幸せを願う兄妹
ギンはカイスに対しプラナを任せられると告げ、さらに自らの友と言い放つ。その言葉を受けたカイスがギンに対し強く返答をする。
「ギン、絶対にもうプラナを悲しませも苦しませもしない。約束する」
「頼むぞカイス」
ギンとカイスがやり取りをしている中、プラナがギンに声をかける。
「兄さん、ありがとう。私の為に」
「プラナ、何度も言ったが。俺はお前に幸せに生きて欲しいんだ、今のカイスならお前を幸せにできる、そう思った」
ギンの言葉を聞いたプラナであったが、少し申し訳なさそうに話す。
「でも兄さん、兄さんは私の為にいろんな事をしてくれたのに、私は兄さんの為に何もできていない」
「プラナ……」
「だってそうじゃない、私が帝国の騎士だった時は兄さんや兄さんの大事な人の命を奪おうとしたし、帝国の騎士でなくなった後も兄さん達に助けられっぱなしで、何も兄さんに返せてない」
帝国の騎士だった頃にギンやその仲間の命を奪おうとした負い目、そしてギンに助けられたばかりで何も返せなかったと言い放つプラナにギンはそっと抱擁し、思いを語る。
「プラナ聞いてくれ、確かに帝国の騎士だったお前は俺にとっては許せない存在だった。だがお前が妹かもしれないとエイムから聞いた時に感情が複雑になりどうしていいか分からなかった」
「兄さん……」
「だけどエイムに言われて気付いた、どうしたらいいかじゃなく俺がどうしたいかが大事なんだって」
「それって……」
プラナに問われギンは更に言葉を続ける。
「俺がずっともう会えないかもと思っていた妹は確かにそこにいた、だから幸せに生きて欲しいんだ。俺はお前がそうしてくれればそれで十分だ」
「う、ううう……兄さん……ありがとう、兄さんの妹に生まれて良かった」
「俺もお前が妹で良かった、本当のお前がすごく優しく素直な子という事が分かって、本当に良かった」
「ううん、兄さんの優しさがそうさせてくれたのよ、兄さん、私の幸せばかり願わずに兄さん自身の幸せも見つけてね」
プラナもまた自分の幸せを願う言葉を聞いたギンは目を潤ませながら返答をする。
「ああ、約束する……」
「きっとできるわ、だって兄さんは私の兄さんだもん」
「そうだな、お前の為、いや俺自身の為にな」
「うん、うん、そうね」
互いの幸せを願うギンとプラナ、離れ離れにはなるが、心は繋がっている。この兄妹はそれを今日、強く実感したのだ。




