ep.48 火の輪の冬まつり
火島の夜が、静かに始まった。
隕石のかけらが、ほんのりと光を放っている。
それは火ではないけれど、どこかあたたかい光だった。
咲姫が、かけらを見つめながら言った。
「この光、冬の火にぴったりなのです」
ナナが手を叩いた。
「じゃあ、おまつりしようよ! “冬の火まつり”!」
ぽぷらんが、しっぽで星の形を描く。
ルカが魚の燻製を並べ、ナナが貝殻で飾りを作る。
ミオは、蛇肉のスープをぐつぐつ煮込んでいた。
孝平が、火のそばに座ってつぶやく。
「なんか、ちゃんと“暮らしてる”って感じがするな」
リリアーナが、隕石のかけらを火の中心にそっと置いた。
「来年も、また火を囲めますように」
火の輪、初めての“冬まつり”が、静かに始まった。
火の輪の冬まつり、やってみました。
派手な演出はないけど、火を囲んで、食べて、祈って、笑う――
それだけで、ちゃんと“まつり”になるんだなって思います。
咲姫の「冬の火にぴったりなのです」、気に入ってます。
ぽぷらんの星マークも、たぶんすごく上手に描けてたはず。
次回は、火島編のしめくくり。
また火のそばで。




