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ちょっと未来の話 アボット元公爵

コミックの方で死ぬほど苦労してる時期なので、マシな時期の苦労人が登場! まあ内乱終わるまでずっと苦労しっぱなしになるんですがね(*'ω'*)

「ふう……」


 サンストーン王国王都で一人の老人がお茶を飲み、ほっとしたように息を吐いた。

 毛髪がほぼなく、顔には今までの苦労が刻まれた皺がある。

 流石に爵位も子に譲った隠居の身だが、背はきちんと伸び、貴族の中の貴族と称えられた男の威厳と柔和さを併せ持っている姿は一種の芸術だ。


 名をコーネリウス・アボット元公爵。

 死ぬまで現役貴族は色々と洒落にならないため、重荷を一つようやく降ろせた苦労人であり、後世でよく陰謀論の中心に据えられる人物だ。

 尤も隠居の身だろうが心配事は常に積み重なっている。


(クラウス王太子のスキルが【秀才】でよかった……本当によかった……)


 最近、晴れて十歳の誕生日を迎えた王太子クラウスのスキル鑑定が行われたのだが、サンストーン王国で発生した奇妙な内戦の当事者貴族は、頼むから神の名が付くスキルだけは勘弁してくれと思っていた。


『普通のスキル……普通のスキル……普通のスキル……!』

『神スキルは駄目……神スキルは嫌だ……どうかお願いします!』

『神様、本当にやめてください……! なんならスキル無しでも自分達が盛り立てますから!』


 このようにいい歳をした貴族達が、不敬極まることに神スキルを王太子に与えないでくれと神に祈る事態が当たり前になり、もしこれで神官が、神スキル! と宣言したら、泡を吹いて倒れたことだろう。

 それだけ【戦神】と【政神】の争いとごたごたは彼らのトラウマで、もう二度と経験したくない出来事だった。


 残念ながら真実は、彼らの望みを大きくかっ飛ばしている。

 元々母親であるレイラが【全能】なんて訳の分からないスキルを所持している上に、王太子クラウスのスキル【?知?能】は人間の理解の範疇を超えたものだ。

 それは乳幼児のクラウスが、消滅するしかなかった【無能】を壊れたシステムから切り離し再構築した程で、全盛期の神すらぎょっとするような力を秘めている。


 勿論そんなものを表に出せる筈はなく、レイラの手で念入りに隠蔽されているクラウスは【秀才】というありきたりな才能スキルだけが示され、アボットを含めた全員がほっとしていた。


(王太子殿下には兄としての自覚があり、ご両親の威厳も合わさっている。もうあのようなことにはなるまい……)


 父に似つつも母の異様な美しさと威厳を受け継いだ王太子は、後年で不仲の代名詞になる前代のサンストーン王国三兄弟の仲とは違い、きちんと兄として振舞っている。

 これなら妙なことにならず、サンストーン王国も安泰……とだけ考えていいのは末端の貴族だ。


(た、多分、つ、次の王妃、うちからだ……)


 思わずアボットは白目を剥きそうになった。

 十歳なのにもう溢れんばかりのカリスマを備え、一部では神の生まれ変わりではと噂されている王太子の結婚相手はかなり限られる。

 しかし隣は論外。若干遠くのかつて王政同盟を結成した国々は全く頼りにならないことが証明され、更に遠くになると王妃を迎える価値が無い。

 そのためクラウスは奇妙な内乱が終わった後の代だから、国内を優先して公爵家から王妃を迎えるのは十分にあり得る選択肢なのだが……。


 三公爵の中でレオ派でもなくジュリアス派でもなく、王と国家に仕えているスタンスを崩さなかったアボット公爵家から王妃を出すのが最適なのだ。


(そうなると……)

「ひいお爺様、アリアです」

「入りなさい」


 アボットが思考に耽っていると、思い浮かべた通りの人物がやって来た。


 ふわりとした長い金髪と、きらきら輝いている青目の少女の名はアリア。

 アボット公爵家の血脈に連なる者で、唯一クラウスと年が近い女である。


「どうした?」

「ひいお爺様のお顔が見たくて参りました」

「はは。そうか」


 穏やかなアリアがふんわり微笑むと、つられてアボットも笑ってしまう。


(もし想像通りのことが起こったとして……王妃を上手くやれるだろうか……)


 だがその心の中で、元公爵の思考は止まらない。

 名が轟いている常勝王ジェイクの長男、王太子クラウスと結婚すれば、並大抵ではない重圧がのしかかるだろう。

 が。


(いや、大丈夫かもしれん……)


 忙しかったため直接アリアと話す機会はそう多くなかったアボットだが、それでもきちんと把握していることがある。


「どうしました?」


 近い将来、王妃レイラに昼寝をしている時のジェイク並みに図太いと称され、ジェイクの幼少期を思い出した【無能】が、体もないくせに過呼吸を起こしかけるほど爆笑する原因の少女は首を傾げる。


 まだこれからもかなり長生きして世間を驚かせ、内乱さえなければ三百年くらいは生きたんじゃと言われる元公爵のひと時だった。

別にストラテジー系の作品書いてますが、ちょこちょこ無能ワールドだったら的なご感想をいただくのでこちらに記載。


レイラ・自文明の全産出を倍。

エヴリン・かなり短い周期で金銭が倍に。もしくは他文明の国庫が半分になる。

リリー・破壊工作を完全防御。こちらが行うものは確定で成功。

イザベラ・全他文明の秘匿情報を入手。

アマラ・全他文明と交渉で有利な外交チャンネルを保持。

ソフィー・一定確率で他文明の行動を未来予知。

【無能】・敵対文明の全産出が半分。

クラウス・とにかくなんでもうまくいく(ふわっとし過ぎ)

ジェイク・こいつがいないと機能しないものとする。


修正待ったなしのアホ文明、サンストーン王国!レイラと【無能】による産出倍と産出半分の暴力に震える。(断言)(*'ω'*)


挿絵(By みてみん)

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― 新着の感想 ―
この世界だと敵国視点全部のデバフ入ってる状態なのほんと草
他国は破産するんじゃないかな!? まあ破産が無くても予算を使う行政システムがヤバイ
レイラとジェイクと無能だけでも4倍の差が出るのに、エブリンで金は16倍の差になって、ただでさえ秘匿情報を全抜きしてるのに有利対面から外交スタートして事前情報の予知があるのに、失敗しても破壊工作で挽回可…
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