第八十四話「カロン・カルライナ」
「ようこそ勇者様。これが読めるということは貴方は勇者だ」
俺にはこの紙書かれていることが読めていた。
「クレスさん。俺、これ読めますよ」
「本当か!? アダム!?」
周りの皆も驚いている様子だった。
「是非ともこの文字に書かれてる文章を読んで欲しい」
俺はクレスの要望に応じた。
この紙に書かれている内容はこうだ。
”ようこそ勇者様。これが読めるということは貴方は勇者だ。
私の名前はカロン・カルライナ”
ここまで話した時に周りがざわつき始めた。
「カロン・カルライナってこのゲームの開発者の」
「まさか本当に彼がこの世界を作ったのか!?」
「皆、静かに!」
クレスのその言葉に周りは黙った。
そして俺に続けてくれと頼んだ。
”私はとある理由でこの世界を作ることになった。
元々私は君の世界の住人ではない。
私の世界では魔法を使えるのが当たり前で、
私の魔法は突出して凄かった。
ある日、私の世界が破滅の危機に陥った。
そのために私は勇者を必要としていた。
詳しくはイリジャ遺跡の石版に内容が書かれているのでそこまで向かってもらいたい”
「以上です」
「やったな、アダム! これは大きな進歩だ!!」
クレスはとても嬉しがってる様子だった。
「皆、さすがに全員は無理だな。アダムを含めた数名ほど僕とイリジャ遺跡に向かってもらいたい」
クレスのその言葉に数名ほど手を挙げた。
「そうと決まれば明日の朝、出発だ!」
”クレス>>アダム:アダム。ちょっと話がある”
クレスからダイレクトメッセージが届いた。
話?
イリジャ遺跡に関してだろうか?
俺はクレスに促されるままSSS本部の外へ出た。




