第92話 鑑定
前回の鑑定で俺は『スケルトン種のなかの最上位種』のうえ『現在、次の進化先はない』と出ていたから、おそらく進化はしないのだろうが、一応確認のため進化の祭壇の石柱の文字にガントレットをはずした手を当てた。
やはりというか、何も声は聞こえてこなかった。これはこれで仕方がない。
『残念だが、俺は進化できないようだ。それじゃあ、「闇の神殿」で礼拝してから拠点に戻って鑑定しよう』
「はーい」「はい」
『闇の神殿』にまわり、いつもの礼拝をして、拠点に戻って来た。大広間の真ん中に立つ鑑定石に三人揃って、
『それじゃあフェアから鑑定してみようか。アズラン、フェアを鑑定石の上に立たせてくれ。それで、文字に触って鑑定してみてくれ』
「フェア、この石の上に立っててね」
アズランがそういうと、すぐにフェアが鑑定石の上に飛んで行ってそこにちょこんと座ってしまった。
「それじゃあ、フェアの鑑定結果です。
<鑑定石>
鑑定結果:
種族:プレーン・ピクシー☆
種族特性:小型で敏捷。四枚の羽で飛行する。
次の進化先:不定(進化までの行動に左右される)」
やっぱり、ピクシーだったようだ。可愛けりゃそれが正義だ。アズランについていれば、そのうち進化するんだろう。
そのあと、コロも鑑定してみたが、進化はまだで、ブラック・グラトニーの幼体のままだった。
『それじゃあ、アズラン、今度は自分自身を鑑定してみてくれ』
「はい、
<鑑定石>
鑑定結果:
種族:アズール・ハイネス(蒼き至高)
種族特性:ハーフリング系統の最上位種。圧倒的な俊敏性と速さを持つ。魔法に対して非常に高い耐性をもつ。ハーフリング種はアズール・ハイネスの言葉に逆らうことはできない。
次の進化先:☆☆☆☆☆」
ハーフリング種がどれだけ世の中にいるのか分からないが、これはハーフリング種の女王になったってことだな。
『次はトルシェ、いってみよう』
「はーい
<鑑定石>
鑑定結果:
種族:グウィン・ハイネス(白き至高)
種族特性:エルフ系統の最上位種。魔法に対して圧倒的適性と絶対耐性をもつ。エルフ種はグウィン・ハイネスの言葉に逆らうことはできない。
次の進化先:☆☆☆☆☆」
こっちはこっちでエルフの女王になったようだ。
最後に俺も、何かのはずみで進化先が出てきてるかもしれないと思い、鑑定石に手をやった。
「
<鑑定石>
鑑定結果:
種族:オブシディアン・スケルトン・ナイト
種族特性:非常に強靭。力、素早さ、巧みさが圧倒的。スケルトン種のなかの最上位種。職業ダーク・ナイトの力で鎧と一体化した結果、鎧を体内に収納することも、収納した鎧を装着することもできる。その際付属の武器も体内から出し入れされる。鎧を装着した場合の防御力はほとんどの物理攻撃・魔法攻撃から装着者を守る
次の進化先:☆☆☆☆☆
職業:ダーク・ナイト
職業:ダーク・ナイト:鎧と一体化する」
俺にも、次の進化先が現れた。
次の進化先が三人とも同じ☆☆☆☆☆となっていたところを考えると、☆☆☆☆☆は種族系統そのものが変わるのかもしれないな。これは期待が持てる。
『次は宝箱だ、それじゃあ、トルシェ頼む』
トルシェが『収納キューブ』から宝箱を取り出した。銅が4個、銀が1個。
「それじゃあ、最初に銅の宝箱」
<鑑定石>
鑑定結果:
名称:宝箱
種別:銅
特性:施錠されていない。
「罠の類はないみたいだから、開けてみますね」
トルシェによって開けられた宝箱の中には、おがくずのような詰め物と一緒に白い陶器でできた小さな壺が入っていた。
「何だかわかりませんから、鑑定してみます」
<鑑定石>
鑑定結果:
名称:薬瓶
種別:カダンの傷用塗り薬
特性:大抵の傷は治るが部位再生は出来ない。
「カダンって実在したんだ!」
『カダンてなんだ?』
「伝説の錬金術師と言われていた人で、凄い薬を作って貧しい人にも分けてあげてケガや病気を治したっていうおとぎ話の中に出てくる人なんです」
『俺たちにはあまり必要じゃないかもしれないが、かなり高価なもののようだな』
「おそらく、これだけあれば金貨100枚、200枚ってことはないと思います」
「お金はいいとして、もしもの時があるかもしれないから、トルシェが持っててくれ」
「了解しました。それでは、次いってみます」
<鑑定石>
鑑定結果:
名称:宝箱
種別:銅
特性:施錠されていない。
「これも罠の類はないみたいだから、開けてみます」
二個目の宝箱の中に入っていたのは、黒い革製の指ぬきの手袋だった。
鑑定結果は、
<鑑定石>
鑑定結果:
名称:ビスマの手袋+0
種別:革の手袋
特性:弓で射た矢の命中率、矢の飛距離がともに上昇する。
『これは、トルシェがつけていた方がいいな。どうせ、ビスマってのは伝説の弓の名人なんだろ』
笑いながらうなずくトルシェ。さっそくビスマの手袋を両手にはめて、
「ほう、これは、これは」
よほど気に入ったらしく、両手を何度も強く握ってはキュッキュッと音を出している。ニマニマが収まらない。
『それじゃあ、トルシェ、そろそろ次にいってくれるか?』
「はい、はーい」
機嫌いいな。
<鑑定石>
鑑定結果:
名称:宝箱
種別:銅
特性:施錠されていない。
「これも罠の類はないみたいだから、開けてみます。銅の宝箱だと罠がないのかな?」
三個目の宝箱の中に入っていたのは、黒い布製の鉢巻きだった。
鑑定結果は、
<鑑定石>
鑑定結果:
名称:タセの鉢巻き+0
種別:布の鉢巻き
特性:視認しづらくなる。
『これは、アズランだな。タセってのは忍者か何かなのか?』
「忍者が何なのかはわかりませんが、タセは伝説の盗賊です」
『なんだか、伝説だらけだな』
タセの鉢巻きを受け取って頭に巻いたアズランに、
『付け心地は、どうだ?』
「おそらく気分の問題なんでしょうが、身が引き締まるようなそんな気がします」
『そうか。俺たちにはその鉢巻きの効果がないのか、全然それをつけてアズランが変わったようには見えないが、敵から見たら変わるのかもしれないな』




