秘術を放て
ジエイの短剣を受けてもなお無傷なアルドにブライアンは楯を使用した突進でアルドに対し不意打ちに成功するが、それでもアルドに致命傷を与える事はできなかった。
しかしブライアンとジエイはアルドが長年剣技を磨くことによって得たかわすタイミングが遅くなっている事を指摘する。
その指摘を受け、アルドが反論する。
「確かにお前達の言うように俺がお前達の攻撃をかわせなかったのは事実だが、お前達はとんでもない思い違いをしている」
「何⁉」
「お前達も感じたであろうが、俺は元々丈夫な身体をしており貴様ら程度の攻撃では致命傷を負わせる事は不可能だ、その短剣はもちろん、その斧でもな」
「それを確かめるために短剣を放ったのだ」
アルドはブライアン達の武器では自身に致命傷を負わすのは不可能と断じるが、それの確認目的で短剣を放ったとジエイが言い放つ。
「何だと?」
「それにこちらにはまだ秘術がある、我らが連携すればお前を倒すことは不可能ではない」
「確かに貴様の秘術とやらは魔力障壁も意味をなさない代物だが、それで俺を倒せると思っているのか」
「ふっ、ならばお前に我が秘術の神髄を見せてやる」
次の瞬間ジエイはアルドの目にも止まらぬ速さで接近し、短剣を身体に突き刺し、すぐさまその場を離れる。
「バカめ、お前の武器程度では俺に傷一つつけることはできんぞ!」
アルドがそう叫ぶとブライアンが楯で身を守りながら再び突進するがアルドはすぐさま反応し、ブライアンの楯を手で止め、ブライアンに呼びかける。
「ようやく俺もこの身体の大きさに慣れてきたのだ、多少速度が落ちようともそう何度も不意打ちはつうじんぞ!」
「だろうな、じゃあ遠慮なく正面からいくぜ」
そう言ってブライアンは自分の斧で斬るというより叩く行為に出てアルドを一瞬ひるませる。
「くっ、殺傷できんとみて打撃技にきたか、だがそんなもんではどうにもならんぞ」
「へっ、俺達の罠にかかったのはお前の方だ、今だぞジエイ」
「承知」
ブライアンの声に反応し、ジエイは印を結ぶがいつもの結び方との違いにギンが気付き、疑問を口に出す。
「いつもの印の結び方と違う、俺達も知らない秘術があるのか⁉」
「私達が知らない秘術ですか⁉」
次の瞬間ジエイの右手からは火が放たれ、そして左手からは風が巻き起こっていた。
「火風台破塵!」
ジエイの放った火、そして巻き起こった風はそのまま螺旋状にアルドに向かっていった。
「な!ぐわあああ!」
アルドを焼き尽くそうとする強力な風と火、勝負あったか!




