登場アイテム
**神の工芸品**
世にいくつかある神がかり的な技術で作られた物や再現不能な効果を持ったアイテム、神話に名が残るような古代の宝具。
聖職者が御使いから賜った物、聖典に登場するような神が作った物とは限らない。
数多くの人間の運命を狂わせ因果を溜め込んだ物。
その道を極めた職人によって作られた物や神格の高い霊体によって加護を受けた物。
古代からある口伝や童話などに記されていたような一品なども含む。
*神の工芸品一覧*
真実の石版
制作者:不明
神が魂の選定に使うとされる道具であり御使いからの賜り物。
世に多く出回っているのはレプリカ。
オリジナルは協会に保管されている。
オリジナルと比べてレプリカの方にはその効果が著しく劣化しているがそれぐらいが丁度いいらしい。
神剣紅薔薇
制作者:勇者バーミリオン
多くの魂の苦痛と嘆きに鍛えられた剣。
斬られた者に魂まで至る苦痛を与える。
咎人の枷
制作者:月の女神
罪を犯した男に月の女神が罰として与えたもの。
その効果から人を家畜化するのにおおいに利用されている。
金の女体像
制作者:不明
グロウ=デラの屋敷にあった金の土偶。
最近発掘されたばかり。所持しているとお金が集まる。
霊弓ハーヴェスト・クイーン
制作者:グロウ=デラ
妖精王の魂に苦痛を与えて悪霊化させ加工した弓。
そこらの神の加護を受けた武具より強力。
屈辱と緊縛の聖衣
制作者:フィリア
着ているととても恥ずかしい服。
使用者が侮蔑の視線を感じて恥ずかしい、でも気持ちいいと思うほど強力な防御力を発揮する。
風の大精霊の加護を受けている為、着ている者を常に僅かに浮かせている。
フィリアは視線に慣れすぎてあまり効果がないようだ。
エキドナの小瓶
制作者:不明
東の小国にあったエキドナと妖精という童話に出てくるアイテム。
童話自体は妖精を捕まえることが出来なかったとなって終わるが実際にはかなりの数の妖精をこの小瓶で捕まえている。だが妖精の生態を知らなかったエキドナは妖精を育て続ける事が出来ず、多くの妖精をこの小瓶の中で苦しませて殺す事になってしまった。
神弓ハーヴェスト・クイーン/魔杖ルーイン・ジャック
制作者:カミナギリヤ
妖精王の神器。必中の加護がついている。
その他にも射程無限、浄化、霊力上昇など様々な能力を持っている。
悪霊化するとその姿を杖へと変える。こちらは魔力の上昇、詠唱短縮、精霊召喚など魔術的効果があるようだ。
竜槍アブソリュートゼロ
制作者:ウルトディアス
邪竜ウルトディアスの神器。
全てを凍て付かせ、エナジードレイン効果のある槍は突いてよし、薙ぎ払ってよし、投げてよしの使い勝手の良い武器である。
竜形態でどうやって使っていたのかは謎である。
ラプターの自動人形
制作者:ラプター
誰もその名で呼ばないが人形はメアリーと言う名前である。解体しても中身は全くの伽藍堂であり、模造、複製は不可能である。
制作者であるラプターはその生涯をずっとお花畑に住んでいた父親に掘られ続けた非常に可哀想な人。ラプターはいつしか空想の中の少女を、人形を作り始める。精神を病み、堅牢な独特の精神世界を編み上げつつあったラプターの人形達はやがてそれ一つ一つがラプターの魂の領域を写し込む人形の形をした神域となって動き始める。彼の人形に命が吹き込まれた瞬間だった。
紅き嘆きの星
制作者:不明
オリハルコンと賢者の石のみを材料として作られた鞭。
範囲と威力もさながら、魔力の放射率と反射率が高く、持ち主が魔力を込めて使用することで魔力を反響させ密度を高め、半ば自動で使用者の能力を超える魔術効果を容易に引出す事ができる。逆に高ランクの魔術を打ち消すことも可能である。勇者の武器というよりも神話にあるような神の武器に等しい。
オベリスクの車輪
制作者:=
ドワーフの変態によって作成された暗黒の瘴気を吸い込んだクズ石を混ぜ込んだ鋼で打たれたペーパーナイフ。
運命の引力を強め、確率を操作するこのアイテムを所持した者は例外なく数奇な運命を辿る事となる。
蒼き嘆きの海
制作者:ディア・ノア
作中にあった通り、魔女としての濡れ衣を着せられ惨殺され海に投げ込まれたディア・ノアの手鏡。
神と混じった事で強大な魔力を生まれながら持っている事の多いクリシュナ皇家の中でも一際人間として規格外の魔力を有していた彼女は、聖皇女と称されていた通り人とも思えない程の善良さだった。
彼女の両親、そして皇家は知っていたのである。
実兄妹から生まれたが故に神の血が強く出てしまった彼女が人の身でありながら半ば神の領域に有ることを。
海神の荒ぶりを神の怒りと思い込んだ皇家よって七日七晩かけて凌遅刑にされたディア・ノアの身体を最も削り落とし続けたのは他ならぬ彼女の両親だった。
図らずともクリシュナという国は人の愚かさと醜さを味合わされ祟神と化したディア・ノアという神の怒りによって滅んでしまったのである。
永遠少年
制作者:不明
幼児性愛者の気が狂った男が書いた戯曲の脚本。
永遠に子供のままの少年が主人公の冒険の話であり、小さな妖精と共に空を飛ぶ、海賊を相手にした大立ち回りなど見どころが多く、人気を博した。
が、一見して何の変哲もない物語を描いているはずの脚本は文字列そのものが長大な魔術の起動陣となっており、次第に関係者や演者、観客に発狂、自殺をする者が現れ、隠居した王宮魔術師によって魔術の詳細が明らかにされた後、台本、衣装、小道具、その全てが海に廃棄された。
現在でもそれらが廃棄された海では時折、このアイテムに呪われた者が現れる。
作者である男はこの脚本を書き上げた後、己が運営していた孤児院を焼き払って焼身自殺している。
霊刃ラディアント=レイズ
制作者:不明
三勇者の一人、アレクサンドライト=ガルディッシュが自らの武器として使っていた刃。
遥か西にあるという天竺という異界に墜落した星神より得られた鉄片を鍛冶工が神への祈りと救いを願掛けし鍛えたもの。未完成のままにその生涯を終えたが、残された刃身は莫大な霊力を宿し奇蹟をも起こすとして光り輝く生命の息吹と名付けられた。
本来から刃部分のみしか無く、そのままでは武器としては扱えない。
変幻自在の武器となるのはアレクサンドライト本人の能力である。
無銘(ヴァンパイアキラー)
制作者:不明
教会に保存されている用途、制作者、その他一切不明の鉄片。
元は神話級最高位の工芸品と見られるものの、内部から古代魔王級の魔力を用いた雷撃に因るものと思われる力で沸騰し煮崩れ果てている上に、何らかの禁術の媒体とされた為と思われる幽体レベルでの破壊が成されており神級の鑑定眼であってもその情報を見ることは敵わず、復元も試みられたが成功はせず現在の技術では特定は不可能と見られている。
特に吸血鬼がこの鉄片を恐れる事からヴァンパイアキラーと呼ばれている。
神羅蓬莱絵巻
制作者:ヴィオラ=スー
シヴァ原典に記される創生の神ヴィオラ=スーが描いたとされる絵巻物語。
第一章迦具夜姫を用いて混沌を照らし、第二章打出の小槌にて天と地を分け、第三章鬼ヶ島にて澱みを封じ、第四章鶴の織物で人を作ったとされている。絵巻自体は全て失われているが、絵巻に記されている柄杓の柄や小槌の装飾と思われる物の金属片、機織り機に使用されたと見られる木片など、アイテムの残骸と思われるものが教会とギルドに幾つか現存している。
絵巻自体はもちろん、これらの残骸の一部であっても神の工芸品として上位第S級の位付けがなされておりトレジャーハンターが目指すものの一つと言える。
神殺しの剣
制作者:不明
曰く、勇者が邪なる神にその剣を突き立てた瞬間、邪神の断末魔と共にそこから世界にヒビが入った。
というわけで世界を分断する次元断裂、その中心にある創世の傷跡にあるものと見られている剣。
レガノア教においてはあると断定しているものの、本当にあるのかどうかは邪なる神のみぞ知るといったところである。
プルートゥの白き夜
制作者:不明
プラネット・ロウと呼ばれるカグラが持つ銃。
プルートゥと呼ばれる冥界の神の魂を加工し作られたとされ、加工する際のプルートゥの苦痛と憎悪に冥界の空が白く染まったという。それがそのまま名前の由来となった。
単体では使えず、聖痕と呼ばれる認証紋を持った者にしか使用することが出来ない。
カグラは自らの魂を僅かずつ削って弾代わりとしているが、元来は一人分の魂を丸ごと吸い上げ撃ち出す代物である。
使用する魂の強さによって威力は異なるが、アルカ家では孤児や奴隷の身より無き子供を用いていた。
本来の使用方法を用いたその場合は神族に対しても有効な手段となりうる銃である。
使用者を蝕む呪われた神の工芸品としても有名であり、放たれる青い光は使用者の身体を蝕み、生命力を奪う為に使用者は全て短命である。
光に蝕まれる両手は焼けただれ融解し、汚染された遺体は魔素を放つ為に土に還す事も出来ずに鉛で封じられる事となる。
グラディエルの聖宝冠
制作者:不明
農民であったグラディエルが精霊より賜ったという宝冠。
実のところただの精霊の気まぐれであったのだが、時の支配者によりグラディエルは最終的に断首刑に処されている。
その折にこの宝冠もまた偽造品とされ神の工芸品目録から外されたが後に戻されている。
78のアルカーヌム
制作者:不明
古代に西の大砂漠にあった神秘の大国、アスカナ王国にあった78の国宝の総称。
その全てを集める事で占星魔法と呼ばれる禁術が扱えるとされているが全てが揃ったという記録が無いため都市伝説の域を出ないのが現状である。
現存しているものはその内の65個であり残りの13個は行方知れずとなっていた。
ウルトディアスが持ち腐れしていたのは8番目の獅子宮の力、12番目の海王星の吊るされた男。
グランドドラゴンの竜宝玉
制作者:始祖竜
世界が未だ混沌であった頃に生きた始祖竜が手にしていたという宝玉。
混沌竜とも呼ばれており暗黒の星雲を駆ける姿を描かれることが多い。
悪魔染みた姿である為現在はあまり好まれるモチーフとはいえない。
麗稜后レイジィの玩具箱
制作者:不明
その美しさから麗稜后と呼ばれたレイジィ=ベルが愛用していた黄金の玩具箱。
生前にその中を誰にも見せたことがなく、死亡後にも玩具箱の鍵が発見されず中身が改められる事はないままだった。
後に開封が行われたが重さもあり音もしていた筈であったのだが、開けてみると中には何もはいっていなかったという。
開封の為に鍵は破壊してしまったので封が出来ない。
中に物を入れているといつの間にか消えてしまうという意味不明の神の工芸品。
緑錆の羊皮紙
制作者:ガルーネシア
悪辣なる魔王ガルーネシアが発掘した遺跡の壁画や残された記録、魔導書の断片から復元した星神魔法と呼ばれる術式の中でも特に大神官が扱った秘匿されたものと見られる魔法を封じた羊皮紙。
ガルーネシアが復元できた魔法は黄道十二宮の内、その内の八宮。十二宮の他、外位に蛇使い座があるようだがガルーネシアも名前のみを突き止めるが限界だったようである。
術式がアスカナ王国由来の物と似ている事から同一部族によるものではないかと記す日記が残されている。
星杖エクリッスィルナーレ
制作者:不明
魔王エウリュアルが手にしていた星杖と呼ばれた杖。
月の満ち欠けにその魔力が左右される杖は月蝕の夜に最も強大な力を含み、内包する魔力は無限に等しくエウリュアルの地獄の扉を開き自らの従僕である赤の竜と共に地獄を巡ったという逸話になぞらえエウリュアルが上位悪魔との問答の末に手にしたと言われている。
尽きぬ泉の霊宝珠
制作者:不明
どれほど長期の干魃になろうとも尽きることなく水を湛え続けた泉の底から回収された宝珠。
研究機関に持ち込まれ研究された結果、名のある精霊が力尽きる際に残された結晶と見られている。
宝珠を失った泉は間もなく枯れ落ち、その周囲もまた荒れ果てた大地となり永く水精霊の霊地として在ったその周辺はやがてその名残もない枯れた砂漠となってしまい、宝珠もいつしか消失したという。
智慧深き巨人の首
制作者:不明
あらゆる知識を持つと言われた巨人の首が語った言葉を余さず記した世界の真理が記された人類の教本、とは言うもののその実態は智慧の巨人の呪詛が込められた紛うことなき呪物である。
巨人が持つ全ての知識を搾り取らんが為に首を落とされその頭蓋を開かれ焼かれた巨人はその智慧の通り、この世全ての呪術を吐き出しその行為に加担したもの全てを呪殺した。
永久に消えぬ儚き光
制作者:不明
見た目はただのガラスの球体だがほのかな光と熱を常に放っている。
南の部族にほそぼそと伝わっていた神の工芸品だが、何をしようとも永遠に消えることなき儚い光を讃えてその部族はこれを人々の尊き精神を以て輝く希望の光、আশাと呼んだ。ちなみに弾圧の際に消失していた神の工芸品でありその部族も失意の内に滅んだ。夢も希望もねぇとはまさにこのことである。
アルマトの天秤
制作者:不明
教団で信者の信仰を試すのに使われているアイテム。
元々は死者が冥界で裁判を受ける際に己の心臓を乗せて真実の羽根より軽ければ無罪となるという異教の書に記されていたものだったが、教団で使用されるようになってから裁きの天使が持つ道具とされるようになってしまいその影響を大きく受けている。
レガノア教における戒律と善行、全てに明確に数字付けがされておりそれらを元に無罪か有罪かが判決される。ダイエット中のカロリー計算みたいなもんである。
虚像の破片/真実の鏡
制作者:不明
北大陸に嘗て存在した代々女王が治めてきた国の国宝の内の一つ。
スノウホワイト丘陵にあるという神秘の鏡とはこの鏡のことである。
鏡よ、鏡。女王が問いかければ常にこの鏡は問いに答えてきた。
ただし、鏡というものの本質はただ目の前にあるものを映し出すもの。
全ての問いに答えるが、それは真実ではなくただの虚像。
歪んだ鏡面に映るものは歪んだものでしかなかった。
国の最後の女王によって粉々に砕かればら撒かれてしまい、現在ではその破片は虚像の破片と呼ばれ由来は不明だがそういう物として認識されている。
破片一つでも所持していると持ち主の姿を歪めてしまう。
真実の石板や鑑定などを誤魔化すのに大いに使用されている。
晩白柚の谷
制作者:不明
とある地方の昔話。
どんな物でも一つだけ、小さく包むことが出来る風呂敷を巡る話である。
ひょんな事から手に入れたその風呂敷はどんな大きな物でも包むことが出来たが、重さだけはどうにもならない。
最初は小さな物を包んで持ち運んだ。便利な風呂敷に包むものは段々とその大きさを増していく。
なんでも包めた。鍋でも、作物でも、箪笥でも、晩白柚でも、そして死体でも。
輝ける海の潮騒
制作者:不明
南大陸にある小さな孤島に伝わっていた神の工芸品。
遥かな海の彼方にあるとされた極楽、ニライカナイより流れ着いたというこの巻き貝を耳に当てれば不思議と聞く者が最も望む音楽が絶えることなく聞こえるという。
浄土に相応しい天上の歌声のみならず、母が聞かせた子守歌、父が口ずさむ流行歌、故郷の祭囃子、友人との宴歌、失われたものをもただ巻き貝の底より響かせる。
島の人々はこの巻き貝を望郷からの呼び声と奉った。
孤島は次元断裂に伴う海面上昇によりゆるやかに海に沈んだが、島民達が島を出る際にこの巻き貝は島と共に海へと返還された。
楽園の黄金樹
制作者:グラノイル・アグ
グラノイル・アグ画。
依頼での執筆活動を打ち切ってから晩年までに描かれた5点の絵画のうち1点。
彼が描いた中でも数少ない楽園モチーフのもの。
盗難により流出し、長らく行方不明となっていた。
千年近く行方不明だった絵画だが持ち主を名乗る男が現れ、オークションに出品すると発表し一躍話題になった。
が、オークション会場は原因不明の出火により焼け落ち、この絵画も巻き込まれ焼失したとされている。
持ち主を名乗り絵画を持ち込んだ男の事は奇妙なことに誰しもが連絡先も名前も覚えていなかった。
グラノイル・アグの自画像に非常によく似ていたという証言が相次いだ事から教団の神秘事例として登録されている。
聖女の行進
制作者:ティティラ・ヴェルツァ
ティティラ・ヴェルツァ画。
若年期から中年期の放浪時代に描かれたもの。
聖女の行進という名前だけが彼が残した目録に残っておりその名前からは彼が多く残した宗教画の1つと思われている。
実際のモチーフは放浪中に立ち寄った村に居た子ども達であり、その村にそのまま絵画は寄贈されていた。
というわけで後の世界的な画家などと知る由もない村人達にとっては一時の旅人がくれた見事な絵画でしかなく、粗末な村の酒屋で長らく飾られていた。
モデルになったお転婆聖女こと酒屋の娘が成長し、酒屋を継いで結婚し子供を産み育てそして老いる頃には埃を被り日に焼け色褪せていたが不思議なほどに魅力に溢れ心を温かくさせる一品であった。
か細い村は時と共にやがて離散してゆき、村のあった場所も森に飲まれたが村の跡地は森の中にあって不思議なほどに穏やかで長閑な広場となっており、今なお旅人達の憩いの場として知られている。
湖の精霊
制作者:無名
やたらと歴史だけ長い国の辺境の地にある薄汚れた砦の出入り口になんとなく流れで飾られていた絵画。
十年経った。見慣れた絵だ。五十年経った。そろそろ変えないか? 百年経った。まだ飾るの?
はたと誰かが疑問に思った。いつからあるんだこの絵は。
百年前の式典絵、ちゃんとある。二百年前の式典絵。ちゃんとある。三百年前の式典絵。ちゃんとある。
それ以上はちょっとわからないが五百年前の日誌にもまだこの絵画についての記載がある。
上官に聞いてもちょっとわからん。偉い人に聞いてもちょっとわからないですね……。辺境で1番の年寄りに聞いてもワシの曾祖父さんが子供の頃からあるしわからんという。
だとしたらちょっとおかしいのではと皆は思った。なにせこの絵画、よくよく見たら最近改修されたばかりのこの砦を近くの湖の中から見て描いたとしか思えない絵画なのである。
調査をしようと取り外して保管していたところ、見慣れない奇妙な格好をした男が回収するのを忘れていたから引き取りに来たというので砦の新入り兵士はうっかり絵画を引き渡してしまった。
教団の神秘事例の1つ。
**悪魔の芸術品**
楽譜であったり絵であったり本であったり玩具であったりする。
作中では凄そうに見えるが、本当に凄いのは極々僅かであり実のところ七割がた誰得のどうでもいい方向に無駄に凄いガラクタ。
制作者である悪魔が芸術は爆発だーとハッスルこいてその場のノリで作られた物が大半を占めている。
話が残るばかりで物質界からはほぼ全てが既に失われている。
大体のオーパーツが波長の合う者を狂わせたり自殺させたりするので基本的には危険物。
*悪魔の芸術品一覧*
悪魔の初心者用ガイドアイテム
制作者:アスタレル
暗黒神様が持っている本。
一見凄そうだがアイテムに与えられた効果自体は力に指向性を持たせる、という程度でしかない。
使用者によってはその辺の魔道書に劣る効果しか得られない。
実はアスタレルの趣味で無駄に高性能な無駄のない無駄な機能が沢山ついているが基本的には全部無駄である。
暗黒神様の手から離れた状態の本を読むと発狂する。
地獄へ至る奈落
制作者:暗黒神様
暗黒神様が作った地獄の穴。
誰でも容易く暗黒神の神域、地獄の最深部へ至る事が可能な現存するオーパーツの中で今のところ最も凶悪な一品。
自動洗浄機能付きの親切設計。
暗黒神様のお召し物のようなもの
制作者:不明
暗黒神様の本で商品として購入可能だが、別に暗黒神様の趣味で作られているわけではない。
悪魔達の服の複製や、暗黒神様が今まで見てきた服の模造品であったり、実は悪魔達がデザインを起こしたりしている。
大体気色の悪いデザインなのであまり購入されない。残念。
特に特別な効果はないが、汚損などは一切受け付けない。
仄暗い光に繋がる鉢
制作者:暗黒神様
青の祠で作った火鉢。
物質界の物同様に衝撃で簡単に壊れるが、時間による劣化は一切無い。
鉢が壊れない限り永遠に消える事無く炭が燃え続ける。
鉢に書かれた地獄絵図は稀に形が変わっている事があるが絵が動く瞬間を目撃すると発狂する。
きのこを模した名状しがたいランプ
制作者:暗黒神様
洞窟で作ったきのこっぽいランプ。
直接光源を見ると網膜が光って眩しいので注意が必要。
放たれる青い光に生き物が当たると焼け爛れる。
ゆっくり呪われていってねソファ
制作者:暗黒神様
洞窟で作ったソファ。
もったり感触で人を堕落させる。夜になると1センチずつ家の住人のベッドに向かって動いていく。
定期的に元の位置に戻さないと近づかれすぎると死ぬ。
魔んじゅう
制作者:暗黒神様
魔力をぎゅっぎゅと握った魔んじゅう。
食べると魔力の最大量が食べた分だけ無限大に増える。
カーマラーヤの書
制作者:ヴェルド
悪魔が物質界を混乱させてやろうと暇つぶしに書いた魔道書の一つ。
マリーが言っていた通り、その大部分が欠落しているが実は完全版でも欠落だらけである。
そのままの術式を行うとほぼ失敗する。
暗黒神の印
制作者:暗黒神様
暗黒神ちゃんマーク。
次元の隙間から色々な邪悪を呼び寄せる事がある。
常人が設置された場所に長くいるとそのうち自殺したくなってくる。
ベッドの下
制作者:不明
大量の恥ずかしいグッズを隠す、その為だけに作られたアイテム。
馬鹿馬鹿しいが制作者は必死だったらしく空間圧縮、時間停止、干渉禁止など上位の術式が組み込まれているオーパーツの中でも上位アイテム。
カミナギリヤが水晶型にしてしまったので中身がモロバレという制作者的にはのた打ち回りたい事になっている。
人魚の涙シリーズ
制作者:=
暗黒神様がスノウホワイトの街の露天で買った宝飾品に加護を与えたもの。
願いを叶える、恋が実ると言えば聞こえはいいが宝石マリンブルーに纏わる逸話で恋する男に貢ぎ献身し続けた果てに消滅した人魚の絶望がその加護の本質である。
月花の絵画
制作者:ルイス
見た目は幻想的な絵ではあるが呪われている。
家に持ち込んだが最後、間違いなく悲惨な事故が相次ぎ一家離散の没落人生が待っている。
夜の迷い人
制作者:暗黒神様
安心安全高品質メイドインジゴクのドラキュラコートに加護をつけたもの。
夜の時間軸に存在が固定されてしまう。着用者であるアッシュが時を失った不老不死特性を持つが故に問題なく着こなせるが常人が着ると時間の概念が失われ肉体が石化し、精神は永遠に明けない夜の世界を彷徨うことになる。勿論脱げば解除されるが戻ってきた精神がどうなっているかはわからない。
女の宝飾と飽食
制作者:ルイス
女の美しさと宝飾品を求める欲望と怨念を閉じ込めた絵画。
暗黒神様のお気に入りの一品。
当然の如く呪われている。
神へ捧ぐ舞
制作者:暗黒神様
馬鹿強い加護を持った伝説級の武具。
運命への抗い、再会の加護とは言うものの、その加護の本質は永久の別れ。
権力者へ嫁ぐ神の力を持った妹へ姉はいつかの再会の祈りとして、一つの舞を見せた。妖獣族に伝わっているのはこの部分のみで、後は全て失われている。妹に再会する為、長い旅をしてきた姉が最後に目にしたのは神通力を全て奪われただの毛皮にされた無残な妹の姿だった。
YES/NO枕
制作者:暗黒神様
強制的な睡眠を誘発する枕。
この枕で眠ると極上の夢を見られるが、1%の確率で目が覚めなくなる。
首吊り花
制作者:暗黒神様
闇の魔力を生成し振りまく花。
微々たる量ではあるが、ある意味病気の源泉なので肉体を持った種族が近づきすぎると何かしらの病気を貰う。
魔族や竜種にとっては美味しいお花。
六十一人の椅子
制作者:暗黒神様
暗黒神様専用の椅子。
座った人間が原因不明の事故にあい例外なく死んだ為、現在はギルドで誰も座ること無きと記されロープで吊るされている。
背もたれに書かれたオカルトとされる魔道書に記されているものと同一系統と見られる魔術式を解読した者には一生遊んで暮らせる額の褒賞を出すと魔導研究機関より告知されたものの、未だに解読はされていない。
検体同意書
制作者:イース
イースが作り出す、頭部に取り付ける事で強制的な木偶化、つまりは実験体にするという恐るべき医療器具群。
作り出される医療器具は本人が使っていた医療器具を召喚するという能力によるもの。無限に作り出せるが、全て本物。
もちろん能力の性質上、作り出される道具は実際に使われた事のある道具である。中には医療器具にはとても見えないようなエグいものもある。
イースは滅多に出さないが、この能力の大本となる一つの書がある。
嘗てイースが保管していた千年に渡る実験の果て、集めに集めた検体同意書とカルテの束である。
その分厚さたるや狂気の沙汰と言うに相応しい。
ちなみに、本当に同意だったのかどうかは能力の強制的という部分からお察しください。
異次元鏡の像
制作者:イース&綾音
慣れないながら二人がせっせと作った転移道具。
距離、人数にほぼ制限が無く、転移魔法という上級魔術法の組み上げをある程度自動でやってくれるというかなり高度なブツだが、二人がお互いに自分の脳内情報をそのまま出力し、他人が認識理解出来るレベルに落としこむという作業を全くやっていないために制作者である二人にしか起動が出来ないという致命的な不具合を抱えている。
デザインはイース、形成は綾音が行っているが極彩色の斑模様に呪われそうな見た目をしている。
チェシャ猫の道案内
制作者:暗黒神様
天気予報の効果を持ったアイテム、ではなく未来予知のアイテム。
指定された時間軸の未来を観測し、表示している為に的中率は脅威の100%。
火事などの天災、魔法などの外的要因による瞬間的な変化をも予知するので常人にはハチャメチャな天気予報としか思えないのが難点。
ちなみにその場の天気を予知するので窓のない部屋の中に居ると晴れとしか表示されない。雨漏りをする部屋だと貧乏暇なしバケツの用意と表示される。
星を見上げる者
制作者:暗黒神様
邪教徒が隠れ住んでいた小さな田舎町で祀られていた神像。
この神像の前であらゆる黒魔術や邪神を称える儀式の数々が執り行われてきた。
神像に掘られた顔のようなものは実際に顔として掘られたわけではなく、古い祠から滴り落ちる水滴によって自然と作り出されたものである。
しじみ姫の下着
制作者:暗黒神様
しじみの貝殻ブラ。
人魚姫のようにスイスイと泳げる上に海に関するあらゆる呪いを跳ね除け、海精霊にも漏れ無く愛される事ができるが、いかんせんデザインがデザインなので乳輪を見せる覚悟でなくば装着出来ない。
フィリアの痴女服と相性がいいだろう。
轟くラーメンタイマー
制作者:暗黒神様
遠く離れた人物と会話が出来るようになる電波いらずの公衆電話機。
制限時間は三分。掛ける前にラーメンを入れるとちょうどいい。
掛ける相手によって魔力消費量が変わる。
闇に属する人物ならば安く、光に属する人物ならば高くなる。
知り合い割引有り。
きび団子
制作者:暗黒神様
不思議ダークマターから作られた餅粉を悪魔が暗黒神様への溢れる愛をこめてぎゅっぎゅと丸めて熱々に茹で上げた。中にはカオスよりこぼれ落ちた餡こが詰まっている。
仕上げにはばっちりおいしくなーれ☆と魔法を掛けられている美味しいお団子。
食べると空を飛べる。
クラインの壷
制作者:暗黒神様
暗黒神様が作った自称あーと。
正しい方向から中を覗きこむと表裏が逆になった世界に落ちて永遠に戻って来られなくなってしまう。
神羅蓬莱絵巻(陰)
制作者:伊予
嘗て呪物の贄とされた伊予の祟と呪い、業より生み出されたもう一つの神羅蓬莱絵巻。元は伊予が創りだした限りなく本物に近い贋作ではあったが、暗黒神様の干渉により本物の神羅蓬莱絵巻へと昇華している。
第三章鬼ヶ島だけで構成されるアイテムであり、他の章はそもそも作成されていない。
本来は光に属するアイテムではあるが、暗黒神様の干渉を受けて効果に変化は無いものの、アイテム自体の属性が反転している。
星皇女の蒼き海
制作者:ディア・ノア
憎悪と恨みと苦痛を飲み込み魂を更なる高みへと昇華させたディア・ノアの手鏡。
鏡面に映された呪禁が消え、ディア・ノアが生前に使っていた当時の姿を取り戻している。
が、やっぱり呪われている。
狂信者の嘆きと背徳
制作者:暗黒神様
暗黒神の腕が悪魔の腕へと変じたもの。
暗黒神様はいいじゃんで済ませているが元来は次元違いの神の腕である為当たり前だがしけた現世の借金の補填に外宇宙レベルの財宝を崩したに等しく、タダ同然になるも当たり前でそれどころか商品とそれに差し出された対価がとても釣り合わずに普通ならば等価の理に則り世界の何処かで何かしら尋常ではないレベルで反動がある筈だった。
あっぱらぱー暗黒神様本人がその反動を全て引き受けて辻褄を合わせてしまっている。
完全に存在が変質しており最早ただの一介の悪魔の腕でしかない。
エリコの壁突き崩す羊飼いの角笛
制作者:不明
レガノア教に統合された聖書の一つに書かれていた逸話における角笛……を面白おかしく悪魔ライズされてしまった悲劇の楽器。
聖書では聖者が主との約束を果たした事により齎される奇蹟の一つという描写であり揶揄った悪魔にすれば吹き鳴らした角笛により壁を突き崩し人民全てを虐殺し侵略し土地を分割しわけあったという結果も含めて悪魔の契約も神の戒律もたいして変わらぬという風刺的な意味合いをもたせたらしかったが元ネタとかけ離れすぎたラッパではその意味もあまりありそうもない。
銀河を打ち砕く光線銃
制作者:暗黒神様
眼鏡の憤怒の悪魔の世界で作成された兵器の記録を見た悪魔が人間っておもしろと作った光線銃。
宇宙を侵食し続ける敵性生物に抗う為に初期の頃に作成された熱量のみに頼った武器であったが、効果が見られたのは最初の一度きり。
銀河を消し飛ばすほどの焦熱兵器を持ってなお白き羽根を纏った敵性生物に吸収され、学習した彼らにより逆に使用されるという打開の一手になりえぬどころか悪化させた状況にその空域の権限を任されていた指導者はその光景を見た後、その場で自殺した。
天藍玲瓏の鈴
制作者:暗黒神様
九龍が幼少より持っていた鈴。
何故持っているのか由来はなんなのかいつから持っているのかを本人も知らない。
気に入っていたので常に持ち歩いており世界線を越える時に喪失してしまっていたが、暗黒神様からこのたび賄賂として渡された事でなるほどなぁとなるなどとした。
特に特別な効果などは一切なく、ただ良い音がするだけである。
悪魔おすすめブックセット
制作者:=
文字通り悪魔のおすすめブックセット。
この一冊が面白い大賞、今こそ読むべき古典、売れ筋ランキング月間一位、1億PVを突破したネット小説など地獄でも話題となった珠玉の詰め合わせギフトとなっている。
暗黒神様総攻め本、悪魔事典、隠秘の谷、ハルイヤの断片、雪晴雲雀春霞之墨絵などどれも読んで損は無いだろう。
ラインナップに暗黒神総受け本も上がったがこちらは宗教戦争を引き起こすとして裏ギフトとなっている。読んだ者曰く、割と抜けたとの事。
the 27 Club
制作者:暗黒神様
暗黒神様が自分自身の以前の身体を素材にして悪魔用に制作したエーテル変換器である27個の人形。
世界観の異なる物質界のエネルギーを悪魔が使えるように変換する術式の書き込みは天陽が語ったように悪魔が数百年掛けてやるような作業量であるがそれはあくまでもまともに書き込める大きさの紙があるという前提が存在している。それが手の平程度のサイズともなれば制作難易度は一気に数十倍に跳ね上がる。
素材は一級品であるがそれをまず27分割にしてしまうという遠回しなゴミ制作としか思えない悪魔からしても目を剥く作業から始まり暗黒神様が片手間であたおかな情報量を秒で書き込む事で本人知覚するところのワンプッシュで完成した。
悪魔曰く。「理不尽の権化」
蓬莱の玉の枝
制作者:暗黒神様
龍の頸の玉、仏の御石の鉢、火鼠の皮衣、燕の子安貝と並んでこの世で最も探すことが難しい宝物の代名詞として知られる神の工芸品。
蓬莱山に存在する根は白銀、茎は黄金、実は真珠という輝ける木の枝である。
神宝として知られるそれは想像図はあれど実物が見つかったことはない。
それはしごく当然の話であり、そもそもがしつこい求婚者達を体よく追い払う為に法螺話を聞かせてそれを求め、求婚者達が知ったかぶりをしては偽物を持ち込む様を笑う滑稽話が大元だからである。
5つの宝は何れも存在しないものとして知られており、要するに不可能なもの、見込みがないものを指す言葉として使われている。神の工芸品とはされているが実際神の工芸品目録にも記載はされていない。
愛の告白をしてこれを見つけたらと言われればそういうことである、というものでありトレジャーハンターに憧れる子どもを揶揄する為の言葉なわけである。
いつの間にかギルド前の蒸し風呂に置かれていた眩い朝日の如き黄金の枝に月の光の如き白銀の葉、この世のものとも思えぬ美しい真珠が実り神々しくも柔らかな虹の光を放つ、見る者を自然と跪かせる不思議な木の枝はどう見てもあれだがそのような有名なホラ吹き宝の名を実は存在したのだなどと言及したら負けの精神で今も蒸し風呂に置かれている。
特に神霊族や古い血筋の亜人などは直視すら出来ずにおり、触れる勇気のある者もおらず自然とサウナ室で祀られつつあるような代物だとしても言ったら負けなのである。
緑の目
制作者:暗黒神様
暗黒神様が作った自称あーとその2。
中心に描かれた黒円は空間に開いた穴である。覗き込んだ際に目が合うと呪われる。
暗黒神ちゃんボンバー
制作者:暗黒神様
暗黒神様が手ずから作り上げた素敵な爆弾。
神話級と言えるその威力、まさにビッグバン。
大陸1つ消し飛ばせる威力の爆弾は地軸に与えるダメージとその汚染度も踏まえて地球破壊爆弾と言って相違はない。
現在は人魚族に回収され深海で導火線を取り除かれて据え置かれ、生物群集状態となっている。
光明神の印
制作者:■■■■様
レガノアちゃんマーク。
属性や力の大小の全てを無視し、設置された場に秩序と調和と平穏を齎す不思議マーク。
常人が設置された場所に長くいるとそのうち解脱したくなってくる。




