七層60 ビックバン
えらくチカラ強そうな形に変形した奴を見ると案の定こちらに向けて、大きな手を下ろしてきた。
避けると何故か体のベルトと矢筒が奴に向けて引き寄せられた。
ベルトについては体に固定されてるのでほっとけばいいが,矢筒については背中に背負う形で固定されていないので掴んで吸い込まれないように対処しなければならない。
矢筒を掴み,矢が吸い込まれないように上から矢を押さえつけていると一本押さえが足りなかったようで奴のもとに行った。
矢が鉄の矢印を基軸に奴の手にくっついたところを見るとどうやら奴の腕は主に鉄系統ののものを吸い込んでいるようだ。
「くっ! 俺のマイサムが!」
グラシオの叫びが聞こえ、奴のブツは鉄製だったのかと喫驚するとグラシオの大剣が吸い込まれて行くのが見えた。
面白半分で見たので残念な気もしたが、漢としても人間としても再起不能にならなくてよかったと心底安堵した。
敵と戦いながら不能になったグラシオを慰めるなど火を見るよりも困難なことはわかり切ったことだ。
心配も消えたことだし、奴に向けて攻撃を仕掛けようかと思うと
「グラシオさん今こそ我々の研究成果を見せるときです!」
ファイルの嫌に張り切った声が聞こえた。
「そうだな! 今こそそのときだ!」
何か嫌な予感がする…。
「「ボンバースライムビックバーン!!」」
奴らのハモった声が聞こえると共に俺は緊急回避に入った。
走って地面にダイブすると熱い風が頭上を抜けて行くのを感じた。




