孤児院に着いて
ルルーは魔族がリーザをさらった理由として強力な魔物の召喚及び使役が目的なのではないかとの見解を示す。
最悪の場合、かつて剣士と魔導士が力を合わせてようやく倒した邪龍クラスの魔物が召喚・使役されると今の自分達では手に負えない事も強調する。
一連の話を聞いたブライアンは更なる疑問をルルーにぶつける。
「しかし、何でリーザなんだ?いくら魔法の素養があるっていってもよ」
「エイムが言うように、魔力の波動が関係しているかもしれないわ」
「魔力の波動?」
「ええ、きっと何かしらの儀式には魔力がそれも人間の魔力が必要でその波動があったのがリーザさんじゃないかと思うの」
ルルーの発言を聞いてブライアンは更に尋ねる。
「じゃあ、もう1人必要な理由は?」
「今度は多分魔力の量の問題のはずよ。リーザさん1人分の魔力ではその儀式による目的が達成できないからだと思うわ」
ルルーの見解を聞いて納得したのか、ブライアンはこれ以上は聞くことはなかったが、ルルーはある不安を口にする。
「魔力を媒介にしてその儀式を行うということは、もしかしたら彼らより強力な魔力を持った魔族がいるかもしれないわ」
「私もそう思います。ブリック達は戦闘能力こそ高いですが、儀式に必要な膨大な魔力はありませんから」
エイムがルルーの意見に同調すると、ルルーが更に詳しい説明を始める。
「他者の魔力を吸い上げるには高度な技術と自分の魔力量も相応に多くなければできないの、きっと儀式を主導する魔族の存在がいるわ」
「そしてそいつは俺達が今まで戦ったブリック達より強敵である可能性がある、そういう事だな?」
「ええ、力は未知数だけどその魔物との戦いは避けては通れないわ」
ルルーはブリック達とは別に、儀式を執り行う魔物がいる可能性がある事を主張する。
更にその魔物は儀式だけでなく、かなりの強敵の可能性があり、戦いを避けられない事も強調する。
それからも馬車での移動は数日続き、ようやく、孤児院らしき建物が見えてきて、ギンが一同に声をかける。
「みんな、あれが例の孤児院じゃないのか?」
ギンの呼びかけにルルーがまっ先に反応する。
「多分そうだと思うけど、とりあえずここで馬車を停めて、ムルカ様と私が話をしてくるわ」
「頼むぞ」
ギンが馬車を停車するともう1台の馬車もその動きを見て御者が馬車を停車し、更にルルーとムルカはループの馬車から降りて、孤児院らしき建物に向かう。
果たして何かしらの手がかりをつかむ事はできるのか?




