呼吸を合わせ
ジエイの放った新たな秘術火風台破塵はアルドの身体を覆い、アルドの身体を焼こうとしていた。
「ぐ、ぐうう……」
アルドはただうめき声をあげる事しかできず、やがてアルドを覆っていた火は消え、アルドはその場に倒れこむ。
「やったなジエイ、いつもは影に徹するお前にとっちゃあ大きい武功じゃねえのか」
「いえ、ブライアン殿がアルドを抑え、術を放つ隙ができたおかげです」
「この野郎、今回ばかりは少しは誇っていいんだぜ、前も言ったけど謙遜も過ぎると嫌味になるぞ」
「それはブライアン殿にも言える事です、私ではアルドの一撃を喰らっただけで致命傷でしょうからな、ブライアン殿の強靭な肉体こそ誇らしいです」
ブライアンとジエイの会話を聞いて、ルルーは抱いた疑問をブライアンにぶつける。
「ねえ、ブライアン、あなたがあえて囮や時間稼ぎに徹したのはジエイがあの術を使えるのを知っていたからなの?」
「いや、知ってたわけじゃねえ」
「え?」
「まあ、前にあいつの先祖は4属性を合わせた術を使えるって話していたし、それにかけるのがいいと思ってな」
ブライアンは以前、ジエイが4属性の術を先祖が使っていたという話を覚えており、今回の戦いはその術でアルドを倒すのが良いと考え、囮や時間稼ぎに徹していた事を話した。
「そうだったの⁉でも、もしジエイがその術を使えなかったらどうするつもりだったの?」
「それ以外アルドの野郎を倒す方法はなかっただろうし、ギンやエイムに託すしかなかったな」
「もう、相変わらず考えなしなんだから」
「ですが、ルルー殿、今回ばかりは私もぶっつけ本番でしたから、考えなしというなら私も同じです」
ルルーがブライアンに対し、いつものような叱る感じでなく憂いの表情で考えなしと言い放つとジエイも2属性の術はぶっつけ本番であった事を明かす。それに対しギンが驚きの言葉を放つ。
「何だって⁉お前も確信がなかったのか?」
「ええ、だから私もかけに出たのです」
「ブライアンはともかくまさかお前までがな」
「悪い影響を受けたようですね」
皮肉じみた言い方ではあるが、どこか笑みをこぼすジエイにギンも2人の呼吸が上手く合ったからこその勝利だと理解するほかなかった。
「ぐぐぐ……まさか、そ……のような……事で……この……俺が……負けるとはな……」
「アルド!」
アルドがまだ生きている事に驚きギンは臨戦態勢を取る。まだ戦いは続くのか?




