211/375
六層44 笑
星を消失させたことの報告。
それから星が何やら怪しいものであったようなのでそれについての問いただすこと。
その二つを実行するために我々は教会に訪れていた。
相変わらず絢爛豪華な礼拝堂の最奥でもシスターは十字架に背を向ける形で祈りを捧げていた。
ひどく罰当たりな祈り方だ。
まるで自分の信じるものはそれではないと大々的にアピールしていると見えないこともない。
「皆さん、お帰りですか。星は見つけていただきましたでしょうか?」
シスターは低く小さな声でこちらに語りかけていくる。
普通は聞こえないはずだろう声量のはずなのだがちゃんとこちらの耳に聞こえているのが不気味だ。
「ああ見つけたが、ご乱心だったから仕方なくその場で処分したよ」
「そうですか」
言い訳を言ってもしょうがないのでシスターに素直に伝えると特に何でもないことのようにシスターは答えた。
「お星様がお前たちにとって大事なものだろ。なのにひどく落ち着いているな」
「だって呪いをばら撒いて引き寄せるものだけのもものですもの。無い方がいいに決まってます」
「あんた笑うんだな」
シスターが吐いた言葉よりも奴が浮かべた笑顔の方が意外で思わずそんな言葉が出る。
「ええ、この層にいる全ての人間に呪いを刻めたのですもの。私にとってこれほど嬉しいことはありません」




