食事の席で
リンド達が船で迎えに来るのを待つ必要があるのと、エンビデスの勧めもあり、ギン達はひとまずブロッス帝国本城に泊まっていく事となった。
ギン達は帝国から食事をふるまわれており、何やら和やかな雰囲気のようだ。
「あーーー!うめえーーー!」
「ちょっとブライアン、はしたないわよ。名目上とはいえ使者としておもてなしを受けてるわけなんだし」
ルルーの声が聞こえたカイスはルルーとブライアンに声をかける。
「いや、構わぬ、それだけ喜んでもらえると、こちらももてなしがいがあるというものだ」
「やっぱ皇帝ともなると心の広さも違うんだな」
「何よそれ?それじゃあまるで私が心が狭いみたいな言い方じゃない。大体あなたはね……」
ブライアンの発言が頭にきたルルーはブライアンに対して激しく抗議をする。
その様子を見たフィファーナが近くの席のジエイに声をかけている。
「しかし、あの冷静な聖職者があの男が絡むとどうも感情が表に出るようじゃ、やはり奴らは恋人同士ではないのか?」
「私には分かりかねますが、ルルー殿が違うとおっしゃったならそうなのでしょう」
「ミッツ教団にそのような戒律はないはずなんじゃがな」
食事中にギンはある事を思い出し、カイスに声をかける。
「そういえばカイス、反帝国同盟に敵意を持っていた国との同盟はどうするんだ?俺達と休戦するという事は今度はそこと敵対する事になってしまうはずだが」
ギンがカイスに対しぶつけた疑問をカイスに代わりエンビデスが答える。
「それについては私が答えよう」
「エンビデス?」
「ピトリに仲介を頼もうと思っている」
「ピトリに⁉それに仲介というのは?」
ギンの疑問に対しエンビデスがこの仲介の詳細について語り始める。
「ピトリに仲介を頼むのは我らが結んだ反帝国同盟の敵性国家、そしてプレツやスールといった反帝国同盟への加入国との国交正常化だ」
「しかし何故ピトリなんだ?」
「ピトリは魔族関係では我らと協力関係であったが、人間同士の戦争には反対であった。仲介役としてこれ以上に適した国はなかろう」
「しかし、簡単にピトリの話を聞くのか?」
ギンの疑問に対しカイスが言葉を発する。
「無論ピトリにだけ任せず我々もしっかりと訴えていくつもりだ。手のひらを返されたと思われるがそれでもやらねばならんのだ」
「ピトリ女王、そしてお前の平和への思いを無駄にしない為にも帰ったら俺達も魔族の根城の手がかりを掴まないとな」
それぞれが少しづつだが平和に向けて動き出す、やがてそれは大きな力となっていく。




