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闇の眷属、俺。-進化の階梯を駆けあがれ-  作者: 山口遊子


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第57話 アズラン・レイ3


『アズランをおんぶしたはいいが、これでは冒険者ギルドには行けないな』


「もう夜ですし、どこかの宿屋で一泊しましょうか?」


『そうだな。ベッドのあるあの部屋は遠いものな。ところで、大蔵大臣のトルシェくん。先立つものはあるのかい?』


「さっきの連中から回収したので大丈夫です。明日になったら、どこかで、きんを売ってしまいましょう」


『ああ、かねはいくらあっても困らないからな』


「キューブもあるのでお金がいくら重くてもいいから便利ですよね。いままで、お金を重いと感じたことは一度もなかったわたしが言うのもおかしいかな」



 今では落ち着いた寝息をたてているアズランを背負い、トルシェが案内してくれた宿屋に入った。


 宿屋で俺の姿と血だらけで背負われたアズランを見た女将おかみがぎょっとした顔をしたが、トルシェが気をきかせて、女将おかみに銀貨を別途握らせたら、すんなり空いていた四人部屋を借りることができた。


 部屋にはシャワーなどついていないので、お金を払って、桶一杯分のお湯をもらって、アズランの体にこびりついた血を拭きとってやることにした。


 トルシェがアズランの上着と中に来ていた鎖かたびらと下着をとってやり、お湯を絞ったタオルで体を拭いてやっていた。こびりついた血を(ぬぐ)ってやると、右肩口から斜めにかなり深く切られたようなピンクの跡だけ残っていた。


 アズランは子供だと思っていたら女の子だった。トルシェなどと比べては失礼だがちゃんとした膨らみがあったのだ。


「ダークンさん。この子、どうもハーフリングのようですよ。小柄ですが顔つきは十六歳くらいに見えますし、足の裏に毛が生えています。ハーフリングはそれで音を立てず歩けると言われています」


『ハーフリング?』


「そう、ハーフリング。すばっしこい種族で、小柄な体格と音を立てずに歩ける特技を生かしてシーフやアサシンになる者が多いそうです」


『ふーん、それでアズランはアサシンなのか?』


「全員が全員がそういった仕事をするわけじゃありませんよ。普通の仕事をしている人がほとんどですから」


『それはそうか』





「ん、ん」


『アズラン、目が覚めたか? もうおまえの傷は治っていると思うぞ』


「ダークンさん、ですよね。ありがとうございます。それと、トルシェ?さん、ありがとう」


 目覚めたアズランは上半身裸なのだが特に気にしたふうでもなかった。


『そういえば、おまえを追っていた連中は、俺たちで処分したから安心してくれ』


「処分?」


『ああ、5人とも殺してやった。ったのはほとんどこのトルシェだがな』


「ほんとですか? あなたたちが首から下げているのは、Gランクの木の札ですよね」


『これか。「大迷宮」に入るために登録しただけだからな。こんなのをぶらぶらさせていたら弱っちく見えるか。これを見て俺たちをあなどってくれようが、そうでなかろうがどうでもいいと思えるほど、この街にいる冒険者は弱いな』


「すみません。そんな冒険者に後れを取ってしまって」


『気にするな、それに、アズランはこれからは俺たち「闇の眷属」の仲間だ』


「『闇の眷属』? 『闇の使徒』ではなく?」


『「闇の眷属」は「闇の眷属」だ。そういえば、「闇の使徒」を名乗るおかしな連中が少し前にいたなー』


「私は、その『闇の使徒』の幹部を暗殺するよう組織からの仕事を請け負って、返り討ちに遭ったんです。しかもその仕事は私をはめるための罠だったみたいで」


『「組織」?』


「わたしは、暗殺者組織『赤き左手』のメンバーなんです。いえ、もう帰る気はないので、メンバーだったんです」


『ふーん、そうかい。それじゃあこれからどうする? やるべきことは、まず、暗殺相手を殺して、アズランをはめたというヤツを殺すか? おまえをはめたヤツの心当たりは有るんだろ?』


「いえ、それが心当たりがないんです。おそらく組織のなかの誰かだと思います」


『じゃあ、暗殺相手を殺して、それから『赤き左手』をたたき潰してしまおう』


「ダークンさん、面白(おもしろ)くなってきましたね!」


 トルシェ、おまえならそう言うと思ったよ。


『アズラン、おまえの傷は治っているが、まだ本調子じゃないだろうから、ここで休んでいろ。俺たちにまず、その暗殺相手の『闇の使徒』の幹部の居場所を教えてくれ。これからちょっと行って、殺してくる』


「それでしたら、もう体は大丈夫みたいですから、私が案内します」


『寝ててくれて構わないんだがな。

 それじゃあ、トルシェ。アズランに何か上から着るものを渡してくれ。今までの服は血だらけなうえ、肩口が裂けてるからな。

 アズラン、トルシェの下着だときついかもしれないがそこは我慢(がまん)してくれ』


「ダークンさんは、何が言いたいのかな?」


『いや、思ったことが口から出ただけだ、こんな具合に』「カタカタカタ」


「もう!」




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