呼吸を合わせて
ピッキーが城の石から生成した魔物はウィルの水の短剣を通さないほどの耐久力があり、ギンが魔法剣での破壊を訴えるが、ウィルは策があると言い放ち、ギンの行動を制止する。
ギンの行動が止まるとウィルは今度はミニルに呼びかける。
「ミニル、風の楯を一番速い速度で出してくれ!」
「まさか、それが策なの?でも多分私の風の楯じゃああの魔物を破壊するのは無理よ」
「そうじゃねえ!俺がその風の楯に乗って奴に近づいたら速度を一気に最高までしてくれ、その勢いで水の短剣で奴を斬る!」
なんとウィルはミニルの風の楯のスピードに乗った勢いで石の魔物を斬ると宣言するが、その提案にミニルが異を唱える。
「待って兄さん!最高速度でその楯に乗ったらすぐ振り落とされてしまうわ。そうなったら兄さんが隙だらけになってしまうわ」
「だったら振り落とされねえで奴の攻撃をくらわねえギリギリで最高速度にしてくれ、タイミングはミニルに任せる」
「そんな、私に兄さんの命を握らせるの……」
「ミニル、この戦いを終わらせねえと、俺達やミニルの仕事だって安心してできねえ、それが必要な人達の為に負けるわけにはいかねえんだ」
ウィルの強い言葉にミニルは一瞬黙り、そのミニルにヨナは声をかける。
「ミニル、ウィルはあんたを信じて速度を上げるタイミングを任しているんだよ。それにあたしもウィルがやられないようにあいつやピッキーをけん制するから」
「ヨナ……、分かったわ!兄さん、頼むわよ!」
「おお、任せろ」
ミニルはそのウィルの言葉を受けて、風の楯を作り、ウィルの側まで移動させるウィルがそれに乗るとミニルは楯を石の魔物の方向に動かす。
「はん、空中じゃ隙だらけじゃん」
ピッキーが攻撃を加えようとするがヨナが矢を放ち、ピッキーをけん制する。
「うわああ」
ピッキーが矢をかわすことに成功するが、ウィルは石の魔物に接近し、次の瞬間楯が最高速度まであがり、ウィルは水の短剣で石の魔物を切り裂く!
「やった斬ったぜ!」
そう言ってウィルの身体は楯から離れて宙に浮くがスピードを落とし何とかウィルの身体を風の楯で拾う事に成功する。
「ふう助かったぜ」
ウィルは安心するとそのまま楯から降りてピッキーに斬りかかろうとする。ピッキーも反撃を試みるがヨナの矢を受け、身体が動かなくなる。
「こ、これは……」
「しびれ薬だよ、あんたにも効くんだね」
「嘘、人間なんかの作ったものに、あたいが……」
「人間を甘く見過ぎたのがお前の敗因だ、覚悟しやがれ!」
「ああああ!」
ウィルの水の短剣、そしてウィルが父より譲られた短剣で斬られ、ピッキーは絶命した。




