おわりに
小説を作ること以前の準備に始まり、物語の作り方から組み立て方、そして実際の執筆に至るまでを一通り語りました。わかりにくいところ、駆け足だったところもあったと思いますが、これにて『素人があえて伝えるすっごくユルい小説の書き方』講座は終了となります。
ダメなキュレーションサイトのように「いかがでしたか?」などとは申しません。
完全な入門者、初心者向けということで最低限の情報に絞りましたが、“素人”としての目線から最大限の手引きをお伝えしたつもりです。
これを読まれたあなたが実際に小説を書けるようになったかどうか、それは私にはわかりかねます。ですが本講座は型破りなようでいて、一応の小説の“型”は全て詰められています。
あなたが“書こうと思いたった時”が、“書けるようになった時”です。その時のための行程が、ここにありますから。
実際にあなたがこの講座をなぞろうとして、うまくいかなくても安心してください。
アメリカの作家、ジョシュ・カウフマンによると、「人が新しく何かを始めてから、まぁまぁ上手いとなれるまでは二十時間でいい」のだそうです。これは彼の言う四つのコツを元に練習した場合だそうですが、そこはあまり気にしなくても大丈夫です。
「はじめに」に習い、自動車の例えをもう一度出せば、全くの初心者が教習(実技講習)を経て、外を一人で走れるようになるまでは三十四時間。たったそれだけの時間、ゲームソフトを一本クリア出来るだけの時間さえあれば、人は若葉マークながらも立派な一人前として公道を走れるようになるのです。
まずは一日五分から十分、それだけで充分ですので書き始めて、二十時間から三十時間を目標に書き続けてみましょう。小さく小さく、息切れしないように、決して無理をしないように時間を刻んでいってください。
「まぁまぁ上手いとされる人」と「最高クラスに上手い人」の技術差は、数値化すると二十パーセントも無いと言われています。今は初心者のあなたも、書き始めてみれば自分の予想を遙かに上回る、そんな良い作品が書けることだと思います。
※ただし、カウフマン氏は「それに関係する本を読んだり、勉強をしたりしている時間は含まない」としています。私もあえて、実技講習の時間を例にしました。時間のカウントは実際の作業時間が目安です。
最後に、これを読まれ、小説の世界に足を踏み入れられたあなたへ――
決して答えの無い、創作の世界へようこそ!
講師は、千場 葉でした。
ご精読いただき、ありがとうございました。




