別にハエになる事も出来るのですよ。フライとは飛ぶ、ハエ、両方を意味しますから。細かいイントネーションでどちらの効果を得るか選べるのです。パイン選手は穴に落ちて姿が見えなくなったところでハエに変身、体重の軽いハエならあまり重力の影響もないので穴からの脱出したのでしょう。」


「なるほど、これはパイン選手のファインプレーだったんですね! しかし多様な魔法を使いこなしアラタ選手の攻撃を凌いだパイン選手は本当に凄いですね。」


「ええ、これから先が楽しみな選手ですよね。」


やはり本格的な解説、なんでパインがアラタを落とせた理由まで解説できるんだよ。


それにパインもあんな風に鮮やかに男を落とすってどう言う事?

あいつまだ13歳だよね?

一度編集長に連れてって貰った時の銀座のキャバ嬢より鮮やかだったぞ!

恋のABCどころかAからZまで10秒で言えますってくらい凄かったぞ!


舞台にいるパインは俺の疑問に全く気付かず舞台袖にいたノヴァにグッドサインを送る。


もしかしてノヴァが教えたんじゃーーー



味方の二勝めにもかかわらず少し疑問が残る戦いだった。

おかげ様で2000p v達成しました。

今まで読んでくれた皆さん本当にありがとうございます。

まだまだ大した事ないと言う方もいるかもしれませんが、僕ももっと成長出来るように頑張りますので引き続き応援よろしくお願いします。



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