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反撃

「グゲゲ」


下卑た笑い声を上げて、ゴブリンが跪く叡嗣の前に立ち、棍棒を振りかぶる。


「グゲッ!」


いざ振り下ろさん。

ゴブリンがそう思った瞬間、その身体は両断された。

腰の辺りで両断されたその身体は上半身から崩れ落ち、血飛沫を上げながら遅れて下半身も崩れ落ちた。


「ゲガ!?」


なにが起きたのか、そんな心中を表すように叡嗣を取り囲んでいたゴブリンは困惑した声を出す。

そして、少ししてなにが起こったのか、叡嗣が剣を振り切っているのを見て理解し怒りを露わにする。


「グゲゲッ!グキャガガガゲ!」


”お前!よくもやりやがったな!”、そんなニュアンスだろうか。

喧しい声で叫び、飛び跳ねながら威嚇をする。

きっと、少し前の叡嗣なら多少は恐怖しただろう。なにせ、彼らの同族に殺されかけたのだから。


だが、今となってはそういった感情は無くなっていた。


「なにを言ってるか、わかんないよ」


そう言い、叡嗣は立ち上がる。


もう殺しに躊躇はしない。

そう意識を切り替えた叡嗣とゴブリンの戦いは先程とは真逆の立場での一方的なものへと変わっていった。






そもそも、ゴブリンというモンスターは冒険者になれば最初に討伐するような、そんなモンスターだ。

その多くは、成人男性並みの力を持ち、粗末なナイフや棍棒といった貧弱な装備をしているが、知能は小さな子供くらいに著しく低い。だが、そんなゴブリンでも戦闘系スキルを持たない人間よりは強いわけで、多くの被害がでる。

しかし、戦闘系スキルを持っている人間なら……楽勝とはいかなくても余裕を持って倒せるわけで。

Lv.Ⅴの【剣術】スキルを持つ叡嗣なら、一度やる気になればゴブリン達に太刀打ちできるはずも無かった。


「ふっ!」


地面すれすれの高さから一気に切り上げ、ゴブリンを両断し、その剣の勢いそのまま身体を回転させ後ろのゴブリンへ振り下ろす。


時間にして1秒と少し。

叡嗣は3体いたゴブリンの内2体をその短時間で屠った。


レベル1である叡嗣がなぜこうまで簡単にゴブリンを倒せたのか。その理由はいくつかあるが、その前にレベルとはなにかというものを話さなければならないだろう。


この世界におけるレベルとはその者の格を指す。

高ければ高いほど、その者は強く、周りから敬われる。そういうものだ。また、レベルが上がれば個人差こそあれ、その身体能力も上がる。それが、高レベル=強者という公式を作っている所以だ。

では、その理論で考えれば弱者……それも最弱のレベル1である叡嗣はなぜゴブリンを倒せているのか。疑問に思うことだろう。

ゴブリンが弱い。それも勿論そうだが、だからといってレベル1で容易に倒せるかというとそういうわけではないし、ゴブリンにも個体差はある。

なら何故か。

理由の1つとしては、叡嗣の身体能力が高いというものが上げられる。細かい話は省くが、叡嗣の今の身体能力はLv1にして既に戦士であるガイと同等以上のものがある。

それはつまり、一人前の冒険者と同等のちからをLv1で持っているということだ。勿論、一人前の冒険者の身体能力が低いわけではない。例え話をすれば、一人前の冒険者であるガイが100mを全力で走れば10秒前後しか掛からず、ウェイトリフティングをすれば200kgを簡単に持ち上げる。地球の各種目の一流アスリート並みの身体能力を平均的に有していると言えばわかりやすいだろうか。


次の理由だが、叡嗣はそもそも【剣術】スキルのレベルが高いのだ。

叡嗣は知らないが、この世界におけるスキルのレベルは最大で10。中にはそれ以上もあると主張する者も存在するが窓で確認された最大レベルは10だ。

そんなスキルレベルの中で、叡嗣はLv.Ⅴの剣術スキルを所持している。ガイの剣術スキルレベルが2なのを踏まえれば、そのレベルが高いのがわかるだろう。

スキルレベルが、【剣術】をどれだけ扱えるかその指標となるのなら。高いレベルを持つ叡嗣が、低レベルのスキルしか持たないゴブリン相手に苦戦するはずもない。

そして、スキルにはレベルが上がるごとになにかしらの特典──技を習得したり、能力が向上したり──があるのはギークの説明にもあったため、知っているだろう。

今回作用しているのは【剣術】スキルのLv.Ⅲで獲得できる能力《鋭利化(シャープネス)》、《腕力強化》の2つだ。どちらもパッシブ、つまり常に発動されている能力だ。その発動を叡嗣が気付いているかと言われれば否だが。


それはさておき。


高い能力に、スキル由来の特殊能力。

それが相まって、叡嗣は低レベルであってもゴブリンを圧倒することができている。


そうして、叡嗣の前にいた最後の一体も命の火を消した。






叡嗣はふう、と息を1つ吐く。

掛かったのは短時間だが、それでも3つの命を奪った。

いくら覚悟ができたといっても、そのことに対して感傷的になるのも仕方ないことだし、許されるべきだろう。


しかし、だ。

今ここは戦いの場である。

そんな余裕を見せられるような場所ではない。


叡嗣は、剣を構える。


その周りには6体のゴブリン。

その装いは粗末だが剣を持ち、毛皮の鎧を着けている。

このゴブリン達はゴブリン戦士(ウォリアー)。その位階としては叡嗣が斃したゴブリンの2つ上に存在する。


「ゲギャギャ!」


ゴブリン戦士の叫び声によって、再び戦いの火蓋が切って落とされた。

下のとこから評価よろしくお願いします!


修正 旧【今回作用しているのは【剣術】スキルのLv.Ⅱで獲得できる能力《鋭利化(シャープネス)》、《腕力強化》の2つだ。どちらもパッシブ、つまり常に発動されている能力だ。】

   新【今回作用しているのは【剣術】スキルのLv.Ⅲで獲得できる能力《鋭利化(シャープネス)》、《腕力強化》の2つだ。どちらもパッシブ、つまり常に発動されている能力だ。】


剣術レベルをⅡからⅢに引き上げました。


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