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七層33 御宅
心臓を矢が貫き、胸から血を吹き出した。
その時点で確実に絶命したと思ったが、奴の血の量がいきなり少なくなったことで確信が揺らいだ。
見ると血の痕が残っているだけで傷が塞がっている。
おそらくこれも呪具の効果だろうか、反撃に備えるために奴に向けて矢を番える。
「それ以上近づくと即死の呪いが発動する。頭が使えるようであれば近づいてこないことだ」
ーー対象の精神強度が下がりました。
ーーラーレス・クリンベトン精神強度LV1
ーーメンタリズム発動
『クソ、体に負担の大きい可逆の呪いを発動させたせいで反動で動けん、なんとか凌がねば』
「どうやらこれで積みみたいだな。エリアこいつの呪いを解除してくれ」
そう呼びかけると奴の額に汗が浮かんだ。
「呪いが定着しとらんのに、解除させるだと私を殺す気か貴様!」
「もう完全に敵対してるのだから当たり前だろ」
俺が抑揚をなくした声でそう告げると奴は呻いて、口を八の字に曲げた。
「私はおまいらの知りたい情報を持っている。私を殺すことの損失をよく理解するがいい」
奴の御宅に付き合っていたら思いもよらないものが転がり込んできた。




