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魔法戦士ギン  作者: burazu
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信じぬく思い

 プレツのミッツ教団の教会でムルカの妻、メイリーの死の真相。そしてそれを機にムルカが騎士団を脱退した話をルルーと司祭より聞いたギン達は驚愕のあまり言葉が出ない。


 そんな中、涙を拭い、平常心を取り戻したルルーが一同に声をかける。


「ごめんみんな、今落ち着いたから。司祭様も申し訳ありませんでした、取り乱してしまい、お手を煩わせてしまって」

「いえ、あなたに辛い役目を押し付けた私の責任です。申し訳ありません」

「司祭様……」


 司祭がルルーに謝罪の言葉を述べていると、ヨナが自分の考えを話す。


「でもさ、大事な人が殺されちゃったら、殺したやつを憎むのは人として当然の感情じゃん。そんな自分が許せないからって騎士団を辞めちゃうのはあたしには理解できないな」


 ヨナが自らの考えを述べると、ギンがムルカについてヨナに話す。


「ヨナ、お前は最近、俺達と会ったばかりだから分からないと思うが、ムルカ殿は自らの信念や誇りを大事にする人だ。それに反する行動をとった自身を許せないというのも今のムルカ殿を見ていればそれもうなづける」


 ギンの言葉を聞いて、エイムも自らの考えを話す。


「私もそう思います。それに、きっとそんなムルカ様だからこそ愛していらしたと思います」


 エイムの意見を聞いて、ルルーが賛同の言葉を発する。


「エイムの言う通りだと思うわ。だから奥様の愛に自らが反したとムルカ様は思ったんじゃないかな」

「だけど……」

「もちろん、あなたの言う事も間違ってはいないわ。それでもムルカ様は……」


 その先の言葉がでないルルーにギンが声をかける。


「ルルー、俺はムルカ殿は強い人だと思う。本当の心の中は分からないが、それでもあの人はブロッス帝国との戦いに臨んでいる」

「ギン……」

「そして多分、あの人の強さは俺達の中でもお前が1番分かっているはずだ。だから信じるしかない、ムルカ殿を」

「ギン、そうね例え今は悲しみが心の中を多く占めても、ムルカ様はそれを乗り越えようとしているかもしれない。私達が信じないとね」


 ギンとルルーのやり取りを聞いて司祭が言葉を発する。


「ルルー、私もムルカを信じています。彼ならそれができる。そう思わなければ呼び戻しなどしませんからね」


 司祭の言葉を聞いて、ルルーが言葉を発する。


「はい、きっとムルカ様なら乗り越えると思います」


 ムルカを信じるルルーとギン達。ムルカの本当の心とは?

 

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