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僕の彼女は静かで優しい女の子だった  作者: ルイ シノダ
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まだ残暑は厳しい


 あっという間に一か月間が過ぎ夏休みが終わった。バイトを入れたおかげでどこにも行けず、紗耶香と京子さんとのデートで終わった。


でも少しだけだけどお財布に余裕が出来た。欲しい参考書が買えるし紗耶香にプレゼントも出来る。


 紗耶香には正直に柏原さんとの夕食の話をしたら、大分怒っていたが、彼女の気持ちも分かると言って許してくれた。ただし、絶対食事だけと厳しく言われたけど。

 

 俺も柏原さんはあくまで高校の知合いで大学とアルバイト先が偶々一緒だと割り切っている。


 大学の授業も始まった。俺の履修予定は知らないはずなのになぜか柏原さんと綾乃が一緒に授業を受けている。

 俺の頭の中って読まれ易いのだろうか?



…………。




 私遠藤幸子。今一条さんと岩崎さんと一緒に授業を受けている。でも一緒になる授業は不確定。だから私は二人と一緒にサークルに入る事を提案しようと思っている。

 そうすれば岩崎君といれる時間も長くなる。


午前中の授業が終わった昼食時間


「ねえ、一条さん、サークルに入らない?」

「サークルですか。なんの?」


「温暖化よる経済への影響を考えるってサークル」

「私には難しすぎて無理そう」

「そんな事ないわ。名前は固いけど経済ってなあにを考えるサークル。授業の補助にもなるかなって思って」


「うーん、ちょっと考えさせて」

「うん、いいわよ」


「あのそれ俺も入っていいですか。なんか勉強になりそうだから」

「もちろんよ。ねっ一条さん?」

「えっ、私はどちらでも。岩崎さんの考えで」



 その日の夜、私は明人に電話した。

『ねえ、明人。一緒に授業を受けている遠藤さんからサークルに誘われている。どうしようか』

『なんのサークル?』

『温暖化よる経済への影響を考えるってサークル。授業の補助にもなるからって』

『なら良いんじゃないか』

『明人がそう言うなら』


『いや紗耶香が入りたくないなら入るの辞めれば。無理しなくていいじゃないか』

『でも…遠藤さんとの事考えると』

『じゃあ入ったら』


『明人もっと親身に考えて!』

『ごめん』


 結局私はサークルに入る事に決めた。授業の補助が目的だ。実際に入ってみると全体としては十五人位いるらしいが、いつも十人位の出席だとサークルを立ち上げた人が言っていた。

 

 サークルは不定期で開催時はスマホのグループチャットに連絡が入る。今日は午前中の内に開催連絡が来た。


「一条さん参加できるでしょ」

「ええ、大丈夫です」

「岩崎君は?」

「大丈夫です」


 午前中の授業が終わると私は明人にメールした。

『今日サークルがある。終わったら連絡するね』

『了解』

 直ぐに返事が返って来た。嬉しい。


 授業が終わり三人でサークルに参加した。



…………。




 それから何回かサークルに参加した。

参加した当初は難しかったけど、今は何とかついて行ける。確かに少しだけど授業の補助にはなっていた。


 サークルが終わるといつもその後、ラップアップという事で飲み会がある。私は未成年だし、そういう所は好きじゃないので参加していない。


今日も誘われたけど丁重に断った。遠藤さんと岩崎さんは行くらしいけど。




 そんな日が続いたある日、サークルが終わった後、遠藤さんが

「ねえ、一条さん、偶にはラップアップ参加しない?」

「いえ、結構です。あまりそういうのは好きじゃないので」

「でも、偶には参加しないと。せっかくサークルに入っているんだから。今後の人間関係作るには良いわよ」

「でも…」

「そうですよ。一条さん、先輩達と人間関係作っておけば、今後が楽ですよ」

「ちょっと、待って下さい」


 私は、チャットメールで

『今日サークルの後、ラップアップに参加する事になった。終わったら連絡するね』

『了解。無理しないで』

『うん、分かった』

 ふふっ、明人は直ぐに返信してくれる。嬉しい。


「遠藤さん、参加します」

「あれ、なんか一条さん嬉しそうね。あっそうか今彼とチャットしてた」

「どうですかね」



 参加してみるとやっぱりお酒の会だった。遠藤さんと岩崎さん以外は顔は知っているけどって人達。


 色々な人が話しかけて来た。ウーロン茶ばかり飲んでいると

「一条さん、これもウーロン茶だけどちょっと違うの。飲んでみて」


 私は分からないままに口にすると

「うっ、ちょっとこれって」

「うん、アルコールが少しだけ入っているけど、飲み易いでしょう」

「私にはちょっと。それに未成年だし」

「まあいじゃない。岩崎君、そのグラス一つ取って」

「はい」


 私の前にウーロンハイという飲みものが置かれた。私のウーロン茶はどかされてしまった。


 飲まずに我慢しているけど、話をしていると喉が渇いてしまう。つい少しだけと思い飲んでしまっている。


 飲み会も終わりの時間になる頃、大分体がふらふらしていた。まだ体は歩ける程度にはしっかりしている。


 でも歩いている内に酔いが回ってきたようだ。少しよろけてしまった。不味い。


「大丈夫一条さん。ごめんなさい。こんなに酔うなんて。マンションまで送って行く。一条さん何処住んでいるの?」

「大丈夫です。一人で歩けます」

「でもそんなにふらふらだと不味いよ。変な事にもなりかねない。送るよ」


 実際一人で歩くのは厳しかった。

「すみません。じゃあお願いします」

「うん、一緒に歩いていれば問題ないね。住まいは何処なの?」

「この街です。一緒に歩いて下さい」


「凄い。岩崎君も一緒に」

「えっ、でも俺は」

「酔った女性二人で夜の街を歩けというの君は」

「分かりました」

 岩崎さんは来なくていいのに。



…………。


 いつもなら紗耶香から午後六時前には連絡が来るのに今日は来ない。サークル後のラップアップに参加すると言っていたから遅くても午後八時には連絡が来ると思っていた。


 もう午後九時だ。こちらから連絡しても出ない。おかしい。紗耶香に何かあったんだろうか。明日朝早く彼女のマンションに行く事にするか。



 俺は紗耶香が心配で朝六時過ぎにはアパートを出た。


―――――

 

 未成年に対するアルコールの強制は違法です。

 作品の流れ上未成年にすすめている場面がありますが、ご了承の程お願いします。


 紗耶香ちゃんきちんと帰れましたかね。


 読者の皆様へ

 本作品の予約投稿がすべて完了しました。最終話は九十二話になります。

 最後まで読んで頂ければ幸いです。

 

次回をお楽しみに

 

面白そうとか、次も読みたいなと思いましたら、ぜひご評価頂けると投稿意欲が沸きます。

感想や、誤字脱字のご指摘待っています。

宜しくお願いします。





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― 新着の感想 ―
[一言] いや、これやってたら自殺もんだろ紗耶香
[良い点] まあ、もし何もなかったとしても疑われて仕様がないパターンかな。ただ心配なのは紗耶香のレイプのトラウマが再発すること。遠藤に関しては、過去の件を知ってたらこんなことしてはいけないのに。これは…
[気になる点] 沙耶香、やってしまったパターン?明日も楽しみです。
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