表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
闇の眷属、俺。-進化の階梯を駆けあがれ-  作者: 山口遊子


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

108/129

第108話 『暗黒の涙』


 二人が寝ている間に、黒スライムをプッチしてできた黒い液を集めてこようと、油の入っていたビンの中身をコロに食べさせ、からビンを持って、拠点からダンジョンの方に歩いて行った。


 入り口の広間から通路に入って行くとすぐに黒スライムがいつものようにうごめいているのが目に入った。


 最初に目に付いた黒スライムをリフレクターで壁から床に叩き落として潰してやり、床に広がった黒い液を、コロを手袋代わりにした両手ですくって油ビンに入れてやったら、一匹分でビンが一杯になってしまった。すぐに蓋をして、拠点に取って返し、大広間の鑑定石に。


<鑑定石>

「鑑定結果:

名称:『暗黒(あんこく)(なみだ)』(ビン入り)

種別:毒薬

特性:猛毒(もうどく)、呼吸が必要な者の体内にごく少量注入した場合、数秒で全身がマヒし注入箇所から徐々に溶解する。この時激しい痛みが伴う。マヒは非常に強力で、心臓以外の自律活動(じりつかつどう)が不能となり対象は呼吸停止を経て窒息死(ちっそくし)する。マヒ中、対象には意識はある。対象の体内への注入量が増加すると、心臓マヒで即死(そくし)する可能性が増加する。


 こいつは『暗黒の涙』というのか。トルシェが喜びそうな名前だ。しかもそうとうエグい毒だ。ことに、体が溶けていく中で窒息しながら『意識がある』というところだな。まさに地獄だ。簡単に使える毒じゃないことが分かった。一応、『キューブ』に収納しておこう。


 ワンルームに戻るとトルシェたちはおとなしくベッドで寝ていたので、俺も床に座り込んで目をつむってじっとしていることにした。


 何時間経ったのかは分からないが、トルシェたちが起きだしてきた。


「ダークンさん、今日は何をしましょうか?」


 床の上で胡坐あぐらをかいて座っていた俺の真正面で、マッパのトルシェが両足を開いて、両手を腰にあて、俺に聞いてきた。


『トルシェ、まずは服を着ようか?』


「こ、これは失礼しました。ダークンさんも裸族の仲間入りしたと思っていたけど、もう、スーパーマッパ(プラス)コロはやめたんですね」


『まあな。実際あんまり意味はないようだしな。それでだ、今日は街に出てフェアの服やら何やらを買いにいかないか?』


「やったー。行きましょう、早く行きましょう」


『アズラン、待て待て、店が()いてなけりゃ行っても意味ないんだから。それより早く支度したくしろよ』


「あれ、私も下着のままでした。急いで支度したくしてきます」



 支度したくの終わった二人を伴って、黒い渦に入り、そのままテルミナの街へやってきた。


 ダンジョンの出入り口を出ると、普段ならダンジョンに入る冒険者たちがかなりの数がいるのだが、今日はダンジョンから出てくる冒険者ばかりだ。その冒険者たちも普段との様子の違いに驚いているようだ。


 さらに、ギルドの買い取り所の前には、数人の冒険者がいるだけで、彼らも大きなリュックを背負しょったまま戸惑ったようにうろうろしている。よく見ると買い取り所のカウンターの後ろに職員(しょくいん)が誰もいない。


「どうしたんでしょう?」


『様子が変だな。何があったのか?』


「ダークンさん、南の方から物が壊れる音とか、悲鳴(ひめい)のようなものが聞こえてきます。あれ、煙も上がっています」


破壊音(はかいおん)に悲鳴? また南か。とりあえず行ってみるか』


「はい」「はい」



 迷宮出入り口の通りから大通りに出る前から、人々の怒号(どごう)が聞こえ、大通りを大勢の人が北に向かって走っているのが見えた。俺にも南の方からの破壊音が聞こえ始めた。


『また、モンスターの大群がやって来たんじゃないか?』


「もう外壁が破られているようですね」


「どうします?」


『街がモンスターに蹂躙じゅうりんされちゃうと、買い物できなくなるから、一応モンスターは皆殺しだな』


了解りょうかーい!」「はい!」



 逃げまどう人の流れに逆らって南に進む。いかつい俺の姿が役立ったようで、逃げまどいながらも俺を避けるように人が流れていく。


 いたよ。見た目は大型の犬が人を襲っている。牙や爪の鋭さからいえばオオカミ系のモンスターなんだろうが、どちらでもいい。


 モンスターをたおす。そう強い意志を込めて、リフレクターとエクスキューショナーを構えた。


 構えたまでは良かったが、構え終わっていざ、と思った時には、モンスターの首が胴体(どうたい)から落っこちるところだった。そのモンスターに襲われていた人間は、既にこと切れていたようで、モンスターと一緒に通りに転がった。アズランに先を越されたようだ。戦闘モードに入りかけだったためなのか、全く見えなかった。フェアもアズランと一緒に飛び回っているようで、たまに視界に入ることもあるのだが、ほとんどどこにいるのかは分からない。


 いたるところで暴れていたモンスターたちの首が通りに転がっていくことで事後的にそこにアズランがいたことが分かる。放っておいてもアズランなら問題ないだろう。


 俺は、守りの薄いトルシェの近くから離れないようにゆっくり進むことにした。


「ダークンさん、街の建物が邪魔でモンスターを見つけづらいですねー。このあたりみんなどこかに避難(ひなん)しているようですから、更地さらちにしちゃいましょうか?」


『いやいや、寝たきりの人もいるかも知れないから、それは止めておけよ。アズランが今は戦っているが、全部のモンスターをたおしきれはしないんだから、そのうちこっちにもモンスターが流れて来るだろう。そしたらそいつらをたおそう』


「分かりました。早く来ないかなー」


 こういった時のフラグはすぐ回収されないのが基本だが、今回はどうかな?




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
108話と109話の内容が同じです。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ