ep.44 星を喰らう蛇
空から、星が落ちてきた。
それは、ただの光じゃなかった。
尾を引きながら燃え、空気を裂き、音を置き去りにして落ちてくる。
火の輪の子どもたちが、思わず耳をふさぐ。
咲姫が叫ぶ。
「リリアーナ、あれは不味いのです! あれ、島ひとつ消えるやつなのです!」
だが、リリアーナは静かだった。
その目は、ウミヘビの奥にある“なにか”を見ていた。
そして、星が落ちた。
ウミヘビの頭上に、隕石が直撃する。
爆音。閃光。海が割れ、空が揺れる。
衝撃で、海底の地形が変わった。
波が引き、泡が立ち、そして――
島が、浮かび上がった。
咲姫と孝平が、ぽかんと口を開ける。
「……やりすぎじゃない?」
ぽぷらんが、しっぽで“△”を描いた。
たぶん、「ちょっとだけセーフ」って意味。
隕石、落ちました。
火の輪、初の“地形変動”です。
リリアーナの魔法、実は前から「一発やらかす回」を狙ってたので、ここで解禁しました。
咲姫のツッコミと、ぽぷらんの“△”が今回のMVPです。
次回は、魚と蛇と、浮かんだ島の話。
火の輪、どんどん広がっていきます。
それでは、また火のそばで。




