表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

38/45

37.見つけてね

クリスティーナとしばらく話した後、シルフィーはルークのもとに帰ってきた。


「お待たせ、ルーク。」

「シルフィー、もういいの?」

「うん。」


満足そうに頷くシルフィーに、ルークは少しむくれていた。


「クリスティーナ嬢と仲良しだね。」

「ええ!自慢のお友達なの。」


けれどそんなささやかな嫉妬にも気付かず、シルフィーは満面の笑みで頷いた。そんな笑顔のシルフィーも可愛くて、ルークはもう何も言えなくなってしまった。


「はあ。」


そして重々しいため息をついた。


「どうしたの?ルーク。」

「シルフィーは可愛いすぎる。」

「へ?!」


ルークが真顔でそんな事を言うものだから、シルフィーは顔を真っ赤にした。


「ど、どうしたの!?ルーク!?」


おろおろと戸惑うシルフィーは上目遣いでチラチラとルークの様子を伺ってくる。その姿がまた可愛らしくて、ルークはさっきより重いため息をついた。


「はぁ……。隠しておきたい。」

「ルーク?」


何もわかっていないシルフィーを見ると、このまま何も知らないでいて欲しいと強く感じた。


「シルフィー、お願いがあるんだ。」

「な、何?」

「シルフィーがいつもこっそりやってる視覚阻害魔法。俺が戻ってくるまで全力でやって。」

「へ?」

「俺はこれから生徒会の仕事が少し残ってるんだ。」

「お仕事?」

「うん。カリナ嬢からある物を取り返したいんだ。」


シルフィーは体をこわばらせた。


「だから、俺は今からカリナに近付くけど、俺が好きなのはシルフィーだけだから。可愛いって思うのも好きだと思うのもシルフィーだけ。いい?」

「う、うん」

「それと、シルフィーは可愛いから他の男から声かけられちゃうと思うんだ。それは俺が後でその男に何するか分からないから、全力で他の人から見えないようにしてて!」

「ルーク、落ち着いて?」

「落ち着いてるよ。」


ルークのまっすぐな視線に、シルフィーは引き込まれていく。


「ちゃんと隠れてるから。ルークもちゃんと見つけてね。」


ルークは不敵な笑みを浮かべた。


「当然。何処にいてもシルフィーを見つけ出すよ。」




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ