六層62 黄金
でかいクマが目の前に現れた。
他のクマとは格が違うのをアピールしているのか頭には琥珀の嵌まった木の冠を被っている。
「デカイな、これでこいつをやれるのか」
距離を稼ぐついでに回収したエリアの十字架とでかいクマを見比べる。
面積的に攻撃しても小石をぶつける程度のダメージしか入りそうになさそうだ。
「無理でしょうね、教会の方で大量に余ってるようですしね」
ファイルはそう言うと教会側に手をかざす。
すると教会側にあった金の塔が縮み、代わりに大きな金塊が放射状に広がるように目の前に現れた。
錬金術ってのは便利なもんだ。
ゆうにクマの足一本分くらいの量はありそうだし、これを使えばあっという間に倒せるんじゃなかろうか。
「皆さんが使いやすいように最適化お願いします、グラシオさん」
「任せとけ! 朝飯前だ!」
グラシオはファイルが持ってきた金塊の一つを受け取ると武器としての形を整え始めた。
「はい! はい! はい!」
見るも止まらぬ速さで各自に黄金の武器を作り上げると今いるメンバーに配布する。
俺も黄金の弓と矢を受け取ると試しに弓を引いてみた。
長さ、張り、どちらとも至適だ。
作る中でちゃんと俺用に調整も入れたようだ。
これならば常の弓と同じように打てる。
やはり鍛治師がいるとその場で武器を整えることがでくるので助かる。
先ほどの祈りで浄化のチカラが宿っているので、あとは奴に向けて攻撃を行うだけだ。
「grrrrr!!」
こちらの準備が整うとクマの方も完全に本調子になったのか、こちらに向けて方向を放つと背後に携えた大きな翼から羽を射出した。
数が多かったので結構厳しかったが俺は全ての羽を矢で弾いた。
羽が通用しなかったことにクマは激昂したのか、赤い目を憤怒の色に染めてこちらに突撃してきた。
グラシオがすんでで避けて足に黄金の大剣を突き刺すと前のめりに倒れつつもう一方の足を横なぎに振るう。
「すいません、遅れました」
それをアイリッシュが聖剣で止め、もう一方に持った黄金剣で足を切り落とした。
片足になったクマがバランスを崩して倒れるといつの間にいたのかイルマスとリッチャンがいた。
イルマスが黄金のナイフで身体を切り刻むとリッチャンが倒れてきたクマの顎に拳を放つとクマは瘴気の塊に戻った。
それを狙いすましたようにファイルが瘴気を金で覆うとエリアが浄化を発動した。
白い鎌が至る所から飛び出ると金の覆いが剥がされる。
そこには瘴気はひとかけらも残さずに消えていた。




