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二層㊱ 議会

 フリジ議会。


 今ここでは剣帝、魔導、聖女、法王、国王が軒を連ねて集まっていた。

 最高権力者が集まっているのもあって、議会場は重苦しい沈黙と緊張に包まれていた。

 紫煙を吐く法王のウラヌスを除いて皆一様に、五剣帝の長であるニルヴァーナが提出した資料に目を落として、考えるような顔をしている。

 ニルヴァーナはウラヌス以外の一同が目を通したことを確認すると沈黙を破った。


「どうでしょうか? 矜持の勇者と不破のミカエル以外は寄せ集めですがいい者が集まったと自負していますが」


 ニルヴァーナがそう言葉を投げかけると、ウラヌスが鋭い目つきで睨み付けた。


「淑女にそんな目で睨まれるとは……。 何か不手際が?」


「何か? 二人以外のすべてが不手際だと思いますが」


 とぼけた様子のニルヴァーナに対して、さらに苛立ったのかウラヌスは慇懃無礼な口調で詰り始める。


「低知能のアホ共が迂遠なやり取りなどするな。伝えるべきことを伝えろ」


 そのやり取りを見た六魔導の長であるトールが苛立ちを隠さずに不平をこぼす。

 そうするとニルヴァーナが真顔で、ウラヌスがうすら寒い笑みを浮かべてオーディンを凝視し始めた。


「ごめんなさい、帰っていいかしら」


 その様子を傍観していた聖女ガイアは、ついに我慢の限界を迎えたように大きなため息をつくとそう切り出した。

 国王ガブリエルは一同を冷めた眼差しで見つめるとここに来て初めて言葉を述べた。


「君たち落ち着こうか。我々は協力せねばならないのだから。小競り合いなどせずに仲良く話し合おう」


 すると気色ばんでいた一同は国王に目を向け睨み付けたまま再び沈黙した。


「黙るなよ。話合ってくれていったのに。君たちに出資しているのは俺なんだからもう少しサービスしてくれてもいいとおもうんだけどな」


「ガブリエル、あんた、そういう現金なことを言う奴は嫌われるよ」


「ウラヌス気にするなよ。俺は嫌われたところでどうとでも出来るんだから」


「相変わらず肝が据わってますね、ガブリエル様」


「嫌われてい良いのならそっちの異端研究の成果をワシの国で大々的に発表してくれ」


「断る。トールのじいさんそれとこれとは別だ。あとニルヴァーナは冷やかすな、うっとおしい」


「嫌ね。なんでここてこんなに性格の悪い人しか集まってないのかしら」


「ガイア、安心しろ。君も性格の悪い人間の一人だ」


「神から託宣が下りました。ガブリエルあなたは地獄に落ちます」


「虚偽報告はやめてくれ。俺は不幸にした人間の五倍以上は幸せにしてる。天国行きは確約だ」


「いえ――」

「黙れ。喜捨の量を減らすぞ、メスガキ。ウラヌスお前ももうガキじゃないだろ。下の奴の教育もしっかりしてくれ」


「しっかりしてるよ」


「真っ当に育ってた上で俺に暴言か。嫌味を言ってくれるじゃないか。あまり俺を不機嫌にさせないでくれ。お前の教会が干上がることになるぞ」


 ガブリエルは一通り一同と言い合うと空気を換えるように空咳をした。


「諸君愉快でイカレた言葉のキャッチボールは終わりだ。十分に舌は回るようになっただろう。さて本題に入ろうか。ニルヴァーナは詳細説明を頼む」

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