五十話 二組の修行計画
志之崎達との戦闘後、十日間は回復と修行の時間にあてることになった。
(みっちゃん、相談があって。生成魔法で強力な武器を生成できないかな?)影慈が尋ねる。
(強力な武器か……。漆原が使ってた武器以外でってことか?)光葵は質問を返す。
(そう。漆原が使ってた〝近代武器〟も強力で戦闘時に役立ってることは多い。ただ、どんどん強くなっていく敵に対応するには更に強力な武器が必要だと思う)影慈は真面目な声だ。
(それはそうだな……。でも、武器の仕組みを理解したりできるかな……)光葵は不安な声になる。
(そこで思ったんだけど、魔法って結構〝解釈の余地とか幅がある〟と思うんだよね。特に合成魔法とか、僕らが〝イメージしたものを形にする〟感じじゃん? 生成魔法でも似たようなことができれば〝神話に出てくる武器〟とかも〝想像的に生成〟できるんじゃないかな?)
(たしかに……! その発想は無かったわ。影慈お前すごいな……)単純に感心する。
(あはは、ありがと。僕神話とか好きだからイメージはしやすいと思う。しばらく、主人格交代してもらって、生成魔法を極めるのに時間使ってみない?)影慈が優しい口調で提案する。
(オーケー! 昨日の三人との戦闘でも強くなる必要性は感じたし。やろう!)
◇◇◇
一方、頂川と綾島も修行の相談をしていた。
「頂川君、私もっと強くなりたい。でも、マナ出力を高めるだけじゃ足りない気がするんだ」綾島は真剣な表情だ。
「そうだな。出力勝負だけが戦いじゃないのは俺も痛感してる。何が効果的なんだ……」頂川は頭を捻る。
「前にルナ姉と一緒に清宮と至王って人と戦った時に、いくら強力な攻撃をしても『当たらなかったら意味ない』って感じたんだ。あの二人は感覚が鋭かった。私達の攻撃を躱すのも上手いしカウンターも的確だった……。極めるべきは『知覚力、感覚』なのかも」
「綾島さん……! それだ! 俺も言葉にできてなかったけど、今のを聞いてビビッときたぜ! 『知覚力、感覚』を磨く修行をしようぜ!」頂川は力強く答える。
「うん……! 一緒に修行しよう!」




