絶対なる者
自らを秩序の乱れた世を破壊する存在と称する魔神グレゴとギン達は対峙し、今、世界の命運をかけた戦いが始まろうとしている。
「エイム、まずは俺が奴をかく乱する。その隙に魔法を頼む」
「はい、お願いします」
『人間が我をかく乱など、笑わせるな』
「これを見てもそう言えるかな」
そう言ってギンは速度強化の魔法を使用し、グレゴの目線をあちらこちらへと誘導する。
まるで石像のような顔のグレゴに表情こそ変わらないが、明らかにギンの事を目で追っている様子ではあった。
『おのれ、ちょこまかと』
そう言って大きな手でギンを叩き落そうとするがギンには当たらず、逆にギンより火球を放たれ身体に直撃する。
だが痛がるどころかひるむ様子すらない事にギンは驚き、1度グレゴより距離を取る。
「魔法は効いていないのか?魔力障壁か」
ギンの疑問に対してルルーが自らの考えを伝える。
「多分、人間でも魔族でもないから普通の魔法を受け付けるという身体ではないはずよ」
『その人間からはミッツ神の力を感じるな、それで私の秘密に気づいたか』
「ええ、本来神であるはずあなたがこの世界では実体を持たないはず。それでこの世界で活動する為に自らをジェファーの魔力で実体化させたはずよ」
『魔神官の魔力の波動は私をこの世界に呼ぶきっかけには十分だった。あとは私が奴の波動に同調すればこの世界、そしてこの時間に現れるのにもな』
この時間という発言が気になったギンはその疑問をグレゴにぶつける。
「この時間だと?一体お前はどういう存在なんだ?」
『神に時間の概念などない、私は常に存在し続ける絶対なる者だ』
「何だと、不死という事か」
ギンの不死という言葉にジエイは別の見解を示す。
「ギン殿、あながち不死とは言えないかもしれませぬ」
「どういうことだジエイ?」
「ジェファーの魔力に同調し、この世界に実体化したという事は逆を言えば、その力を打ち消す力をぶつければ良いのです」
「奴を、邪を滅する力……」
邪を滅する力、その言葉にエイムは自ら発言をする。
「私がピトリの女王様よりいただいた魔力、それを使った魔法ですね」
「そうです、それならば少なくともこの世界から存在を消す事はできます」
『ふっふっふ、言うは簡単ではあるが、我を打ち消すほどの力を引き出すのは容易ではないぞ、私には古よりの魔法などは通用せんからな』
「それなら今ここであなたが知らない魔法をあなたにぶつけます」
エイムによる新たなる魔法、それはグレゴを打ち倒すのか?




